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キャリアウーマン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
アン・コールターアメリカ合衆国弁護士および政治コメンテーター、2010年アメリカのタイム誌の「最も影響力のある100人」にも選ばれた

キャリアウーマン(女性長期賃金労働者)とは、専門的な職務遂行能力を生かして長期に仕事に就く女性の呼称である。専門分野で就労する女性を呼ぶこともある。

長期に渡り、企業における管理職志向が強い女性に対して使用された言葉であり、社長夫人が取締役に名を連ねたような、勤務実態の無い形では使用されなかった。1970年代頃からよく使われるようになった言葉であるが、女性がキャリアを持つことを特別視する言葉でもあるため、現在ではあまり使われなくなった。

概要

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日本の企業は従来より、女性従業員に対しコピーやお茶汲みなどの雑務を任せるなど、女性の仕事は寿退社(結婚による退職)までの花嫁修業と考えられていた。その後、1957年よりはパートタイム(非常勤)が登場し[1]、1960年代には住宅教育費のためとして既婚女性のパートタイムも一般的となっていった[2]。次いで1970年代後半にはアメリカのウーマンリブ運動に影響を受けた翻訳小説「飛ぶのが怖い」や洋画「結婚しない女」が日本でも公開され[3]、それらに影響を受けた女性誌「クロワッサン」や「MORE」も登場し[4]、1980年には女性向け求人情報誌とらばーゆ』が創刊され[5]、女性のキャリア志向が強くなっていった[6]

1986年には男女雇用機会均等法が制定され、女性に対する労働上の差別をなくすための法改正が行われた。それ以降、さらなるキャリアアップを望み有能な成績を持つ女性が多く職場社会で長期に雇用されている。オフィスでの事務作業だけでなく、自動車整備士や鉄道運転士など、これまで女性の就労例が少なかった現業職に女性が就くことが増えている。

かつては企業などで男性より優秀な実績を上げている女性が、女性という理由だけで昇進できないという時代もあった。しかし現代では男女平等化の促進により、各々の実績に応じて性別に関わらず管理職にも起用しようという流れがある。むしろ近年では同等の実績をあげている者の場合、女性を優先させるという動きが強い。

また、かつては男性職であった研究職医師弁護士等においても、優秀な女性の進出が著しい。しかしながら、これらの職業では名前の一貫性が問われるため、結婚後も旧姓通称として使用し働く女性が多いが、様々な障害があるため、選択的夫婦別姓制度等の導入が望まれている。

一方で、世界経済フォーラムは2006年、世界各国の男女格差の度合いを指標化した「男女格差報告」(Global Gender Gap Report 2006)を発表したが、これによれば、日本は世界115か国のうち世界男女格差指数ランキング79位である。

アメリカでは

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1950年代のアメリカでは第二次世界大戦が終わり、男性が職場に復帰したことから腰掛で働くのが一般的になっていた。しかし1970年代ウーマンリブ運動等の影響や女性の大学進学率の向上などから、女性も男性と同じように働くようになっていき、1980年代頃には一般的になった。

現在では女性の管理職は一般的になっており、女性でも転職などを繰り返しキャリアアップ(アメリカには終身雇用の考えはない)したり、大学院で学んだり、育児と仕事を両立したりする母親も一般的になっている。そのため保育園ベビーシッターが普及している。古くからの価値観では母親は家にいるものとされているが、アメリカでは仕事と家庭を両立できるのであればキャリアは関係ないという価値観が普及している。自立精神が高いのが日本人女性との違いである。

現代のアメリカでは「キャリアウーマン」の用語が、「ワーキングマザー」といった用語とともに差別用語だと考えられるようになった。これはジェンダーの視点から「ウーマン」や「ガール」といった用語が職業名に付くことを避けるようになったためである。

北欧では

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高福祉国家で所得税などの税金が高いために女性も働くことが多く、スウェーデンなどでは女性の労働力率が70%超となっている。幼稚園や保育園のような子供を預かる公的サービスを受けられること、そして残業が少なく夕方には帰ってくることから両親が協力して子育てしながら共働きを達成することが可能になっている。

一般的に北欧諸国では既に「専業主婦」という考えは少数になっており、共働きのほうが一般になっている。

関連項目

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出典

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  1. ^ 世相風俗観察会『現代世相風俗史年表:1945-2008』河出書房新社、2009年3月、82頁。ISBN 9784309225043 
  2. ^ 山下悦子『さよならHanako族: 女たちは時代をどう変える』PHP研究所、1993年6月15日、46頁。ISBN 978-4569565552 
  3. ^ 松原惇子 1991, p. 18.
  4. ^ 松原惇子 1991, pp. 42–43.
  5. ^ 松原惇子 1991, p. 19.
  6. ^ 松原惇子 1991, p. 19-20.

参考文献

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外部リンク

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