キノエアナナス
キノエアナナス | ||||||||||||||||||||||||
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分類(APG III) | ||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||
Tillandsia aeranthos (Loisel.) L. B. Sm. | ||||||||||||||||||||||||
シノニム | ||||||||||||||||||||||||
T. dianthoidea Rosii |
キノエアナナス Tillandsia aeranthos はパイナップル科の植物の1つ。エアープランツの1つとして知られており、茎はやや長く伸び、赤い苞から青い花弁の花を出す。
特徴
[編集]茎がやや長く伸びるもので、長さ5-8cmに達し、分枝を出す[2]。葉は狭い三角形状で先端は次第に尖り、長さ7-10cm、幅6-8mm。葉の地色は紫がかった緑色で、表面に銀白色の鱗片を密生する。葉の表面はやや内側に窪む[1]。
花茎は細くて斜め上に向けて伸び、その先端に花序を1つだけつける。花序は穂状花序で、花が集まって頭状となり、長さ25-39mm、幅20mm程度、7-20の花を含む。一次苞は披針形で先端が突き出して尖り、膜質だが先端部は革質。下部のものは黄緑色で、先端に近い部分では鮮やかな桃赤色で先端が黄橙色になり、長さ15mm、幅6-8mmほど。花苞は長楕円形で先端が突き出して尖り、長さ13-29mmあり、中央は縦に隆起して竜骨状、膜質で鮮やかな赤色をなす。花には柄がない。萼片は互いに離れており、狭い披針形で長さ13mm。花弁は広卵形で紫色、長さ3cm。雄蘂は花冠より短い。
アノブロフィツム亜属に含める。種小名は『空色の花』を意味する[1]。和名は記事名の通りだが、園芸分野では学名カナ読みのチランジア・アエラントス(若干の揺れあり)が通用している[3]。
分布
[編集]ブラジル南部からパラグアイ、ウルグアイ、アルゼンチン北部にまで分布する[4]。
利用
[編集]本種はエアープランツの一種として観賞用に栽培され、園芸的な区分では有茎の緑葉種である。花序の色合いやコントラストが美しく、鑑賞価値は高い。また耐寒性もある程度はあり、0℃程度までは耐えるので、暖地でなら野外でも冬を越せる[5]。成長も比較的速くて花付きもよいので初心者にも向く[6]。
園芸品種も幾つかあり、大柄なもの、小型のものなどがある。また白花品もある。その他、マージナータ 'Marginata' という品種は白花で花弁の縁だけに紫の斑紋が入るもので、この属では珍しい花色のものである[7]。
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茎の先端から花序の部分
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着生状態で栽培されているもの
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自生地(アルゼンチン)での様子
出典
[編集]- ^ a b c 石井、井上編集代表(1970),p.2887
- ^ 以下、主として園芸植物大事典(1994),p.1546
- ^ 和名は園芸植物大事典(1994),p.1546から。それ以外の下掲参考文献はすべて学名カナ読みを使っている。
- ^ 園芸植物大事典(1994),p.1546
- ^ 佐々木(2016),p.79
- ^ 鹿島(2016),p.55
- ^ 藤川(2013),p.26-29
参考文献
[編集]- 『園芸植物大事典 2』、(1994)、小学館
- 石井林寧、井上頼数編集代表、『最新園芸大事典』、(1970)、誠文堂新光社
- 鹿島善晴、『初めてのエアプランツ 育て方・飾り方』、(2016)、家の光協会
- 藤川史雄、『ティランジア エアプランツ栽培図鑑』、(2013)、株式会社ピーエムジェー
- 佐々木浩之、『エアプランツ アレンジ&ティランジア図鑑』、(2016)、株式会社電波社