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キスマヨでの戦闘 (2012年)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
キスマヨでの戦闘
ソマリア戦争中

キスマヨ
2012年9月28日 - 10月1日
(3日間)
場所ソマリアの港湾都市キスマヨ
結果

ケニア・ソマリアの勝利

  • アル・シャバブが9月29日にキスマヨから撤退した[1]
  • SNA(詳細不明な団体)、アフリカ連合ソマリアミッション、ラスカンボーニ運動が10月1日にキスマヨを奪還した
衝突した勢力
アル・シャバブ

ソマリアの旗 Somali National Army
AMISOM英語版

指揮官
Sheikh Mohamed Abu-Fatma ソマリアの旗 Ismail Sahardiid[2]
AMISOM英語版
*ケニアの旗 Brigadier General Anthony Ngere
*ケニアの旗 Lt. Col. Hassan[3]
被害者数
118人が死亡、60人がけが[4]
1人が殺害、3人の民間人が負傷[5]

キスマヨでの戦闘 (Battle of Kismayo) は、2012年9月28日にアル・シャバブからソマリアの港湾都市キスマヨを奪還するため、コードネーム「スレッジ・ハンマー作戦」としてケニア国防軍が主導した戦闘である[6] [7]ラスカンボニ運動の民兵とソマリア軍も、共同で戦闘に参加した[8]

背景

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2008年8月、アル・シャバブとイスラム法廷会議は、2008年にソマリア南部の港湾都市キスマヨを占領した。キスマヨは、ソマリア暫定連邦政府軍(政府軍)とアフリカ連合軍(AU軍)がモガディシュでの戦闘 (2010–2011) で過激派をモガディシュから追放したため、過激派の本拠地となった。また港を支配したため、武器や物資の輸入も可能となった。 [9]

2011年10月、ケニア国防軍はアル・シャバブとの戦闘のためにソマリア南部に進軍した。(コードネーム:リンダ・ヌチ作戦[10] [11]公式には、攻撃はソマリア人が主導し、ケニア軍が支援したと記録されている。 [11] 2012年6月初旬、ケニア軍は正式にアフリカ連合ソマリアミッションに統合された。 [12]

戦闘に至るまでの4週間で、推定総人口16万人から19万人の住民のうち、約12000人がキスマヨから避難したとされている。 [1]

戦闘

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9月28日午前2時、ケニア国防軍と政府軍はキスマヨから北に約6キロ離れた、モガディシュに向かう幹線道路付近に上陸した[5]。道路付近の住民は、上陸の際に使用されたとみられる7隻の船を目撃している[9]。攻撃に先だち、ケニア海軍は艦艇から砲撃を加えている。28日にはケニア海軍はKNS-Nyayo 、KNS-Umoja 、KNS-Galana 、KNS-Shujaa 、 KNS-Jasiriの5隻の艦艇を参加させ、部隊や物資を揚陸した[13]。アフリカ連合ソマリアミッション(AMISOM)の Cyrus Oguna大佐によると、政府軍とケニアのAU軍がキスマヨへの奇襲攻撃を開始したが、アル・シャバブは抵抗せず、キスマヨは早期に奪還できた。報道官は、アル・シャバブは攻撃中に大きな損失を被ったが、AU軍の兵士に負傷者、死亡者はいなかったと主張した。ラスカンボニ運動の民兵も、突撃を主導したSNAとAU軍を支援したとされている。アル・シャバブの軍事作戦報道官であるシェイク・アブディアシス・アブ・ムサブは、彼の同志と政府軍・AU軍との間で激しい戦闘が進行中であると述べた[8][14]。アル・シャバブはまた、戦闘中に即席爆発装置でケニア軍の2台の装甲兵員輸送車を破壊、別の1台をRPGで破壊したと主張し、キスマヨが奪還されたこと否定した[5]

地元住民は連合軍が港を奪還したことを目撃したが、過激派は町の至る所にまだ潜伏し、車で前線に向かって進んだ。過激派のプロパガンダ的ラジオ局は、依然として資料を放送しており、住民を騙して進軍してくる政府軍とAMISOM軍に向かって避難させようとしていた[8][14]

ある目撃者は、ケニア軍(AU軍)の中には白人の兵士がいたと主張した。これは米国が特殊部隊でAU軍を支援しているという説の一部であるが、米軍アフリカ司令部は、AU軍の支援を否定した[5]

9月29日、アル・シャバブの戦闘員は公式にキスマヨから撤退した。これは、キスマヨ市内の住民によって確認された。しかし、アル・シャバブはこれまでに支配下を離れた町や村を、ゲリラ戦により襲撃しているため、キスマヨでも警戒が必要である[1]

キスマヨ大学の外で祝うケニアの兵士

ある目撃者によると、2012年10月1日、AU軍が市の周辺を包囲してから3日後に、装甲車に乗った政府軍の兵士がキスマヨの中心部に入った[2]。AU軍は数時間後にそれに続いた[15]。これによりキスマヨはソマリア政府の支配下となったが、翌日3つの爆弾がキスマヨで爆発した。1つ目の爆弾は軍事基地で爆発したが、死傷者は確認されなかった。2つ目の爆弾は港内で爆発し、死傷者は報告されていないものの、明らかにソマリア政府とAU軍を狙ったものだった。数分後、ラスカンボニ民兵が配置されていた陸軍基地で、3つ目の爆弾が爆発した。その後、ソマリア軍当局者とケニアのAU軍将校が地元の空港に集まり、治安状況について話し合った。ソマリア国防省とSNAの司令官は同時に、AU軍にさらなる攻撃の可能性を警告し、武装勢力が基地に爆弾を仕掛けた可能性があるため、警戒して市内に入るように忠告した[16]

