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カレーマン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
カレーマン
漫画
原作・原案など 宮崎克
作画 はしもとみつお
出版社 小学館
掲載誌 ビッグコミックオリジナル
レーベル ビッグコミックス
発表号 2022年15号 - 2024年1号
発表期間 2022年7月20日[1] - 2023年12月20日[2]
巻数 全4巻
話数 全35話
テンプレート - ノート
プロジェクト 漫画
ポータル 漫画

カレーマン』は、原作:宮崎克、漫画:はしもとみつおによる日本漫画作品。『ビッグコミックオリジナル』(小学館)にて、2022年15号より2024年1号まで連載[1][3]

内容は、食品会社に勤務する女性社員が、名門中華店の息子ながらカレーマニアになっていた男と出会い、おいしいカレーを本気で模索するというもの[1]

あらすじ

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食品会社に勤務するメイは、自ら勤務する会社の(上位4位である)カレールーのシェアを上げようと、「ごほうびカレー」企画を立ち上げるが、引き受けてくれるアドバイザーに苦心していたところ、カレーオタクな中華店の息子・神谷正人と出会い、カレーを探求するストーリー。

登場人物

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主要人物

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カレー好きの2人が「仕事」と称して、探求する。メイは学校給食の調理員になること、正人はカレーで多くの人を幸せにするのが夢であった。そういう意味で二人はある意味夢を実現している。

岬美恵(みさき みえ)
サンダー食品・マーケティング企画室に勤務。新カレーを企画・制作する担当で、アドバイザーを探すが困惑。神田明神で倒れたところを正人に助けられ、近所にある知人の店「三月の水」に連れられた。正人を「人さらいの変態」と勘違いしてしまうが、連れてきた店のメニューにアレンジした正人の手製カレー「台湾式牛バラカレー」を食し(正人は彼女のアクセントから、台湾関係の人と気づく。実際、彼女の母は台湾人である)、正人をアドバイザーにすることにした。台湾読みで「美恵=メイフェイ」となるため、あだ名は「メイ」。仕事柄体重の増加が目下の悩みである。佐藤に「ナイジェリアの無償給食事業を立ち上げるので、転勤してほしい」との指令を受けるが、坂口に「お前の行きたいところと違う」と言い、坂口に譲り、自らは南アジア方面への給食事業を模索する。
神谷正人(かみや まさと)
東京神保町の名門中華店「歓天楼」の次男。小学時代からカレーにはまり、家業そっちのけでカレーを探求、自ら実践して調理することもある(自称であったが、メイなどにもカレーマンと思われるようになる)。神田明神で助けたメイに「人さらいの変態」と勘違いされる。メイに「台湾式牛バラカレー」をつくり、感心される。メイが彼をアドバイザーにすべく、「歓天楼」に来店すると(正人手製のまかない)カレーの香りに引き込まれてしまい、メイにまかないを食べさせる。だが、メイのスカウトに(メイ自身のカレーに対する思慮が足りないと思い)なかなか応じないが、メイのカレーがらみの仕事に助け舟を出す。坂口、宏美の接近には気づいていないが(気づいていないふりをしているだけで、彼なりのフォローもしているところもあるのだが)、坂口に対しては、「同じ老舗料理店の跡継ぎ息子としての葛藤および現在はカレー道を究めている事を共感している」のを理由として親近感を持つようになった。メイに「親父さんと仲良くなった方がいい」とあおられたことに憤慨して、父に「心のふるさとカレー」をつくって歓天楼を飛び出してしばらくは「まる」を手伝うが、斉藤と二毛作店舗を開く形で独立する。小学生の友人が多い事と、分別が付かないと言われ、メイと斉藤に「熟していないところがある」と評されている。

サンダー食品、HD堂

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メイの勤務する食品会社「サンダー食品」は製菓・加工品(即席カレー含める)が主な製品でかなりの大手。メイの友人・宏美の勤務する大手広告代理店「HD堂」とアニメ「チャンドラの懐刀」でコラボ商品を企画する。

