ガンジスに還る
ガンジスに還る | |
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Hotel Salvation Mukti Bhawan | |
監督 | シュバシシュ・ブティアニ |
脚本 |
シュバシシュ・ブティアニ アサド・フセイン |
製作 |
サンジャイ・ブティアニ シュバシシュ・ブティアニ サジダ・シャルマ |
製作総指揮 | ディナ・ダッタニ |
出演者 |
アディル・フセイン ラリット・ベヘル |
音楽 | タジダール・ジュネイド[1] |
撮影 |
マイケル・マクスウィーニー デヴィッド・フーラー |
編集 | マナス・ミッタル |
製作会社 | レッド・ムービング・ピクチャーズ |
配給 | ビターズ・エンド |
公開 |
2016年9月2日 2017年4月2日 2018年10月27日 |
上映時間 | 102分 |
製作国 | インド |
言語 | ヒンディー語 |
『ガンジスに還る』(ガンジスにかえる、原題:Hotel Salvation / Mukti Bhawan[2][3])は、2016年に公開されたインドのコメディドラマ映画。監督・脚本はシュバシシュ・ブティアニ[4][5][6]、プロデューサーはサンジャイ・ブティアニが務め[7][8]、ヴァーラーナシーで人生の終焉を迎えようとする父とその世話をすることになった息子を描いている。アディル・フセインとラリット・ベヘルが主演を務め[9][10]、2016年9月2日に第73回ヴェネツィア国際映画祭で上映され、インドでは2017年4月7日から公開された[11]。
あらすじ
[編集]自らの最期が近いことを悟ったダヤはヴァーラーナシーで終焉を迎えることを望み、息子ラジーヴは父の世話をするために同行することになった。ダヤはミシュラが運営する「解脱の家」に入り、同じように人生の最期を迎えようとする人々と暮らすようになるが、ラジーヴは「解脱の家」でも仕事に追われ一刻も早く自宅に帰りたいと考えていた。ダヤは夫に先立たれて以降、18年間「解脱の家」に滞在する女性ヴィムラと親しくなり交流を重ねるが、ある日体調を崩して寝込んでしまう。ダヤは病床で、それまで良好な関係を築くことができなかったことをラジーヴに謝罪し、2人の関係は緩和する。ラジーヴは父の死が近いことを察して妻ラタと娘スニタを「解脱の家」に呼ぶが、ダヤの体調は回復する。回復したダヤは結婚を控えているスニタと日々を過ごし、ラタは一向に自宅に戻らないラジーヴに不満を募らせ、ダヤを連れて帰ってくるように促す。ラジーヴは父と共に残ることに決め、ラタとスニタは自宅に帰っていく。
ラジーヴは父やヴィムラと穏やかな日々を過ごしていたが、ある日スニタから「婚約を破棄した」という連絡を受け動揺する。同じころ、仕事でも顧客を逃してしまいラジーヴは意気消沈してしまう。ラジーヴの様子を知ったヴィムラは、息子と話し合うようにダヤに勧めるが、彼女は翌日死去してしまう。ダヤはラジーヴに自宅に帰るように勧め、ラジーヴは「解脱の家」に残ろうとするものの、父の説得を受けて自宅に帰っていく。ラジーヴはスニタと上手く接することができない日々を過ごす中、父が死んだという連絡を受け取る。「解脱の家」でダヤの遺品の整理をする中でラジーヴはスニタとの関係を修復し、2人はラタと共に父の葬儀を執り行う。
キャスト
[編集]- ラジーヴ - アディル・フセイン
- ダヤ - ラリット・ベヘル
- ラタ - ギータンジャリ・クルカルニー
- スニタ - パロミ・ゴーシュ
- ヴィムラ - ナヴニンドラ・ベヘル
- ミシュラ - アニル・ラストーギー
批評
[編集]Rotten Tomatoesには15件のレビューが寄せられ支持率100%、平均評価7.8/10となっており[12]、Metacriticでは4件のレビューに基き80/100の評価が与えられている[13]。ガーディアンのレスリー・フェルペリンは4/5の星を与え、「ビジネスマンの息子と最後の旅にでかける父を描いたシュバシシュ・ブティアニの夢のようなコメディドラマはスマートで痛みを伴い、魅了する」と批評している[14]。エンパイアのデヴィッド・パーキンソンは4/5の星を与え、「微妙な場所とスペース感覚と少ない予算で撮影され、この印象的なデビューは若い監督による悲しみと同情によって死を考えさせる」と批評した[15]。
ザ・タイムズ・オブ・インディアのニヒット・バーブは3.5/5の星を与え、「ブティアニはインディーズ映画の魅力的なキャストを組みたてました。ベヘルとフセインは父と息子のデュエットとして互いに挫折し、愛されます。脚本は貧弱過ぎてゆっくりとしたペースで進み、最後はやや甘さがあります。製作者たちはゆっくりとした瞑想的な祭典の映画を露わにするが、思いやりのあるキャラクターとユーモアが、それを楽しく見せます」と批評している[16]。Rediff.comのスカニヤ・ヴェルマは4/5の星を与え、「『ガンジスに還る』は圧倒的な深さと崇高なビジョンを持つ映画である」と批評している[17]。
