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カヤタケ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
カヤタケ
カヤタケ Infundibulicybe gibba
分類
: 菌界 Fungi
: 担子菌門 Basidiomycota
亜門 : 菌蕈亜門 Hymenomycotina
: 真正担子菌綱 Homobasidiomycetes
: ハラタケ目 Agaricales
: キシメジ科 Tricholomataceae
: カヤタケ属 Infundibulicybe
: カヤタケ I. gibba
学名
Infundibulicybe gibba
(Pers. : Fr.) Harmaja (2003)
シノニム[1]
  • Agaricus gibbus
    Pers. (1801) : Fr. (1821)
  • Clitocybe gibba
    (Pers. : Fr.) P. Kumm. (1871)
和名
カヤタケ

カヤタケ(茅茸[2]学名: Infundibulicybe gibba)は、キシメジ科カヤタケ属オオイヌシメジ属)に属する小型から中型のキノコ。従来カヤタケ属の学名はClitocybe(=ハイイロシメジ属)とされていたが、2003年に本種を基準種とするInfundibulicybe属に変更された[1]が開くと、漏斗状に中央が窪むのでジョウゴタケともよばれている[3]。地方により、アケボノシメジ(埼玉県)、サカヅキモタシ(秋田県)の地方名もある[2]。食べるとおいしいが、ムスカリン類が検出されている。

分布・生態

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北半球一帯[4]の、林内の落葉上や草地の中[5][6][7][4]北日本に多い[5]

腐生菌[5]。初秋から中秋にかけて、ブナカシ林内や雑木林の落葉上、草地の中に、散生したり群生したり、単生する[4][3][2]菌輪を作って並んで生えていることもある[3]

形態

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子実体からなる。傘の径は4 - 8センチメートル (cm) [5][6]、大きなものは12 cmほどになる[3]。傘ははじめ半球型で、そのあと中央部が窪んだ饅頭形(丸山形)になり、最終的にさらに反り返ってラッパ状か漏斗状になる[3]。漏斗状のときの中央は大きく窪んでおり、その部分のは厚く、ほかの部分は薄い[4]

傘の表側は帯黄色から帯赤褐色[5]、あるいは赤褐色から黄土色で[2]、赤みが強いタイプと橙色が強いタイプがある[5]。中央部は濃色で縁がやや淡く紫色を帯びることがあり[2]、放射状で短く浅い溝線がある[4]。若いうちは傘の縁に条線が現れる[5]。中央部は繊維状鱗片におおわれる[6][5]。平滑[4]

傘の裏側のひだは白色から黄白色で、柄に長く垂生につき、幅狭く密[5][2]。胞子は6 - 7.5 × 4 - 4.5マイクロメートル (μm) で[6]、白色[5]

は高さは3 - 5 cm[6]。柄は傘と同色か淡く、上下同大か下方が太く、中実[4]。基部に白色菌糸を綿毛状にまとう[6][4]つばつぼはなし[5]は白色で、薄いがやや強靱で無味無臭[4][2]

利用

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下処理をした後に、味噌汁雑煮すき焼き天ぷらけんちん汁などに合う[3]。また、煮込みピクルスマリネグラタンピザオムレツホイル焼きなど、洋食に大いに合う[要出典]。さらに中華スープ油炒め煮込むあんかけなどの、中華料理にも合う[要出典]ポタージュコンソメコロッケチャーハンギョーザシュウマイなどでも食べられる[6]

食用とされてきたが、有毒成分を含むことがわかっている[2]。毒成分としてムスカリン類が検出されているので、ムスカリン中毒の症状も確認されているため、注意は必要[2][8]

似ているキノコ

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カヤタケは子実体の外見がドクササコ (Paralepistopsis acromelalga) という神経系統を冒す猛毒キノコに似るが[3]、柄の中は肉が詰まっている。

脚注

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  1. ^ a b Harmaja, H. (2003). “Notes on Clitocybe s. lato (Agaricales)”. Annales Botanici Fennici 40 (1): 213–218. 
  2. ^ a b c d e f g h i 長沢栄史 監修 2009, p. 84.
  3. ^ a b c d e f g 瀬畑雄三 監修 2006, p. 36.
  4. ^ a b c d e f g h i 柳沢まきよし、ポケット図鑑『新版 日本のキノコ275』、文一総合出版、2022年、63頁
  5. ^ a b c d e f g h i j k 小宮山勝司、ヤマケイポケットガイド⑮『きのこ』、山と渓谷社、2000年、112頁
  6. ^ a b c d e f g 今関六也・大谷吉雄・本郷次雄、山渓カラー名鑑『増補改訂新版 日本のきのこ』、山と渓谷社、2011年、64・602頁
  7. ^ 保坂健太郎、小学館の図鑑NEO『[改訂版]きのこ』、小学館、2017年、25頁
  8. ^ 江指隆年ら『食品衛生検査指針理化学編 2005 公定検査法等詳解』日本食品衛生協会、700頁。ISBN 978-4-88925-003-9 

参考文献

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