小菅(こすげ)
メイの上司で、課長。毎回、会社の経費でカレー取材という試食をするメイに対して嫌味を言い、落ち込ませる。メイの企画「ごほうびカレー」すらこき下ろし、「甘い、コストを削って真似するところはマネして合理的にいこう」と否定する。そのため、メイに陰で「パワハラ課長」と呼ばれる。だが、中野と大貫のせいで窮地に追われたメイと宏美、坂口に対して「だからこそのコスパ削減」と提案したことが、メイの起死回生策につながり感謝される。
佐藤(さとう)
メイ、小菅たちの上司で部長。メイに対してソフトに助言をする。だが、コラボ商品の合同企画会議で大貫が苛烈な条件を出してきたことから、メイに「打ち切りもあり得る」と厳しい目算を言われる。
坂口卓(さかぐち すぐる)
メイの同期、宣伝部所属。入社三年目の時、人気女優を起用して成功。メイに転職することを告げる(偶然にも転職しようとしている会社は宏美の会社であった)。いつもスマホをいじくる事が多く、宏美にスマホバカと思われている(母にも注意される)。メイと正人はカレー企画のパートナー以上の関係になるのではないかと、宏美と同様に思っている。その後、メイが指摘した通り、宏美との距離が縮んで男女の関係に進化している。メイがナイジェリア転勤を打診されたのを知り、「行きたい国と違うんじゃない、逆に俺がアフリカで仕事したいが…」というので、メイは彼にナイジェリア転勤を譲る。
小早川(こばやかわ)
同社開発研究所の主任。メイに(サンダーカレーの)フィーリングリニューアルを進められるが、「こちとら開発一筋35年、具体的に言ってくれないと困る」と一蹴される。メイは坂口と林に試作品を味見させたうえで、研究所へ持って行く。彼が試食すると、クミン醤油の配合に驚き、フィーリング精査をすることにした。佐藤とは同期の入社であったが、部署が分かれて以来交流はほとんどなくなっていた。だが、メイのクミン醤油をきっかけとして佐藤にメールするようになった。
南宏美(みなみ ひろみ)
メイの大学時代の先輩、大手広告代理店HD堂に勤務(ライセンス事業課所属)。2巻(10話)で初めて名前が出てきた。「カレーの祖国論」をめぐって正人と衝突(して、メイは彼女に加勢)するが、林の話で正人の言い分を理解した。最初は坂口とも気が合わなかったが、メイに言わせると「最近は距離が縮まったように思える」とのこと。彼女が中野、大貫のせいで「チャンドラ」企画が窮地に陥った際、坂口のフォローが大きかったこと、坂口が母に「料亭の跡継ぎの為に早く結婚をしてつげ」と言われたことなどがきっかけで(坂口の)母公認で男女の関係となった(そのつながりで、正人とも友人として親近感を持つようになっていて、カレーオタクとしても尊敬)。家族は母がシンママで外働きしていて、二つの妹(10歳年下および一回り下)相手に料理を毎日つくっていた。メイが坂口にナイジェリア転勤を譲る事を知り、一緒にナイジェリアへついてゆくことにした。
中野(なかの)
HD堂に勤務する、宏美の先輩。彼は卑怯な野心家で宏美の相談を受けるふりして、彼女のアイデアを盗んで大貫に提案。だが、宏美がきっぱりと「(中野が)出した企画は私のプランです。部長が何と言おうと、私の物です。」と断言したことで、彼の虚偽がばれてしまう。
大貫(おおぬき)
宏美の上司で、部長職。冷酷非情なところがあり、中野の発言をうのみにして、宏美を窮地に陥れている。だが、坂口、メイ、正人の後押しを(間接的に)受けて宏美の提案を受け入れる。

歓天楼

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正人の実家が営む千代田区神保町の中華料理店。正人はよくこの店で賄いと称して料理実験をするが、父兄以外のスタッフには好評である。

