クイズ王
クイズ王(クイズおう)とは、クイズ番組において優勝者に与えられる称号。タレントに対して使用されることもあるが、多くの場合は一般人に対して使われる。21世紀に入って人工知能との対戦が企画され注目されることもある[1]。
日本
[編集]定義
[編集]クイズ王という語について、明確な定義はないが、『TVクイズ番組攻略マニュアル3』(フレームワークジェイピー 著/新紀元社)では、こう呼ばれる人について3つに分類している。すなわち「数々のクイズ番組を制してきた人」「破格の優勝賞金を手に入れた人」「日本一決定戦で優勝した人」である。
歴史
[編集]「クイズ王」という語が使われ始めたのは1970年代後半とみられる。優勝者を「日本一のクイズ王」と称した『アメリカ横断ウルトラクイズ』(日本テレビ)が、それにあたる。
「クイズ王」の名称が頻繁化し始めたのは1990年代に半年毎で放送された『史上最強のクイズ王決定戦』(TBS)と『FNS1億2,000万人のクイズ王決定戦!』(フジテレビ)で、この2つの番組と「アメリカ横断ウルトラクイズ」との相乗効果によって「クイズ王流行ブーム」を生んだ。なお、「アメリカ横断ウルトラクイズ」での正式なクイズ王の名称は「日本一のクイズ王」である。
これらのブームの中でクイズ強者のキャラクターにも注目が集まり、『クイズは創造力』(長戸勇人 著/情報センター出版局)などの書籍の出版、『オールスター激突クイズ 当たってくだけろ!』(TBS)などの番組への(出場ではなく「クイズ王」としての)出演という動きが見られた。
これらの番組も1990年代半ばに次々と終了し、クイズ王のブームは沈静化したが、「クイズ王」という1つのブランドは(『料理の鉄人』の「鉄人」と同様)マニア以外の一般視聴者にも広く知られることとなった。
これらのクイズ王は、テレビとは関係しない愛好者たちの場である「クイズ界」において今なお一線で活躍する者もいれば、そうでない者もいる。これは、クイズ王の座を賭けて競えるテレビ企画が実施される機会が激減したためである。
主なクイズ王
[編集]芸能人クイズ王
[編集]- 麻木久仁子
- 伊沢拓司(QuizKnock代表、YouTuber)[2]
- 石坂浩二
- 宇治原史規[3]
- カズレーザー[4]
- 辰巳琢郎[3]
- 鶴崎修功[5]
- 寺嶋由芙
- 天明麻衣子
- はらたいら
- 三浦奈保子
- 宮崎美子[6]
- 森本栄浩
- やくみつる
- ラサール石井
あまりクイズ王とは呼ばれないが、クイズ番組で活躍したことがある芸能人
[編集]一般人・クイズ作家のクイズ王
[編集]- 秋利美記雄
- 石野まゆみ
- 稲川良夫
- 奥畑薫[7]
- 北川宣浩
- 山東昭子
- 水津康夫[8]
- 田中健一(クイズ作家)
- 徳久倫康
- 永田喜彰
- 長戸勇人(クイズ作家)
- 西村顕治
- 能勢一幸(埼玉県職員)
- 日高大介(クイズ作家)[9]
- 古川洋平(クイズ作家、YouTuber。クイズ法人カプリティオ代表)[10]
- 松尾清三
- 水上颯[11]
- 水野文也(元・千葉県議会議員)
- 道蔦岳史(クイズ作家)[12]
- 森田敬和(会社社長)
その他、著名なクイズプレイヤーやクイズ作家など
[編集]- 石野将樹(クイズ作家)[13]
- 久保隆二(クイズ作家)
- 小山鎮男(囲碁棋士。ホノルルクラブ初代会長)
- 鈴木淳之介[14]
- 為季正幸[15]
- 廣海渉
- 矢野了平(放送作家[16])
- 脇屋恵子[17]
- ワロドム・ジアムサクン(タイ人)[18][19]
欧米
[編集]主なクイズ王
[編集]- ケビン・アッシュマン
- ケン・ジェニングス(人間代表として後述のワトソンと勝負した1人)
- ジェームズ・ホルツハウアー(アメリカのクイズ番組『ジェパディ!』32連勝[20])
- パット・ギブソン
- ロニー・スウィガース
人工知能との対戦
