カルベジロール
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IUPAC命名法による物質名 | |
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臨床データ | |
販売名 | アーチスト |
Drugs.com | monograph |
MedlinePlus | a697042 |
胎児危険度分類 |
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法的規制 |
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薬物動態データ | |
生物学的利用能 | 25–35% |
血漿タンパク結合 | 98% |
代謝 | 肝臓 (CYP2D6, CYP2C9) |
半減期 | 7–10 時間 |
排泄 | 尿 (16%), 便 (60%) |
識別 | |
CAS番号 | 72956-09-3 |
ATCコード | C07AG02 (WHO) |
PubChem | CID: 2585 |
IUPHAR/BPS | 551 |
DrugBank | DB01136 |
ChemSpider | 2487 |
UNII | 0K47UL67F2 |
KEGG | D00255 |
ChEBI | CHEBI:3441 |
ChEMBL | CHEMBL723 |
化学的データ | |
化学式 | C24H26N2O4 |
分子量 | 406.474 |
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カルベジロール(Carvedilol)はアドレナリンαβ受容体遮断薬のひとつで、高血圧・狭心症・心不全治療薬である。交感神経β受容体遮断薬としては第三世代に分類され、β1受容体とβ2受容体の両者を阻害する。[1]世界各国で用いられているが、日本での代表的製品名は「アーチスト」。後発医薬品(ジェネリック医薬品)も発売されている。
薬理
[編集]カルベジロールは、アドレナリン受容体のうちα1受容体、β1受容体、β2受容体を非選択的に阻害する。[2]
- β1受容体は心拍数などの制御に関わっている。カルベジロールはβ1受容体阻害により心拍出量の低下をもたらす。
- β2受容体は一部の血管・気管支拡張などに関わっている。カルベジロールは腎動脈や気管支などの拡張を阻害する。
- α1受容体は末梢の血管収縮などに関わっている。カルベジロールにより、血管が拡張し、血管抵抗の低下と血圧の低下をもたらす。
それぞれの受容体阻害比率は、β1受容体遮断効力:β2受容体遮断効力=7:1[3] 、α受容体遮断効力:β受容体遮断効力=1:8[4]とされている。
効能・効果
[編集]- 本態性高血圧症
- 腎実質性高血圧症
- 狭心症
- 虚血性心疾患又は拡張型心筋症に基づく慢性心不全
副作用
[編集]主な副作用には めまい, 倦怠感, 低血圧, 喘息発作, 徐脈などがある。[5]
脚注
[編集]- ^ 『図解 薬理学』Toshitaka Nabeshima, Kazuhide Inōe, 鍋島俊隆., 井上和秀.、南山堂、Tōkyō、2015年、302-303頁。ISBN 978-4-525-72061-2。OCLC 922307421 。
- ^ 『新しい疾患薬理学』Katsunori Iwasaki, Shōgo Tokuyama, 岩崎克典., 徳山尚吾.、南江堂、Tōkyō、2018年、63頁。ISBN 978-4-524-40335-6。OCLC 1030482447 。
- ^ Sponer G, et al.:J Cardiovasc Pharmacol 1987;9(3):317-327.
- ^ Tomlinson B, et al.:Drugs 1988;36(Suppl 6):37-47.
- ^ Carvedilol Official FDA information, side effects and uses. Drugs.com, October 11, 2009.