ガリ地区
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中華人民共和国 チベット自治区 ガリ地区 | |
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マーナサローワル湖とカイラス山 | |
チベット自治区中の獅泉河鎮があるガル県の位置。 黄色の部分がガリ地区。 | |
簡体字 | 阿里 |
繁体字 | 阿里 |
拼音 | Ālĭ |
カタカナ転写 | アーリー |
チベット語 | མངའ་རིས་ས་ཁུལ་ |
ワイリー方式 | Mnga' ris |
国家 | 中華人民共和国 |
自治区 | チベット |
行政級別 | 地区 |
面積 | |
総面積 | 304,683 km² |
人口 | |
総人口(2003) | 8 万人 |
経済 | |
電話番号 | 0897 |
郵便番号 | 859000 |
ナンバープレート | 蔵F |
行政区画代碼 | 542500 |
ガリ地区(ガリちく)は中華人民共和国チベット自治区に位置する地区のひとつ。自治区の西部を占める。ガリー(མངའ་རིས་ mnga' ris)はチベット高原西部地域を指す歴史的地域名。日本語ではチベット語に基づく「ガリ地区」、「ンガリ」、漢字表記「阿里」からの重訳の「アリ地区」という表記が見られる。英語表記では Ngari。
平均海抜4,500m。政治経済上の中心都市は、獅泉河鎮。
古くは、シャンシュン王国、グゲ王国があり、西部チベットの中心であった。
地理
[編集]西蔵自治区の西部に位置する。南はインドのヒマーチャル・プラデーシュ州、シガツェ市、東はナチュ地区、北は新疆ウイグル自治区、西はインド、パキスタン間で係争中のカシミール地方と接する。インドとの帰属問題を抱えるアクサイチンを含む。 南部のブラン県にはいくつもの宗教の聖地とされるカイラス山や、ラークシャスタール湖とマーナサローワル湖という2つの大きな湖がある。
- グゲ遺跡
都市
[編集]- 獅泉河(歴史的にはンガリ、中: 噶爾、中: 阿里とも呼ばれる)。この都市の名前の由来となった獅泉河(Sênggê zangbo)が、蔵文拼音による音写によりローマ字で英: Senge zangbu、ワイリー方式で英: Seng ge gtsang po、漢字で「中: 森格蔵布」と充てられている。中心街からG219国道で南へ60kmほど離れた場所にガリ空港がある。
- 普蘭(プラン) - ネパールへの交易路上の街
- 札達(ツァンダ)
歴史
[編集]ガリ地区にはシャンシュン王国(象雄、小羊同)という国があり、ボン教が栄えていた。7世紀に中央チベットで栄えた吐蕃を支配する一族も、この地区出身だったと言われている。シャンシュン王国は7世紀半ばに吐蕃に滅ぼされた。10世紀には吐蕃から分かれたグゲ王国が仏教国として栄えた[1]。
行政区画
[編集]本地区には、以下の7県(ゾン)がある。
ガリ地区の地図 | |||||||||
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# | 県名 | 簡体表記 | ピンイン | チベット語表記 | ワイリー方式 | 英語表記 | 人口(2010年) | 面積a (km²) | 人口密度 (/km²) |
1 | ガル県 | 噶尔县 | Gá'ěr Xiàn | སྒར་རྫོང་ | sgar rdzong | Ngari | 16,901 | 13,179 | 1.28 |
2 | プラン県 | 普兰县 | Pǔlán Xiàn | སྤུ་ཧྲེང་རྫོང་ | spu hreng rdzong | Burang | 9,657 | 24,602 | 0.39 |