受賞・ノミネート
[編集]受賞年 | 映画賞 | 部門 | 対象 | 結果 | 出典 |
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2016年 | UNESCOガンディー・メダル | 最優秀作品賞 | ガンジスに還る | 受賞 | [18] |
ビエンナーレ・カレッジ - シネマ | [19] | ||||
ニューヨーク・インディアン・フィルム・フェスティバル | |||||
釜山国際映画祭 | アジア映画部門 | ||||
2017年 | ウズール映画祭 | 最優秀批評家賞 | |||
インディー・ミーム・フェスティバル | 最優秀観客賞 | ||||
シュトゥットガルトインド映画祭 | |||||
ムーヴ祭 | ビハインド・ザ・シークエンス | ||||
Festival du Film d’Asie | 最優秀審査員賞 | ||||
DC南アジア映画祭 | 最優秀主演男優賞 | アディル・フセイン | |||
ジャグラン映画祭 | 最優秀主演男優賞(特別賞) | ||||
最優秀新人監督賞 | シュバシシュ・ブティアニ | ||||
2017年3月3日 | 国家映画賞 | 審査員特別賞 | シュバシシュ・ブティアニ、レッドカーペット・ムービング・ピクチャーズ、アディル・フセイン | [20] | |
2018年1月15-18日 | ラージャスターン州国際映画祭 | 最優秀作品賞 | ガンジスに還る | ||
最優秀主演男優賞 | アディル・フセイン | ||||
最優秀監督賞 | シュバシシュ・ブティアニ | ||||
2018年1月16日 | インド映画オンライン賞 | 最優秀脚本賞(オリジナル) | [21] | ||
最優秀監督賞 | ノミネート | ||||
特別賞(俳優) | アディル・フセイン | 受賞 | |||
最優秀長編映画賞 | ガンジスに還る | ノミネート | |||
最優秀主要男優賞 | ラリット・ベヘル | ||||
2018年1月20日 | フィルムフェア賞 | 脚本賞 | シュバシシュ・ブティアニ | 受賞 | [22] |
原案賞 | ノミネート | [23] | |||
作曲賞 | タジダール・ジュネイド | ||||
審査員選出作品賞 | ガンジスに還る | ||||
2018年3月6日 | ボリウッド映画ジャーナリスト賞 | 最優秀脚色賞(オリジナル) | シュバシシュ・ブティアニ | 受賞 | [24] |
最優秀脚本賞 | |||||
2018年3月20日 | ニュース18リール・ムービー・アワード | 最優秀脚本賞 | [25] | ||
最優秀監督賞 | ノミネート | [26] | |||
最優秀作品賞 | ガンジスに還る | 受賞 | |||
最優秀主演男優賞 | アディル・フセイン | ノミネート | |||
最優秀助演男優賞 | ラリット・ベヘル | ||||
最優秀撮影監督賞 | マイケル・マクスウィーニー、デヴィッド・フーラー | [27] | |||
編集賞 | マナス・ミッタル |
出典
[編集]- ^ “Meet guitarist-composer Tajdar Junaid, the brain behind 'Mukti Bhawan' music - Life and style”. mid-day.com. 15 April 2017閲覧。
- ^ “'Hotel Salvation' Review | Hollywood Reporter”. hollywoodreporter.com. 15 April 2017閲覧。
- ^ “What makes 'Mukti Bhawan' the best Hindi film of 2017 so far?”. economictimes.indiatimes.com. 15 April 2017閲覧。
- ^ “Shubhashish Bhutiani on ‘Mukti Bhawan’ and the funny side of waiting for death - News India Times”. newsindiatimes.com. 15 April 2017閲覧。
- ^ “Mukti Bhawan director on his debut feature: 'People check-in to die in this Varanasi guesthouse':and produced by Sajida Sharma, Sanjay Bhutiani& Shubhashish Bhutiani. The cast includes Adil Hussain, Lalit Behl, Geetanjali Kulkarni, Palomi Ghosh, Navnindra Behl, and Anil K Rastogi in lead roles.”. firstpost.com. 15 April 2017閲覧。
