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カラス科

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
カラス族 (Sibley)から転送)
カラス科
生息年代: 中新世中期-現世
ワタリガラス
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 鳥綱 Aves
: スズメ目 Passeriformes
亜目 : スズメ亜目 Passeri
上科 : カラス上科 Corvoidea
: カラス科 Corvidae
学名
Corvidae Vigors1825
タイプ属
Corvus
和名
カラス(烏・鴉)
カラスの生息域

カラス科(カラスか、学名 Corvidae)は、鳥類スズメ目の科である。

カラス(烏・鴉)と総称されるが、狭義には(明確な定義はないが)カラス属など数属をカラスと総称する。カラス科には他に、カケス類・オナガ類・サンジャク類・カササギ類などが含まれる。

特徴

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分布

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南極南米南部を除く全世界に生息する。

アフリカ大陸オーストラリア大陸北アメリカ大陸ユーラシア大陸アイスランドアイルランドイギリスインドネシア日本パプアニューギニアマダガスカル

形態

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最大種はワタリガラスで全長65cmとスズメ目でも最大種。多くの種では全身が黒い羽毛で覆われるが、多彩な色彩の羽毛を持つ種もいる。

嘴や後肢は頑丈で、鼻孔は羽毛で覆われる。

生態

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草原森林砂漠海岸、市街地などの様々な環境に生息する。

食性は雑食で、果実種子昆虫などを食べる。

囀らない。多くの種は樹上や断崖に木の枝を組み合わせたお椀状の巣を作り、卵を産む。

系統と分類

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カラス科など7科はカラス上科の中で単系統をつくるが、互いの系統関係は不確実である[1]

カラス科内の系統樹は Ericson et al. (2005)[2]; Bonaccorso & Peterson (2007)[3]カンムリカケス Platylophus は図示されていない。2つの大きく放散した系統があり、1つは新世界に生息し New World jays(新世界カケス類)と呼ばれ、もう1つは旧世界に生息しカラス類・カササギ類・旧世界のカケス類などが含まれる。

オウギビタキ科 Rhipiduridae

カササギヒタキ科 Monarchidae

フウチョウ科 Paradisaeidae

モズ科 Laniidae

オオツチスドリ科 Corcoracidae

オウチュウ科 Dicruridae

カラス科

ベニハシガラス属 Pyrrhocorax

タイワンオナガ属 Dendrocitta

キリオオナガ Temnurus

クロカケス Platysmurus

ラケットオナガ属 Crypsirina

サンジャク属 Urocissa

ヘキサン属 Cissa

アカオカケス属 Perisoreus

オナガ属 Cyanopica

ソデグロガラス Zavattariornis

アフリカサンジャク Ptilostomus

サバクガラス属 Podoces

カササギ属 Pica

カケス属 Garrulus

ホシガラス属 Nucifraga

Coloeus

カラス属 Corvus

New World jays

ヒメアオカケス属 Cyanolyca

アオカケス属 Cyanocitta

マツカケス Gymnorhinus

ルリサンジャク属 Cyanocorax

チャイロカケス Psilorhinus

カンムリサンジャク属 Calocitta

アメリカカケス属 Aphelocoma

伝統的にカラス科とされてきたが論争のあったヒメサバクガラス Pseudopodoces は、スズメ小目シジュウカラ科 Paridae に移され、さらにシジュウカラ属 Parus に含められ学名も Parus humilis となった。カンムリカケス Platylophusモズ科 Laniidae に近い可能性があるが、カラス科に留められている(分類は国際鳥類学会議 (IOC) を基準とした[4])。

Sibley & Ahlquist (1990) ではカラス族 Corvini とされ、カラス亜科に含まれていた。

属と種

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国際鳥類学会 (IOC)[4]より。25属128種。

人間との関係

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適応力が強く食性が幅広いため、市街地などの他の鳥類が生息しないような環境でも見られることがある。

一方で開発による生息地の破壊、人為的に移入された動物による捕食などにより生息数が減少している種もいる。

画像

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出典

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参考文献

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  • 中村登流監修 『原色ワイド図鑑4 鳥』、学習研究社1984年、6–7頁。
  • 黒田長久監修 C.M.ペリンズ、A.L.A.ミドルトン編 『動物大百科9 鳥III』、平凡社1986年、146–149頁。
  • 小原秀雄浦本昌紀太田英利松井正文編著 『レッド・データ・アニマルズ6 アフリカ』、講談社2000年、107, 222頁。
  • 小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著 『レッド・データ・アニマルズ1 ユーラシア、北アメリカ』、講談社、2000年、207–208頁。
  • 小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著 『レッド・データ・アニマルズ4 インド、インドシナ』、講談社、2000年、102–103, 196頁。
  • 小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著 『レッド・データ・アニマルズ5 東南アジアの島々』、講談社、2000年、201頁。
  • 真木広造大西敏一 『日本の野鳥590』、平凡社、2000年、212–224頁。
  • 小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著 『レッド・データ・アニマルズ3 中央・南アメリカ』、講談社、2001年、256頁。
  • 小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著 『レッド・データ・アニマルズ8 太平洋、インド洋』、講談社、2001年、120, 238頁。
  • 『小学館の図鑑NEO 鳥』、小学館2002年、106–108, 141, 159頁。