[編集]2011年2月16日にクイズ番組『ジェパディ!』でIBM社の人工知能ワトソンと人間の対戦が行われた[1]。当時、技術者たちの間では人間向けの自然言語を理解できるようにすることは容易でなく対戦に勝つのは到底無理と考えられていたが、結果は人工知能の勝利となった[1]。
脚注
[編集]- ^ a b c 神崎洋治『図解入門最新人工知能がよーくわかる本』秀和システム、2016年、201頁
- ^ “東大クイズ王・伊沢拓司率いる「QuizKnock」が“EX-word”活用方法を伝授!”. PR TIMES. 2021年6月24日閲覧。
- ^ a b “芸能界の元祖クイズ王・辰巳琢郎&宇治原史規、東大王チームとガチンコ頭脳戦!『東大王』”. モデルプレス. 2021年6月24日閲覧。
- ^ “カズレーザー:「ヤバい! どっちだ?」“クイズ王”が小学校の問題に苦戦!? 「クイズ!あなたは小学5年生より賢いの?」”. MANTANWEB. 2021年6月27日閲覧。
- ^ “新作ゲームアプリ『クロス×ロゴス』の第2回目となる公式生放送がリリース直前スペシャルとして9月20日(金)に配信決定!”. PR TIMES. 2021年6月24日閲覧。
- ^ “東大王・伊沢拓司が宮崎美子に「クイズで負けて納得だ」と思った瞬間”. 婦人公論.jp. 2021年6月27日閲覧。
- ^ “初代王者は奥畑薫選手に決定”. ファミリー劇場. 2021年7月26日閲覧。
- ^ ““史上最強のクイズ王”水津康夫が語る「早押しの鬼・ポロロッカ西村との死闘」|クイズです”. 文春オンライン. p. 1. 2022年9月11日閲覧。
- ^ “森三中・黒沢、クイズ王の日高大介に説教?「自分の殻を破らなきゃダメ」”. WEBザテレビジョン. 2021年6月24日閲覧。
- ^ “112kgから48kg減のクイズ王・古川洋平にファン困惑「いや違う人じゃん」「広告みたいなサムネ」”. WEBザテレビジョン. 2021年6月24日閲覧。
- ^ “「競技クイズ」にブーム到来!! TVで話題の東大生クイズ王・水上颯が表紙を飾る『QUIZ JAPAN vol.8』が発売!! ”. PR TIMES. 2021年6月24日閲覧。
- ^ “辰巳琢郎の賞金1千万円を阻止、 「元祖クイズ王」が作った問題”. NEWSポストセブン. 2021年6月24日閲覧。
- ^ “石野ナイト2”. TOKYO MYSTERY CIRCUS. 2022年1月5日閲覧。
- ^ “探偵!ナイトスクープ”. 朝日放送テレビ. 2022年8月27日閲覧。
- ^ “第3回大会 Knock Out ~競技クイズ日本一決定戦~”. ファミリー劇場. 2021年7月27日閲覧。
- ^ “『高校生クイズ』構成作家・矢野了平が語る「優勝できなかった僕が、『99人の壁』の問題を作るまで」”. 文春オンライン. 2022年5月3日閲覧。
- ^ “脇屋 恵子(わきや けいこ)”. ごきげんビジネス出版. 2021年7月26日閲覧。
- ^ “ワロドム・ジアムサクン インタビュー(PART1)”. QUIZ JAPAN. 2022年1月5日閲覧。
- ^ “ワロドム・ジアムサクン インタビュー(PART2)”. QUIZ JAPAN. 2022年1月5日閲覧。
- ^ “32連勝で賞金2.6億円。全米驚愕のクイズ王『Jeopardy!』ジェームズついに敗る。”. gizmodo. 2021年2月11日閲覧。
参考文献
[編集]- 『TVクイズ番組攻略マニュアル3』(フレームワークジェイピー 著/新紀元社/2003年/ISBN 4775302205)
- 『最強!クイズ番組読本』(テレビ発掘プロジェクト 編/白夜書房/2003年/ISBN 4893678809)
関連項目
[編集]- チャールズ・ヴァン・ドーレン - 1950年代のテレビ黎明期に全米を震撼させた「クイズ21」のチャンピオンだが、「やらせ」が発覚し、そのスキャンダルは『クイズ・ショウ』で映画化された。