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クマイチゴ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
クマイチゴ
白い5枚の花弁は離れてつく
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
: バラ目 Rosales
: バラ科 Rosaceae
亜科 : バラ亜科 Rosoideae
: キイチゴ属 Rubus
: クマイチゴ R. crataegifolius
学名
Rubus crataegifolius Bunge (1833)[1]
シノニム
和名
クマイチゴ(熊苺)

クマイチゴ(熊苺[3]学名: Rubus crataegifolius)はバラ科キイチゴ属に分類される半つる性の落葉低木。山地の荒れ地などに生える。別名、エゾクマイチゴ[1]、エゾノクマイチゴ[1]、タチイチゴ[1]、タケシマクマイチゴ[1]。赤色に熟した果実は食用になる。

分布と生育環境

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日本では、北海道本州四国九州に、東アジアでは中国朝鮮に分布する[4]

山間部の日当たりのよい林道沿いなど[4]、森林があって、その中でやや荒れたところに生育する[3]。丈夫な茂みを形成するので、このヤブに入り込むと痛いめに遭う。

特徴

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落葉広葉樹の低木で半つる性[4][5]。高さは1 - 2メートル (m) になり[4]、キイチゴ属の中では大型なほうである[5]は地下を横に這い、あちこちから地上にを伸ばす。茎は株立ちして直立するか傾斜し、木質化するが太くは育たない。樹皮は赤味を帯びた濃褐色で固く、毛がなくて枝には刺が多い[4][3]。ふつう茎や葉には垂直に出るトゲがあるが、トゲがない太い徒長枝が立ち上がってくることがある[5]

は単葉で、長さ2 - 5センチメートル (cm) の葉柄があり鉤形の刺をもつ。葉身は長さ4 - 10 cmの広卵形あるいは卵円形で、浅くあるいは中程度でモミジ状に3 - 5つに裂け[4][3]、表面には伏毛があり、裏面の葉脈には刺がある。葉縁には不揃いの鋸歯がある[4]

花期は初夏(5 - 7月)[4][3]。冬芽から伸びた新枝の先に、直径1.5 - 2 cmほどのノイバラに似た5弁の白いが2 - 6個集まって咲く[4][3]果実集合果で夏(6 - 7月ごろ)に赤く熟し、食用になる[4][3]

冬芽は卵形で紅紫色で、芽鱗3 - 5枚に包まれており、横に副芽をつけることが多く、側芽は互生する[5]。枝先の仮頂芽は側芽よりもやや小さい[5]。葉痕は三角形で、維管束痕は3個つく[5]

食用

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赤く熟した果実を摘み取って食用とする[3]。生食、あるいはジャム果実酒ジュースゼリーに加工する[3]

脚注

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  1. ^ a b c d e 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Rubus crataegifolius Bunge クマイチゴ(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年6月21日閲覧。
  2. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Rubus takesimensis Nakai クマイチゴ(シノニム)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年6月21日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g h i 高橋秀男監修 2003, p. 170.
  4. ^ a b c d e f g h i j 平野隆久監修 永岡書店編 1997, p. 210.
  5. ^ a b c d e f 鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文 2014, p. 157

参考文献

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  • 鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文『樹皮と冬芽:四季を通じて樹木を観察する 431種』誠文堂新光社〈ネイチャーウォチングガイドブック〉、2014年10月10日、157頁。ISBN 978-4-416-61438-9 
  • 高橋秀男 監修 田中つとむ・松原渓 著『日本の山菜』学習研究社〈フィールドベスト図鑑13〉、2003年4月1日、170頁。ISBN 4-05-401881-5 
  • 平野隆久監修 永岡書店編『樹木ガイドブック』永岡書店、1997年5月10日、210頁。ISBN 4-522-21557-6 

関連項目

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外部リンク

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