若旦那
正人の兄、眼鏡をかけていて店の厨房をとりしきっている。父ほどではないが、「正人ももっと中華に専念してくれればいい」と思っているとはいえ、正人の賄いカレーが他スタッフや常連客に評判いいこともあり、黙認している(父と正人の間のバランスをとっている)。学生時代はキッチンに入らず、塾通いをしていた。
大旦那
正人の父。今はほぼ厨房を正人兄に任せているが、料理人の五感が鋭い。神保町で中華料理店を構えているプライドが高すぎる故に、正人のカレーオタクぶりを嫌っていて「店がカレー臭くなって困る」と苦言を呈する。メイは彼と(カレーや中華店跡継ぎの事で)衝突する正人に対して「お父さんと仲良くした方がいい、カレーバカのままでいいの?」と忠告するが、正人は「君はおやじの一面しか知らないから、そういうことがいえるのだ」と反論する。良子や「まる」などでかたくなにカレー否定論者になっているのは、父の影響が強い。大旦那の母もこっそり賄いカレーを作っていた。
ゴン助(ゴンすけ)
店では最若手のキッチンスタッフ。駆け出しみたいでスタッフの中では賄いを作る頻度は低いことになっているが、単行本巻末の「特盛メニュー」で、正人の受け売りで賄いカレー料理をつくっては、店のスタッフに食べさせている(第3巻は正人が調理している)。
料理長
店では大旦那を除けば一番の古株スタッフ。正人や彼の兄のことは幼き日より見ている。
正人の兄と同じように大旦那と正人の間をとりもっている。小学時代の正人を店の手伝いをさせるために毎日迎えに来て、「大旦那はあなたのことを期待していますよ」と宥める。正人のカレーオタクぶりは「料理に興味を持ってくれているのだからいいのでは」と賛成派に回っている。料理人としての感は鋭いが、それ以外の事に関しては無頓着(ビニールがさ、サンダルを日常使用としていると従業員の弁)。
眼鏡のホール担当女性
店の紅一点スタッフで、チャイナドレスの制服を身に着けている。ゴン助や料理長と共に正人の賄いカレーを楽しみにしている。
神谷良子(かみや よしこ)
正人の母。彼女が正人に食べさせたカレーライスを見て、カレー嫌いな正人父(大旦那)はすぐ皿を下げさせる暴挙にでたという、つらい経験がある。
神谷直哉(かみや なおや)
正人の甥(料理長の息子)。北海道大学の3年生で、食品加工学を専攻。
悦子(えつこ)
料理長夫人。料理長が20代で歓天楼で修業を始めた処にはすでに、結婚してそばにいた。彼女のことを料理長から聞いた正人は料理長夫婦を「夫婦は各々私の師匠である」とメイに話す。正人、若旦那たちは料理長古希の祝いを開いて、彼女を招待した。なお、農村に故郷を持つ。

その他

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メイ、正人を取り巻く人々など。

英人(ひでと)
正人と仲が良い近所の少年。神田明神近くでグリコ遊びを一緒にしていた。出し物で衝突した圭太が転校する事を知り「まだ謝っていないのにお別れなんて」と正人に嘆く、正人は圭太招待のカレーパーティーの調理に彼を手伝わせ、仲直りのきっかけをつくってくれた。
林明(はやし あきら)
神田明神近くにあるバー「三月の水」のオーナー。神田カレーグランプリ上位のほぼ常連である。カレーオタクである正人にアドバイスをして、好意でキッチンを貸して、正人とメイに協力。宏美、坂口も来店するようになり、4人の相談を受ける事もある。
メイの祖母
メイのカレー探求に大きく影響を受けた張本人。故人。
越野(こしの)
正人の小学校時代の同級生で小太りの男子。弁当日、彼の持っていたドカベンを嘲笑するクラスメートに対して正人は「弁当作ってくれた彼のお母さんにたいする冒涜だ!」と本気で憤慨した(なお、正人の弁当は良子手作りのカレーチャーハン)。
丸山圭太(まるやま けいた)
地元の眼鏡少年で、英人の友達。新入生歓迎会でまとめ役をするが、英人に「好きにしたらいい」と放出気味で言われ衝突。だが、父の転勤で九州の学校へ転校する事に成り、正人は彼にカレーパーティに招待する。英人が手伝ったことも知り、仲直りする。
松本博(まつもと ひろし)
メイ、宏美の大学サークル「映えるグルメサークル」仲間で、現在はグルメライター(メイ曰く出世頭)。神田小川町・南インド料理店「santosham」でメイ、宏美は坂口を引き合わせた。インドカレーとジャズについて詳しい。カレーに対しては王道主義でやはりカレー論で正人と衝突、正人に「邪道カレー探求なんかやめて、歓天楼という名店があるんだから素直に店跡継ぎに専念すればいいのに」と苦言を言って、メイを怒らせる。その後、彼は正人が手伝っている「まる」のライバル店「BAZZ」のアドバイザーとして登場、正人と衝突する。