3 | ツァンダ県 | 札达县 | Zhádá Xiàn | རྩ་མདའ་རྫོང་ | rtsa mda' rdzong | Zanda | 6,883 | 18,083 | 0.38 |
4 | ルトク県 | 日土县 | Rìtǔ Xiàn | རུ་ཐོག་རྫོང་ | ru thog rdzong | Rutog | 9,738 | 77,096 | 0.12 |
5 | ゲギェ県 | 革吉县 | Géjí Xiàn | དགེ་རྒྱས་རྫོང་ | dge rgyas rdzong | Gê'gyai | 15,483 | 46,117 | 0.33 |
6 | ゲルツェ県 | 改则县 | Gǎizé Xiàn | སྒེར་རྩེ་རྫོང་ | sger rtse rdzong | Gêrzê | 22,177 | 135,025 | 0.16 |
7 | ツォチェン県 | 措勤县 | Cuòqín Xiàn | མཚོ་ཆེན་རྫོང་ | mtsho chen rdzong | Coqên | 14,626 | 22,980 | 0.63 |
- ツァンダ県には、10世紀にグゲ王国の仏教都市のツァパランがあったが、17世紀にラダック王国に滅ぼされた。かつてトーリン(托林)と呼ばれていたが、1956年にツァパラン(札布譲)とダバ(達巴)が合併して札達となった[2]。中心都市トーリン(托林)には、町の北側をランチェン・ツァンポ(朗欽蔵布河)が流れ、古刹の托林寺の他、グゲ王国の遺跡が数多く残る。
- インド、ネパールの貿易拠点として栄えたが、中印の国境紛争以降は国境が閉ざされたため振るわない[2]。
年表
[編集]ド・ガルプン
[編集]ガリ・チキャプ
[編集]ガリ弁事処
[編集]- 1955年3月9日 - ガリ・チキャプがガリ弁事処に改称。(5ゾン3シカ)
- 1956年 - ツァプランゾン・ダバゾンが合併し、ツァンダ・ゾン弁事処が発足。(3ゾン3シカ1弁事処)
- 1959年10月8日 - ガル・ゾンが県制施行し、ガル県となる。(1県2ゾン3シカ1弁事処)
- 1960年1月7日 - ガル県・プランゾン・ルトクゾン・ドンパロチャンシカ・ゲギェシカ・ゲルツェシカ・ツァンダゾン弁事処がガリ専区に編入。
チベット地方ガリ専区
[編集]- 1960年1月7日 - ガリ弁事処ガル県・プランゾン・ルトクゾン・ドンパロチャンシカ・ゲギェシカ・ゲルツェシカ・ツァンダゾン弁事処を編入。ガリ専区が成立。(1県2ゾン3シカ1弁事処)
- 1960年5月 - ツァンダ・ゾン弁事処が県制施行し、ツァンダ県となる。(2県2ゾン3シカ)
- 1960年8月 - ゲギェ・シカが県制施行し、ゲギェ県となる。(3県2ゾン2シカ)
- 1960年10月 (6県1ゾン)
- 1961年3月 - ルトク・ゾンが県制施行し、ルトク県となる。(7県)
- 1962年11月22日 - ドンパ県がシガツェ専区に編入。(6県)
- 1965年8月23日 - チベット自治区の成立により、チベット自治区シガツェ専区となる。
チベット自治区ガリ地区
[編集]- 1970年11月20日 - ガリ専区がガリ地区に改称。(7県)
- ゲルツェ県の一部が分立し、ツォチェン県が発足。
- 1983年10月8日 - シガツェ地区ドンパ県の一部が分立し、ルンガル(隆格爾)県が発足。(8県)
- 1999年9月21日 - ルンガル県がシガツェ地区ドンパ県に編入。(7県)
交通
[編集]脚注
[編集]- ^ 旅行人編集部 2006, p. 127.
- ^ a b 旅行人編集部 2006, pp. 130–155.
- ^ 县级以上行政区划变更情况 - 中華人民共和国民政部
- ^ 西藏自治区 - 区划地名网
参考文献
[編集]- 旅行人編集部『チベット』(第4版)旅行人〈旅行人ノート〉、2006年8月。ISBN 4-947702-56-7。