Ras Kamboni民兵とソマリア国軍がキスマヨ空港の占領を祝う

キスマヨは、木炭の輸出と輸入品への港湾税の徴収を通じて、アル・シャバブの収入源となっていたため、最後の主要な拠点と見なされていた[8][14]。オグナ大佐は、「キスマヨはソマリアのアル・シャバブの活動に資金を提供し続けてきた要塞であったため、キスマヨの占領はアル・シャバブの終わりを告げるかもしれない」と指摘した。過激派が完全に追放された後、誰が町を管理するかという複雑な問題を避けるために、AUの報道官は、攻撃は綿密に計画されたと付け加えた[8][14]。ソマリア政府はまた、包摂的な地方行政を確立するために、市の利害関係者間の調停を準備しているとしている[15]

参考文献

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  1. ^ a b c “Al-Shabab rebels pull out of key Somali town”. Al Jazeera. (29 September 2012). http://www.aljazeera.com/news/africa/2012/09/20129295415328148.html 29 September 2012閲覧。 
  2. ^ a b Omar, Hamsa (1 October 2012). “Somalia Deploys Forces in Captured Former al-Qaeda Stronghold”. Bloomberg. https://www.bloomberg.com/news/2012-10-01/somalia-deploys-forces-in-captured-former-al-qaeda-stronghold.html 2 October 2012閲覧。 
  3. ^ “Somali troops and AU forces control Kismayu's airport”. Halganka. (3 October 2012). オリジナルの22 February 2013時点におけるアーカイブ。. https://archive.today/20130222002439/http://www.halganka.net/content/somali-troops-and-au-forces-control-kismayus-airport 6 October 2012閲覧。 
  4. ^ “La prise de Kysmaayo par les armées kényanes et somaliennes”. African Union Mission in Somalia. (October 2012). http://sd-2.archive-host.com/membres/up/99425915118889790/Kismayo_-octobre_2012-drversion.pdf 29 October 2012閲覧。 
  5. ^ a b c d “Somali militant base of Kismayo attacked by Kenyan forces”. BBC News. (28 September 2012). https://www.bbc.co.uk/news/world-africa-19754639 28 September 2012閲覧。 
  6. ^ “Kenya Says It Has Captured Last Islamist Bastion in Somalia”. The New York Times. (28 September 2012). オリジナルの30 January 2013時点におけるアーカイブ。. https://archive.today/20130130083624/http://mobile.nytimes.com/2012/09/29/world/africa/kenya-says-it-captures-last-islamist-bastion-in-somalia.xml?f=110 28 September 2012閲覧。 
  7. ^ Jonah Mwangi, ed (2019). The Soldier's Legacy: The Kenya Army at 55: A Steadfast Shield from 1963 into Posterity. Woodlands Road, Nairobi: Kenya Army. ISBN 978-9966-804-32-7 
  8. ^ a b c d e Chonghaile, Clar Ni (28 September 2012). “Kenyan troops launch beach assault on Somali city of Kismayo”. The Guardian. https://www.theguardian.com/world/2012/sep/28/kenyan-soldiers-capture-kismayo-somalia 28 September 2012閲覧。 
  9. ^ a b “Kenyan forces surround Somali rebel bastion”. Al Jazeera. (28 September 2012). http://www.aljazeera.com/news/africa/2012/09/201292851217938645.html 28 September 2012閲覧。 
  10. ^ “Somalia government supports Kenyan forces' mission”. Standard Digital News. (31 October 2011). http://www.standardmedia.co.ke/?id=2000045933&cid=4&articleID=2000045933 28 September 2012閲覧。 
  11. ^ a b Joint Communique – Operation Linda Nchi
  12. ^ “Kenya: Defense Minister appointed as acting Internal Security Minister”. Garowe Online. (19 June 2012). オリジナルの30 November 2012時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20121130165830/http://www.garoweonline.com/artman2/publish/Somalia_27/Kenya_Defense_Minister_appointed_as_acting_Internal_Security_Minister.shtml 28 September 2012閲覧。 
  13. ^ Kenyan Navy's newest warship takes the fight to Somalia” (31 October 2012). 2024年12月19日閲覧。
  14. ^ a b c d “Kenyan forces attack last remaining stronghold of al-Qaeda-linked militants in Somalia”. トロント・スター. AP. (28 September 2012). https://www.thestar.com/news/world/kenyan-forces-attack-last-remaining-stronghold-of-al-qaeda-linked-militants-in-somalia/article_2832399a-d9fb-50dd-ad50-a0e82d9387e3.html 2024年12月19日閲覧。 
  15. ^ a b “African troops enter Somali port of Kismayo”. AFP. (2 October 2012). http://www.dailytimes.com.pk/default.asp?page=2012\10\02\story_2-10-2012_pg4_2 2 October 2012閲覧。 
  16. ^ “Somalia: Blasts Rock Port City of Kismayu”. Shabelle Media Network. (2 October 2012). http://allafrica.com/stories/201210030014.html 4 October 2012閲覧。 

参考文献

[編集]
  • 「オペレーション リンダ ヌチ: ソマリアにおけるケニアの軍事経験」、2014年。