キンブヒゴタイ
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キンブヒゴタイ | |||||||||||||||||||||||||||||||||
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分類(APG IV) | |||||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
Saussurea kinbuensis Nakai (1931)[1] | |||||||||||||||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
キンブヒゴタイ(金峰平江帯)[2] |
キンブヒゴタイ(金峰平江帯、学名:Saussurea kinbuensis)は、キク科トウヒレン属の多年草[2]。
特徴
[編集]茎は直立し、高さは40-70cmになり、茎に翼があって、上部で1-4回分枝する。根出葉はふつう花時に存在しない。茎の下部につく葉の葉身は草質で、三角状卵形でほこ形、長さ4-12.5cm、幅4.5-5.5cm、先は尾状に長く伸び、基部は浅い心形になり、縁は浅く湾入するか粗い鋸歯縁になる。葉柄は長さ5.5-11.5cmになり、上部に幅の狭い翼がある[2]。
花期は8-9月。頭状花序は散房状に3-9個、ときに20個がまばらにつき、頭花の径は約15mm、花柄は長さ1-2.5cmになる。総苞は緑色、長さ13-15mm、径5mmになる狭筒形になる。総苞片は8列あって斜上し、総苞外片は狭卵形で、先は糸状に細長く尾状に長く伸びる。頭花は筒状花のみからなり、花冠は淡紅紫色になる[2]。
分布と生育環境
[編集]日本固有種。本州の奥秩父、御坂山地に分布し、山地から高山の灌木林の林縁や草地に生育する[2]。
名前の由来
[編集]和名キンブヒゴタイは、「金峰平江帯」の意で、タイプ標本の採集地が奥秩父山塊の金峰山であることに由来する[2]。植物学者中井猛之進による命名である[3]。
種小名(種形容語)kinbuensis も金峰山による[2]。
分類
[編集]中井猛之進 (1931) は、本種について「タカネヒゴタイ Saussurea kai-montana TAKEDA (1910)に似ている。しかし、葉はより幅広くかつ薄く、頭花には長い花柄があり、より小型である」の旨を記載している[3]。
ギャラリー
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頭花は散房状に3-9個がまばらにつく。
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総苞は狭筒形で、総苞片は8列あって斜上し、総苞外片は狭卵形で、先は糸状に細長く尾状に長く伸びる。
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下部の葉の表面。三角状卵形でほこ形、先は尾状に長く伸び、基部は浅い心形になり、縁は粗い鋸歯縁になる。
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葉の裏面。
脚注
[編集]参考文献
[編集]- 大橋広好・門田裕一・木原浩他編『改訂新版 日本の野生植物 5』、2017年、平凡社、ISBN 978-4-58-253535-8
- 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名-学名インデックス」(YList)
- T. Nakai. Contributio ad Cognitionem Generis Japono-Koreanae., Botanical Magazine, Tokyo,『植物学雑誌』、Vol.45, No.539, p.en516, 1931