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パーセント記号

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
%から転送)
主要な無次元量単位
1単位 指数
1 % 0.01 10−2
1 0.001 10−3
1 0.0001 10−4
1 ppm 0.000001 10−6
1 ppb 0.000000001 10−9
1 ppt 0.000000000001 10−12
1 ppq 0.000000000000001 10−15
% ‰ ‱

パーセント記号 (%) は、パーセンテージ(百分率)を表すときに使用する記号で、数字の値の後ろに表記することで 100 分の 1 を表す。

同じような記号にパーミル記号 (‰) もあり、この記号は千分率を表し、1000 分の 1 を意味する。また、ほとんど見かけることはないが、10000 分の 1 を意味するパーミリアド記号()も存在する。

由来

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per cento

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「p100」の用例。1339年。
「PCº」の用例。長い横棒は変形したCの一部。1425年。
「%」を正立させた記号の用例。1648年。

イタリア語の「per cento」(100あたり)に由来するとする説。過程が異なるバリエーションがあるが、以下では D.E.スミス による説明を中心にのべる。

古くは専用のパーセント記号はなく、「per cento」から、「per 100」「p 100」「p cento」などと書かれていた[1]

1425年ごろ、「PC」に「cento」の最終文字「o」を(序数標識「º」のように)小さな丸として添えた記号が現れた[2]

1650年ごろ、「Cº」の部分が変形し「%」を正立させたような記号になり[3]、さらに「P」が脱落した[4]

1925年ごろには、斜め線を使った形(Poor Richard font)が現代的とされた[5]

このほか、若干異なる次のような説明もある。

  • 「cento」の略記「c/o」に由来[6]
  • 「pc」の変形[6]

/100

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「/100」を変形させ、「/1」を1本の線に略して位置をずらし「%」とした[6]

スペース

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数字と%の記号の間にスペースを入れる流儀と入れない流儀がある[7]

スペースを入れる

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国際単位系の規則では、数値と単位記号(°C、%を含めて)の間にスペースを入れると規定している[8] [9]。(ただし、唯一の例外として、角度の度分秒(° ’ ”)の場合は、スペースを入れない[10]。)
  • (財)日本適合性認定協会[11]

スペースを入れない

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自然言語での用途

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パーセント

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パーセントを表す。

  • 消費税 10 %
  • 視聴率 15 %
  • 定価の 20 % 引
  • 濃度 5.5 % の食塩水
  • 120 × 50 % = 60 (数学的には不適切だが初等教育では使われることがある[独自研究?]

コマーシャル・マイナス

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漢数字大字のように、ミスや改竄を防ぐためマイナス記号 (−) の代わりに使われる。

ただしこの記号は「˙/.」や「./.」の形にグリフされることも多く、Unicode では、この用途には別の符号点 U+2052 が用意されている。

コンピュータでの用途

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ASCIIコードに収録されていて入出力しやすいことから、プログラミング言語CUIシェルなどで、本来の意味を超えて特別な意味を持たせていることがある。

書式設定

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C言語の書式付入出力関数printf など)では書式指定を示す。たとえば、%d で整数、%c で 1 文字などの出力となる。他の言語でも同様のものが見られる。

剰余演算子

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剰余演算子として使用する言語もある。C 言語の例:

int a = 25 % 7;

25 を 7 で割った余り (剰余)の 4 が a に代入される。C 言語では整数型のみだが、Java では実数も扱うことができる。

環境変数

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MS-DOS や Microsoft Windows などでは、標準のコマンドラインインタプリタにおいて環境変数を表す記号として使用されている。