第1巻

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メイ、正人が第1巻で訪問した店。

橋本羅名(はしもと らな)
正人がメイを連れてきた、墨田区堀切の焼肉店「牛将」を営むバングラデシュ人で、正人の友人。日本人妻と結婚して30年経ち、子供もいる。カレー店ではなく焼肉店にしたのは「人と違う事がしたい」からだが、コロナ不況でレトルトカレーへ挑戦する事になった。
鈴木哲也(すずき てつや)
正人がメイを連れてきた京おばんざいの店「おこしやす」の店主。もともと、京都の懐石料理店を営んでいたという。彼は正人とメイに一晩寝かせた「牛煮込みカレー」を食べさせた。
岡野千尋(おかの ちひろ)
「カレーショップおかの」のオーナーシェフの娘。父が緊急入院してしまい困惑していたところ、正人が即席でつくった「一晩寝かせたカレー」をつくり、事なきを得た。
志賀弘唯(しが ひろただ)
佐藤と小菅にプランを没にされて悩むメイを正人が連れてきた「カリー&ワイン・ビストロべっぴん舎」のオーナーシェフ、神田にカレー店を開きたくて脱サラしている。売りは「赤のべっぴん薬膳カレー」で、正人は「元気の出るカレー」として食べさせた。
カビラ・バンダラ
神田のスリランカ料理店「タップロボーン」のオーナーシェフでスリランカ人。スパイスは祖国の母が調合した物を3週間に一度、輸入する。カレーを食べて喜ぶ客の顔が見たいと宝石商から転職。
鈴木
神保町のソバ屋「静邨(せいそん)」店主で、正人の幼馴染。業務用のカレールーを使用した「カレー南蛮蕎麦」を出している。
山口楽(やまぐち がく)
足立区北千住のカレー店「GAKU」のオーナーシェフで正人の知人。メニューはほぼ料理学校出身である料理を受け継いでいる。人気メニューは「オムキーマカレー」。

第2巻

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メイたちが第2巻で訪問した店。

乃美真之(のみ まさゆき)
坂口が(気に入って)メイに紹介した浅草のカレーパン店「豊福」の主人。麻布でバーを営んでいたころにシメで出していたのが起源。実はフレンチ主婦出身。
金井孝幸(かない たかゆき)
正人がメイを連れてきた西日暮里のベーカリー「ianak!」を営む。ノンフライの「豆レンコンのカレーパン」を紹介。主人はいくつかのパン店で修業した職人。本格バケットを焼いていたが、下町に合わせてアイデアマンの妻のアシストもあってか、独特のパンを売り出す。
宮﨑陽(みやざき ひろし)
正人の誘導でメイ・宏美が(正人の知人が営む店を歴訪する)「東京インドカレーツアー」と称して入店した、京橋・南インド料理「ダバインディア」の店主。彼は旅行会社員時代、仕事で訪問したインドに興味を持ち、自腹でも数回再訪問。インド料理に魅了されて開店。
アミット・クマール
坂口が「東京インドカレーツアー」に合流してメイ・南と来店した北インド料理店「アロマズオブインディア」のインド人オーナーシェフ。デリーの高級ホテルでシェフをした経験がある。正人お薦めのムガル帝国時代からのカリー料理を三人に食べさせた。
なつみ
神田のカレー店「723」の店主で、店の名前は彼女の名前を数字化ごろ合わせにしたものである。「カレーは太らない委員会」の代表も務める。「神田カレーグランプリ」の食べ歩きをきっかけに開業。今後はグランプリ優勝を狙っている。
諸橋(もろはし)カムイ
メイが健康・体調管理のために通いだしたジムに通う人。彼は秋葉原スープカレー専門店「カムイ」の店主で、劇団員でもあるため忙しく、メイに注意されるまでダイエットしながらスマートフォンで脚本を書いていた。薬膳コーディネーターの資格もある。上京する前は札幌でタウン誌の編集者であった。来店した直哉が北大学生と知ると、朗読劇の脚本をプレゼントした。編集者として名店「木多郎」に取材して魅了されて修行、のれん分けの末に独立。
宇賀村敏久(うがむら としひさ)
浅草のカレー店「spice space ugamura」を営む。和食シェフだったが、蔵前のスリランカカレーにはまり開業。
鮎田信二(あゆた しんじ)
両国の中華・洋食店「あゆた」のオーナーシェフ。オムライス、カレー、チャーハンどれも食べたいという宏美の話を聞いた正人がその場にいたメイも伴い、坂口も合流して来店。父の代は町中華であったが、彼が洋食の修行をしてから店のスタッフとなったので、今の状態となる。
小池秀弘(こいけ ひでひろ)
正人が「あゆた」のついでにメイ・宏美・坂口を誘い、来店した中華料理店「生駒」。正人曰く、こちらは墨田区では中華カレーの名店とのこと。4人はパイコーカレーに次いで麻婆カレーを注文。松本の「麻婆・カレー分離論」を憂うメイに、店主息子・秀弘は「ある野菜をベースに調和が可能」と説明してくれた(秀弘の父・光雄と二人で運営、秀弘の子供も手伝うこともある)。
公園のパン屋さん
メイが小早川の研究所にかけあって精査してもらったクミン醤油で、それに合うカレーパンを作ってもらおうと直談判(場所は練馬区・光が丘公園)。一度は断るが、坂口にも説得されて試食だけすることにした。メイの試作品を理解しつつも、「40年間試行錯誤したフィーリングを捨てるわけにいかない」と丁重に断る。

