ムスカリン
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ムスカリン | |
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2,5-anhydro-1,4,6-trideoxy-6-(trimethylammonio)-D-ribo-hexitol | |
別称 L-(+)-muscarine, muscarin, (2S,4R,5S)-(4-hydroxy-5-methyl-tetrahydrofuran-2-ylmethyl)-trimethyl-ammonium | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 300-54-9 |
PubChem | 9308 |
ChemSpider | 8949 |
ChEMBL | CHEMBL12587 |
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特性 | |
化学式 | C9H20NO2+ |
モル質量 | 174.26 g/mol |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
ムスカリン(英: muscarine[1]、L-(+)-muscarine、muscarin)は、アセタケ類 (Inocybe) およびカヤタケ類 (Clitocybe) の特定のキノコに含まれるアルカロイドの一種。1869年にベニテングタケ(学名 Amanita muscaria)から初めて単離された(0.00025 % - 0.0003 %含まれる)。
ムスカリンは最初に研究された副交感神経作用物質で、末梢の副交感神経系に重篤な刺激作用を生じさせ、痙攣や死にいたることもある。ムスカリンは、血液脳関門を通れないため、中枢神経系に直接影響を及ぼすことはない。ムスカリンは、あるタイプのアセチルコリン受容体(ムスカリン性アセチルコリン受容体)に結合し、神経伝達物質アセチルコリンの作用を模倣する、副交感神経作用薬である[2]。
ムスカリン中毒は、キノコの摂取後15-30分後に、涙と唾液の分泌増加、発汗が見られることで特徴づけられる。大量に服用した場合、これらの徴候の後に、腹痛、ひどい吐き気、下痢、瞳孔の縮小(縮瞳)、呼吸困難などが続くことがある。これらの中毒症状は、通常2時間以内で静まるとされる。ムスカリン中毒によって死亡することは珍しいが、まれに心臓発作や呼吸不全の原因になることがある。解毒剤としてアトロピンがある。
- 化学名:(2S,4R,5S)-(4-ヒドロキシ5-メチル-テトラヒドロフラン-2-イルメチル)-トリメチル-アンモニウム
ムスカリンを含むキノコ
[編集]- テングタケ科テングタケ属 - テングタケ[3]、ベニテングタケ[3]など。極微量含まれる。主要な毒成分はイボテン酸などである。
- フウセンタケ科 アセタケ属[3] - オオキヌハダトマヤタケ、シラゲアセタケなど。ムスカリンを多く含み、毒性は強い。
- キシメジ科 カヤタケ属[3] - カヤタケ、シロヒメカヤタケ、コカブイヌシメジなど。欧米に多い。
- イッポンシメジ科 - イッポンシメジ、クサウラベニタケ。日本で中毒が多いキノコ。
- イグチ科 ニガイグチ属 - ニガイグチ。 主な毒性分として含有。
出典
[編集]- ^ 文部省、日本動物学会編『学術用語集 動物学編』(増訂版)丸善、1988年。ISBN 4-621-03256-9。
- ^ 當瀬規嗣『よくわかる薬理学の基本としくみ』秀和システム、2008年、73-74頁。ISBN 978-4-7980-2029-7。
- ^ a b c d 江指隆年ら『食品衛生検査指針理化学編 2005 公定検査法等詳解』日本食品衛生協会、700頁。ISBN 978-4-88925-003-9。
外部リンク
[編集]- ウィキメディア・コモンズには、ムスカリンに関するカテゴリがあります。