カルボヒドラジド
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カルボヒドラジド | |
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1,3-Diaminourea | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 497-18-7 |
PubChem | 73948 |
ChemSpider | 66578 |
UNII | W8V7FYY4WH |
ChEBI | |
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特性 | |
化学式 | CH6N4O |
モル質量 | 90.09 g/mol |
密度 | 1.341 g/cm3 |
融点 |
153 - 154 °C, 272 K, -92 °F |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
カルボヒドラジド(Carbohydrazide)は、化学式OC(N2H3)2の化合物である。白色の水に可溶な固体であり[1][2]、融解するとすぐに分解する[2]。1つ以上のN-H基が置換した多くのカルバジドが知られており、薬品、除草剤、植物成長制御剤、染料等の中に広く見られる。
生成
[編集]工業的には、尿素をヒドラジンで処理することで作られる[3]。
- OC(NH2)2 + 2 N2H4 → OC(N2H3)2 + 2 NH3
また、炭酸エステル等の他のC1前駆体をヒドラジンで処理することでも得られる[2]。ホスゲンから作ることもできるが、副産物としてヒドラジニウム塩([N2H5]Cl)も生成し、脱ホルミル化が起こる。カルバジン酸も前駆体になりうる。
- N2NH3CO2H + N2H4 → OC(N2H3)2 + H2O
構造
[編集]この分子は非平面状であり、全ての窒素中心は少なくともいくらかピラミッド型である。これは、C-N間のπ結合がより弱いことを示している。C-N間及びC-O間の距離は、各々約1.36Å、1.25Åである[4]。
利用
[編集]- 酸素スクラバー:ボイラーから酸素を除き、腐食を防ぐために用いられる[5][6]。
- ポリマーの前駆体:エポキシ樹脂の硬化剤に用いられる[2]。
- 写真:トナーの一つとして銀塩拡散転写法に用いられ、アゾメチン系やアジン系の発色剤を安定化する[2]。
- その他、弾薬推進剤[7]、安定石鹸[2]、有機合成等にも用いられる。
危険性
[編集]加熱すると爆発する。飲み込むと有害であり、目や呼吸器、皮膚を刺激する。水生生物にとって毒性を持つ[8]。
出典
[編集]- ^ Inorganic Syntheses Volume IV. McGraw-Hill Book Company, Inc.. (1953). pp. 35. ISBN 9780470132678
- ^ a b c d e f Kurzer, Frederick; Michael Wilkinson (February 1970). “Chemistry of carbohydrazide and thiocarbohydrazide”. Chemical Reviews 70: 111-149. doi:10.1021/cr60263a004.
- ^ Jean-Pierre Schirmann, Paul Bourdauducq "Hydrazine" in Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry, Wiley-VCH, Weinheim, 2002. doi:10.1002/14356007.a13_177.
- ^ Ottersen, T.; Hope, H. "The Structure and Electron Deformation Density Distribution of Carbonohydrazide (Carbohydrazide) at 85 K" Acta Crystallographica B 1979, volume 35, p373-p378. doi:10.1107/S0567740879003575
- ^ Buecker, Brad (1997). Power Plant Water Chemistry A Practical Guide. PennWell Publishing Company. pp. 13-16. ISBN 978-0-87814-619-2
- ^ “Patent US4269717”. 8 October 2012閲覧。
- ^ “Patent US2970899”. 8 October 2012閲覧。
- ^ “MSDS”. 8 October 2012閲覧。