- ^ “Mukti Bhawan Movie Review: One Of The Best Films You'll See This Year - News18”. news18.com. 15 April 2017閲覧。
- ^ “Sanjay Bhutiani: Shubhashish Bhutiani has made me proud with Mukti Bhawan | Hindi Movie News - Times of India”. timesofindia.indiatimes.com. 15 April 2017閲覧。
- ^ “'Mukti Bhawan' brings father and son together”. timesofindia.indiatimes.com. 15 April 2017閲覧。
- ^ “Mukti Bhavan: Adil Hussain: My good karma is paying me dividends | Hindi Movie News - Times of India”. timesofindia.indiatimes.com. 15 April 2017閲覧。
- ^ “Mukti Bhawan movie review: The endgame and unending desires”. deccanchronicle.com. 15 April 2017閲覧。
- ^ “Mukti Bhawan Cast & Crew”. Bollywood Hungama. 2018年6月13日閲覧。
- ^ “Hotel Salvation”. Rotten Tomatoes. 2018年6月14日閲覧。
- ^ “Hotel Salvation”. Metacritic. 2018年6月14日閲覧。
- ^ “Hotel Salvation review – life, death and marijuana-laced lassis in trippy Indian arthouse flick”. The Guardian. 2018年6月14日閲覧。
- ^ “Hotel Salvation Review”. Empire. 2018年6月14日閲覧。
- ^ “Mukti Bhawan Movie Review”. The Times of India. 2018年6月14日閲覧。
- ^ “Review: Mukti Bhawan is a work of staggering depth and sublime vision”. Rediff. 2018年6月14日閲覧。
- ^ “Unesco award for HOTEL SALVATION (Mukti Bhawan)” (英語). Pandolin. (2016年9月12日) 2018年3月24日閲覧。
- ^ “Hotel Salvation”. www.hotelsalvationthefilm.com. 2018年3月24日閲覧。
- ^ “National Film Awards: Adil Hussain Wins Special Mention, Calls Mukti Bhawan a Masterstroke”. News18 2018年3月24日閲覧。
- ^ “FOI Online Awards” (英語). FOI Online Awards. 2018年3月24日閲覧。
- ^ “Filmfare Award 2018 Winners - List of Filmfare Award Winners” (英語). filmfare.com. 2018年3月24日閲覧。
- ^ “63rd Jio Filmfare Awards 2018: Official list of nominations - Times of India”. The Times of India 2018年3月24日閲覧。
- ^ Bollywood Film Journalists Awards 2017 Winners. pp. http://powerbrands360.com/images/bollywoodawards/FinalVoteCount.pdf
- ^ “‘Newton’ & ‘Mukti Bhawan’ Win Big at the REEL Movie Awards” (英語). The Quint 2018年3月24日閲覧。
- ^ “Reel Movie On Screen Awards 2018 | Best Film, Actor, Actress, Director and More” (英語). News18. 2018年3月24日閲覧。
- ^ “‘Newton’ & ‘Mukti Bhawan’ Win Big at the REEL Movie Awards” (英語). The Quint 2018年3月24日閲覧。