第3巻

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第19~27話で、宏美が訪問した店および登場した人物。

よぎ
「悩んでいるなら、(カレーの)旅に出ろ。(インドの)北、南の次は西へ行け。」と正人に言われて、メイと宏美が来店した、(在留インド人が多い)江戸川区西葛西にある西インド料理店「レカ」の店主を務める(彼は西インド・ムンバイ市近郊ブネの出身、二階は日印文化交流センター)。正人の知り合いで、メイ、宏美が来店したことも知らせを受けていた。日本に帰化して、江戸川区議員から(公募選出で)土浦第一高校の校長に就任。店は母親と切り盛りしていて、彼らの話をヒントにメイ、宏美はタピオカカレーを発案。
長濱ションチータ(ながはま -)
宏美が中野にプランを横取りされて落胆したときに「三月の水」で正人、坂口と鉢合わせ。正人は「坂口君、宏美さんを東インド(のカレー店)に連れて行ってあげて」というので、坂口が正人に教えられたとおりに宏美を連れて来店した、町屋にあるベンガル料理店「プージャー」の店主。2005年開業時は総合インド料理店であったが、2011年にベンガル料理のみにメニューを合理化。宏美と坂口に料理を運び、説明してくれたのがベンガル出身の店主夫人、彼女の日本人夫(店主)はキッチン担当。ベンガル料理店になってからは「自分たちのやりたいことをやる、一人でも多くの人に本格ベンガル料理を食べさせたい」と徹底して、ナン(インドのパン)をメニューから外している。それを聞いた宏美は大貫に「私のプランです」と毅然と対応した。
Prajjesh・Oli(パラジェス オリ)
神田小川町のネパール料理店「Gravy」のオーナーシェフ。坂口卓が母にお見合いを断るために「相手がいる」と言い、メイを偽りの恋人といった手前、卓母に上京して会いに行くと言われたので、(卓がメイと共にカレー研究をしていることもあり)正人が話し合いの場所として提供した店。好奇心かつ心配する正人と宏美も同行して、5人は「ダルバート」を注文。跡継ぎにこだわる卓母に困惑する卓に対してメイが助け舟をと、彼にダルバートの話を求めた。
ラミ
「Gravy」で卓母と別れた後、メイ・卓・正人・宏美が合流して、寄り道で来店した水道橋のネワール民族料理店(ネパール料理店の一種)「ラミちゃんの台所」のオーナーシェフ。日本人夫・息子と共に来日して開業、息子もシェフを務めている。こちらでは酒の肴としてモモ(ネパール水餃子)を食した。
金森(かなもり)
メイ、宏美が商品タイアップ企画をしようとしている(アニメ化もした、老若男女問わず幅広い)人気漫画「チャンドラの懐刀」の作者。宏美とメイがタイアップで窮地に追われたのを見かねた坂口は彼のアトリエに直談判、メイの「ふくよかカレー」を試食させて彼を誘導、酒井(連載雑誌「週刊ステップ」の編集担当)を介して、大貫を動かした。
坂口の母
坂口卓の実家は170年の歴史ある大阪北新地の老舗料亭「坂口楼」で、彼女が女将として切り盛りしている。卓に「早く結婚して今の会社を辞めて跡継ぎを」と迫っていて、卓の幼馴染・ユキを仮の許嫁として上京。卓は「実は相手がいる」と言って、メイを仮の恋人としていた。正人は近所のネパール料理店を話し合いの場所として紹介し、正人も宏美とともに偵察がてらカレーを食べに行く。メイが偽りの恋人とばれた後も「嘘の彼女(メイさん)でもいいから、結婚せえ」と迫るが、宏美が卓と交際開始後に「私が坂口君の相手です」と宣言したことから、そのまま宏美を卓の恋人認定した。
洋子(ようこ)
正人の幼馴染で同業跡継ぎ娘、「歓天楼」と同じく老舗の「東天閣」を継いで、シンガポール支店長を務めている。実は正人とは交際した事もあったが、同じ老舗中華料理店の後継者同志(少なくとも洋子は正人に対してもその扱い)ということで破談、それ以来何かと正人に張り合う(正人のカレーオタクぶりにも呆然とする)。彼女、直人、正人が野外カレーを作っている処へ、正人が気がかりで偵察に来たメイを正人が気づいて「一緒に食べよう」と呼びこみ、4人で食す。彼女はメイが正人の新恋人と推定する。
直人(なおと)
洋子の血縁関係者らしい(彼女の息子かは不明)。洋子と一緒にシンガポールから来日して正人、洋子、メイと一緒に野外カレーを食す。彼は正人を「おじさん」と呼ぶが、正人は「お兄さんか正人と呼んでくれ」という(英人が正人を「正人」と呼ぶのはそのためである)。

