ガウデアムス (学生歌)
ガウデアームス (Gaudeamus) は、ヨーロッパ各国に伝わる伝統的な学生歌。ガウデアームス、またはガウデアームス・イギトゥル (Gaudeamus igitur) と呼ばれる。「だから愉快にやろうじゃないか」とも訳される。1267年にボローニャの司教であるストラーダという人物が作曲。日本では「ドイツ学生歌」として紹介されたため、よくドイツに限定された歌と間違われるが、汎ヨーロッパで親しまれている歌である。
フランツ・フォン・スッペのオペレッタ『愉快な仲間』 (Die flotten Burschen) の序曲でこのメロディが使われている。
ヨハネス・ブラームスの『大学祝典序曲』で引用される4つの学生歌のうち、最後に現れるのがこの曲である。
ユニバーシアードにおいては、開閉会式、および各競技の表彰式で(国歌に代わり)勝者を称える歌として、この曲が演奏される。
原詞
[編集]ラテン語の原詞と参考訳は以下の通り。
1. |: Gaudeamus igitur,
Juvenes dum sumus; :|
Post jucundam juventutem,
Post molestam senectutem
|: Nos habebit humus! :|
諸君、大いに楽しもうではないか。
私たちが若いうちに。
素晴らしい青春が過ぎた後、
苦難に満ちた老後の過ぎた後、
私たちはこの大地に帰するのだから!
2. |: Vita nostra brevis est,
Brevi finietur, :|
Venit mors velociter,
Rapit nos atrociter,
|: Nemini parcetur. :|
私たちの人生は短い。
短くて限られている。
死はすぐにでも訪れる。
残酷にも、私たちはこの世から去らねばならない。
誰も逃れられない。
3. |: Ubi sunt qui ante nos
In mundo fuere? :|
Vadite ad superos,
Transite ad inferos,
|: Hos si vis videre. :|
先に生きていた人たちは
いったいどこへ去ったというのか?
天国へ、
あるいは深淵へ、
彼らに会うならば行かねばならない。
4. |: Vivat academia,
Vivant professores, :|
Vivat membrum quodlibet,
Vivant membra quaelibet,
|: Semper sint in flore! :|
私たちの大学、いつまでも
私たちの先生たち、いつまでも
私たち学生、いつまでも
すべての、どんな人たちも、
つねに栄えあれ!
5. |: Vivant omnes virgines
Faciles, formosae, :|
Vivant et mulieres,
Tenerae, amabiles,
|: Bonae, laboriosae! :|
愛らしく美しい乙女たち、いつまでも(1〜2行目)
優しく愛すべき淑女たち、いつまでも(3〜4行目)
正直であれ、働き者であれ!
6. |: Vivat et respublica
Et qui illam regit, :|
Vivat nostra civitas,
Maecenatum caritas,
|: Quae nos hic protegit! :|
私たちの国よ、国を統べる者よ、いつまでも(1〜2行目)
私たちの街よ、守護者の慈悲よ、いつまでも(3〜4行目)
私たちを守りたまえ!
7. |: Pereat tristitia,
Pereant osores, :|
Pereat diabolus,
Quivis antiburschius,
|: Atque irrisores! :|
悲しみを遠ざけよ。
憎しみを滅せよ。
憎しみの悪魔を滅せよ、
私たち学生に徒なすものを、
私たち学生をあざけるものを!
8. |: Quis confluxus hodie
Academicorum? :|
E longinquo convenerunt,
Protinusque successerunt
|: In commune forum; :|
この大学に集まっているのは何者か?(1〜2行目)
遠方随所から来た者たち、
そして最初の功を成した者たちが
この大学に集う。
9. |: Vivat nostra societas,
Vivant studiosi :|
Crescat una veritas,
Floreat fraternitas,
|: Patriae prosperitas. :|
私たちの団結よ、いつまでも。
私たちの学舎よ、いつまでも。
真実と、
誠実さが、私たちの絆を育む。
そしてまた私たちの国の繁栄も。
10. |: Alma Mater floreat,
Quae nos educavit; :|
Caros et commilitones,
Dissitas in regiones
|: Sparsos, congregavit; :|
私たちを育てる学びの園は栄える。
教えの源。
学生よ、仲間よ
遠方より集まる者たちよ
いざ旅立ち、また、いざ集え!
参考文献
[編集]ディールク・シュトゥッケンシュミット編著『ドイツのフォークロア―文学の背景としてのわらべうたからアングラまで』(塚部啓道・水谷泰弘・小栗友・柴田庄一訳)(Dierk Stuckenschmidt: Was jeder Deutsche kennt… Deutsche Literatur außerhalb der Literaturgeschichten)南江堂 1975年、160-161頁。
外部リンク
[編集]- Gaudeamus - すみだ男声合唱団(すみだ音楽祭、2012年8月25日@すみだトリフォニーホール)
関連項目
[編集]- 学生歌
- その日を摘め (Carpe Diem)
- アルスロンガ、ウィータブレウィス
- 思ひ出 Alt-Heidelberg(1923年、ドイツ映画)
- The Student Prince(1924年、アメリカのミュージカル)
- 思ひ出 The Student Prince in Old Heidelberg(1927年、アメリカ映画)
- 皇太子の初恋 The Student Prince(1954年、アメリカ映画)
- Alt Heidelberg(1959年、ドイツ映画)