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塩化水素

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
塩化水素
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識別情報
CAS登録番号 7647-01-0
EC番号 231-595-7
国連/北米番号 1050
RTECS番号 MW4025000
特性
化学式 HCl
モル質量 36.46 g/mol
外観 無色気体または液体
密度 1.00045 mg/cm³
融点

−114 °C, 159 K, -173 °F

沸点

−85 °C, 188 K, -121 °F

への溶解度 67 g/100 mL (30 ℃)
酸解離定数 pKa −4
構造
分子の形 直線型
双極子モーメント 1.05 D
熱化学
標準生成熱 ΔfHo −92.31 kJ/mol[1]
標準モルエントロピー So 186.902 J/(K·mol)[1]
標準定圧モル比熱, Cpo 29.14 J/(K·mol)[1]
危険性
安全データシート(外部リンク) 厚生労働省モデルSDS
GHSピクトグラム 高圧ガス腐食性物質急性毒性(高毒性)経口・吸飲による有害性水生環境への有害性 [2]
GHSシグナルワード 危険 [2]
Hフレーズ
  • 加圧ガス:熱すると爆発のおそれ
  • 飲み込むと有毒
  • 吸入すると生命に危険
  • 吸入すると有毒
  • 重篤な皮膚の薬傷・眼の損傷
  • 重篤な眼の損傷
  • 吸入するとアレルギー、喘息または、呼吸困難を起こすおそれ
  • 呼吸器系の障害
  • 長期にわたる、または、反復ばく露により歯、呼吸器系の障害
  • 水生生物に非常に強い毒性 [2]
NFPA 704
0
3
1
ACID
関連する物質
その他の陰イオン フッ化水素
臭化水素
ヨウ化水素
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

塩化水素(えんかすいそ、: hydrogen chloride)は塩素水素から成るハロゲン化水素化学式 HCl。常温常圧で無色透明、刺激臭のある気体。有毒であり、塩酸ガスとも呼ばれる。

概要

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塩化水素は常温常圧下では気体であり、塩化水素の水溶液を塩酸と呼ぶ。気体の塩化水素は、塩化水素分子として存在し、水溶液である塩酸中では、塩化水素はほぼ完全に正負のイオンに電離している。

常温常圧下で、濃度がほぼ25%以上の塩酸には発煙性がある。

日本では毒物及び劇物取締法により、原体および10%を超える製剤が劇物に指定されている。

ラットの吸入毒性ではLC50が 3,124 ppm/1h。

発生方法

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塩化水素は水素と塩素の反応で得る。

もしくは塩化ナトリウム濃硫酸の反応によって得ることができる。この反応では、硫酸が不揮発性で塩化水素が揮発性であることが重要である。

塩化ナトリウム + 濃硫酸 → 硫酸水素ナトリウム + 塩化水素

工業的には塩化ナトリウム水溶液の電気分解によって水酸化ナトリウムとともに水素塩素を生成し、その後水素と塩素を混合して作る(イオン交換膜法)。近年では、以下の反応のように塩化ビニルや塩化ビニリデンなどの製造の副生成物として回収される塩化水素の生産量のほうが多い。

(R:アルキル基、ビニル基など)

塩化水素ガス(塩酸分は除く)の2012年度日本国内生産量は 98,401 t、消費量は 92,939 t である[3]

自然には火山活動などで発生する。ルブラン法炭酸ナトリウム(炭酸ソーダ)生成の主な方法であった頃はこのガスが問題となっていた。

他の物質との反応

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塩酸アンモニアの反応による白煙(ビーカーの中には塩酸、試験管の中にはアンモニア)

脚注

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関連項目

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