第4巻

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第28~35話で登場。

丸川直也(まるかわ なおや)
神田欧風カレー「まる」の前店主。強面だが、カレーと激励の言葉で高田を元気づけた。彼の息子が神田カレーグランプリ2023に「BAZZ」と共に参加するというので、正人・メイ・歓天楼スタッフ(父除く)が「まる」ブースの手伝いに参加。実は正人が母カレーを食べようとして、再び大旦那に撤収させられたのに憤慨して家出してきたのがこの店(偶然にも大旦那の幼馴染でもあった)。所持金100円でハンバーグカレーを食べさせてくれたことがあったことがあり、それ以来「カレーの先生」と慕っていた。
丸川友也(まるかわ ともや)
「まる」の新店主(直也の息子)。父の遺志を受け継いで神田カレーグランプリ2023に参加する事にした彼を正人・メイ・歓天楼スタッフ(父除く)が「まる」ブースの手伝いに参加。横山・松本の「BAZZ」に次々と追い込まれるが、メイと坂口のアニメコスプレなどの応援で功を奏して逆転する。正人はグランプリの後も独立するまで「まる」を手伝っていた(それと同時に郊外へ移転)。
高田勇二(たかだ ゆうじ)
まるい生命で鹿児島支店長として勤務。正人の知人店である神田欧風カレー「まる」前店主の(坂口が公式メールで知らせた)訃報を知り、電撃弔問。20年前にスランプで左遷されてくじけそうになり、ゾンビ状態となった彼を見かねた「まる」前店主が声をかけてカレーを食べさせ、「鹿児島だろうと住めば都、栄転だと思えばいい」と激励されて元気が出たので、そのお礼を言いにきたという。
斉藤(さいとう)
正人の友人で、神保町のビル書店「斉藤書店」オーナー。競争に生き残るためには何らかのアイデアが必要と、4階空きスペースでの二毛作店舗を正人に提案したので、正人は独立するチャンスと見て賛成。昼は正人のカレーハウス、夜は彼のバー「カレー&バーさいとう」となった。
横山(よこはま)
松本と組んで「まる」に対して宣戦布告して神保町に出店した大手企業系カレー店「BAZZ」の責任者。完璧なデータ主義で「まる」を追い込み、「まる」と同じく神田カレーグランプリ2023に参加。

書誌情報

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  • 宮﨑克(原作)・はしもとみつお(漫画)『カレーマン』小学館〈ビッグコミックス〉、全4巻
    1. 2022年12月28日発売[4]ISBN 978-4-09-861487-5
    2. 2023年5月30日発売[5]ISBN 978-4-09-861718-0
    3. 2023年11月30日発売[6]ISBN 978-4-09-862608-3
    4. 2024年2月29日発売[7]ISBN 978-4-09-862717-2

脚注

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  1. ^ a b c ““カレーバカ”の天才シェフがカレーの真髄追う物語、宮崎克×はしもとみつお新連載”. コミックナタリー (ナターシャ). (2022年7月20日). https://natalie.mu/comic/news/486121 2023年12月20日閲覧。 
  2. ^ ビッグコミック新年第1号”. ビッグコミックBROS.NET. 小学館. 2023年12月20日閲覧。
  3. ^ 「カレーマン 最終回」『ビッグコミックオリジナル』2024年1号、小学館、2023年12月20日、259頁。 
  4. ^ カレーマン 1”. 小学館. 2023年5月30日閲覧。
  5. ^ カレーマン 2”. 小学館. 2023年5月30日閲覧。
  6. ^ カレーマン 3”. 小学館. 2023年12月20日閲覧。
  7. ^ カレーマン 4”. 小学館. 2024年3月16日閲覧。

外部リンク

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