クェーナ
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クェーナ(くゑーな、くゑにや)またはクヮイニャ(くわいにや)、クィナ、コイナ(こゑな)、コイニャ(こゑにや)は、琉球列島における呪祷文学の一つ。沖縄本島周辺における歌謡の一類型。
概要
[編集]おもに女子の間に口承された[1][2]。長詩形であり、叙事的で、内容は出来事が連続的に進行するものが多い[3]。かつては祭礼の際に用いられた。現存する文献は、久米島の『具志川旧記』、『仲里旧記』、『君南風由来並位階』、首里の『聞得大君御新下日記』。さまざまな踊り方があり、句切れごとに手拍子を打ったり、決まった文言を唱和したりした[4]。
詩形
[編集]厳密な対句をもつ[5]。一句の音数は5・4または5・3音が多い。これは対句をなす(5・4)(5・4)が縮約した形であるとされる[5]。このような詩形はクェーニャのみに見られるわけでもなく、ミセセルやオモロにも見出されるかなり古いものである[6]。
語源
[編集]クェーナにみられる囃子言葉の「ゑ、こゐな」や「こゑなこゑな」(あるいは『おもろさうし』巻12・80などの「ゑけ・こいの」[7])に由来するとする説がある[2]。また神事の「萱(ゲーン)」(『琉球神道記』にみえる)の転訛とする説もある[7]。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]参考文献
[編集]- 小野, 重朗 (1943), “くわいにや”, 琉球文学
- 沖縄県教育委員会, ed. (1975), 沖縄県史, 6, 沖縄県教育委員会
- 外間, 守善 (1971), “沖縄文学の展望”, 沖縄文化論叢, 4, 平凡社
- 伊波, 普猷 (1971), “クヮイニャをめぐって”, 沖縄文化論叢, 4, 平凡社
- 加藤, 三吾 (1907), 琉球の研究, 下, ibid.
- 嘉味田, 宗栄 (1979), 琉球文学序説, 至言社