echo %PATH%

「%PATH%」が環境変数 PATH の値に置換された後に echo コマンドが実行されて PATH の値が表示される。

その他のコンピュータでの用途

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  • URL内のASCII外の文字や、ASCII内でも一部の記号はそのまま送信することができないので、%xx(xxは16進2桁)という形に「パーセントエンコード」して送信される。RFC 3986では、このエンコード方式が「Percent-Encoding」と呼ばれている。
  • MS-DOS/Windowsのシェル(command.com, cmd.exe)のFor文では、「%+英字1文字(例: %i)」でイテレータ変数を表す。また、バッチファイル内では、「%+数字1文字(例: %1)」で引数を表す。
  • crontab では、行内の%はコマンドの終了を意味し、%以降は標準入力からの入力になる。
  • MATLAB などでは、%から行末までがコメントとなる。
  • データベース言語 SQL では、ワイルドカード文字として、「長さ0文字以上の任意の文字列」を意味する。
  • IPv6アドレスリンクローカルアドレスで、インターフェースを明示するときに使うゾーンインデックスとアドレスとの区切りに使用する。IPv6アドレス#リンクローカルアドレスとゾーンインデックスを参照。
  • TeX やそれに準ずる組版システムの原稿中では,当該記号に続く文字列及び改行文字は存在しないものと見做されて処理に移る。

符号位置

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記号 Unicode JIS X 0213 文字参照 名称
% U+0025 1-1-83 %
%
パーセント記号
٪ U+066A - ٪
٪
パーセント記号
(アラビア文字)
U+2030 1-2-83 ‰
‰
‰
パーミル記号
U+2031 - ‱
‱
パーミリアド記号
U+2052 - ⁒
⁒
コマーシャルマイナス記号
U+332B 1-13-45 ㌫
㌫
組文字パーセント
U+FF05 1-1-83 %
%
パーセント記号
(全角)

文献

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出典

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  1. ^ Smith 1898, p. 437
  2. ^ Smith 1898, pp. 439–440
  3. ^ Smith 1898, p. 441
  4. ^ Smith 1898, p. 440
  5. ^ Smith 1925, p. 250, Vol. 2 in Dover reprint of 1958, ISBN 0-486-20430-8
  6. ^ a b c 星田直彦『単位171の新知識 読んでわかる単位のしくみ』講談社ブルーバックス 2005年
  7. ^ スペース:割と度し難い? 世界標準のスペック英語、2017年5月25日
  8. ^ 訳・監修 独立行政法人産業技術総合研究所 計量標準総合センター『国際文書第8版 (2006) 国際単位系 (SI) 日本語版』(PDF)、47頁https://web.archive.org/web/20191008102417/https://unit.aist.go.jp/nmij/library/units/si/R8/SI8J.pdf#page=482017年8月20日閲覧  「数学的記述において,国際的に認められている記号である%(パーセント)は数字の 0.01 を表す.したがって,%は無次元量を表すのに用いられる.数字と記号%の間には空白を挿入する.」 
  9. ^ 量の表し方 日置昭治、p. 70、ぶんせき、2011年2月 「パーセント(%;百分率)は単位(単位記号)ではないが,表現上は単位と同じように数値の後に 1 文字分の空白を挿入して,0.01を表す % を用いて表してもよいし,JIS K 0050:2005「化学分析方法通則」日本産業標準調査会経済産業省)では 0.001を表す ‰(“パーミル”;千分率)を用いて表してもよいとしている。なお,数値と % の間に空白を挿入することについては異論もなくはないが,SI 文書第 8 版で明示されたので従わなければならない。」 
  10. ^ 国際単位系 (SI) 国際文書第8版 2006年(日本語訳)、訳・監修 (独)産業技術総合研究所 計量標準総合センター 5.3.3 量の値の書式、p.45  「この原則における唯一の例外は,平面角を表す単位である度(degree),分(minute),及び秒(second)であり,それぞれの単位記号である°,′,及び″に対しては,数値と単位記号との間に空白を挿入しない.」
  11. ^ 単位や学名等の記載方法について JAB NL512:2015、p.3/9、 2015年10月1日、(財)日本適合性認定協会 「%は SI 単位ではないが、数字と記号%の間には空白を挿入する。」 
  12. ^ Quantities and units – Part 0: General principles”. International Organization for Standardization (1999年12月22日). 2007年1月5日閲覧。
  13. ^ The Chicago Manual of Style”. University of Chicago Press (2003年). 2007年1月5日閲覧。
  14. ^ Jazyková poradna ÚJČ AV ČR: FAQ”. Ústav pro jazyk český Akademie věd ČR (2002年). 2009年3月16日閲覧。

関連項目

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