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クラヴィーア練習曲

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

クラヴィーア練習曲(くらう゛ぃーあれんしゅうきょく ドイツ語: Clavier-Übung)は、ドイツ後期バロック音楽のジャンルの1つ。クラヴィーアとはドイツ語で鍵盤楽器を指し、クラヴィーア練習曲という名称全体としては「鍵盤楽器の練習曲」という意味である。作品名・曲集名として用いる場合は、日本語では「クラヴィーア練習曲集」と訳されている。

題名としては、1689年にヨハン・クーナウによって最初に採用され[1][2]、後にとりわけ一連のヨハン・ゼバスティアン・バッハの出版作品と関連するようになる[1]。演奏者・学習者の機械的な指の鍛錬に終始せず、同時に学習者・演奏者の趣味(芸術性・音楽性)の陶冶を目指したという意味において、後代のピアノのための芸術的な練習曲に影響を与えている。

17世紀・18世紀

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  • ヨハン・クーナウ:[1][2]
    • 新しいクラヴィーア練習曲集 第1巻(Neuer Clavier-Übung, erster Theil, 1689年)
    • 新しいクラヴィーア練習曲集 第2巻(Neuer Clavier-Übung, anderer Theil, 1692年)
  • ヨハン・クリーガー
    • 典雅なクラヴィーア練習曲集(Anmuthige Clavier-Übung, 1698年)
  • ヴィンツェント・リューベック
    • クラヴィーア練習曲集(Clavier Übung, 1728年)
  • クリストフ・グラウプナー:
    • やさしいクラヴィーア練習曲集 (Leichte Clavier-Übungen, 1730年頃)
  • ヨハン・ゼバスティアン・バッハ:[1][2]
  • ヨハン・ルートヴィヒ・クレープス
    • クラヴィーア練習曲集「様々な前奏曲といくつかの賛美歌による変奏曲」(Clavier Ubung Bestehend in verschiedenen vorspielen und veränderungen einiger Kirchen Gesaenge, ニュルンベルクにて1744年頃出版)
    • クラヴィーア練習曲集 第2巻「組曲」(Clavier-Ubung bestehet in einer [...] Suite [...] Zweyter Theil, ニュルンベルクにて1744年頃出版)
    • クラヴィーア練習曲集 第3巻「6つのソナチネ」(Clavier-Ubung bestehend in sechs Sonatinen … IIIter Theil, ニュルンベルクにて1744年頃出版)
  • ゲオルク・アンドレアス・ゾルゲ
    • クラヴィーア練習曲集(Clavier Übung, 2声による24の前奏曲。オルガンまたはクラヴィコードのための曲集。1739年–42年)
    • クラヴィーア練習曲集(Clavier Übung, 3声による18のチェンバロ・ソナタ。1738年–c.1745年)
  • ヨハン・フィリップ・キルンベルガー
    • バッハ式運指法によるクラヴィーア練習曲(Clavierübungen mit der bachischen Applicatur, 全4巻、1761年–1766年)

近代

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  • フェルッチョ・ブゾーニ
    • クラヴィーア練習曲集ドイツ語: Klavierübung 初版:1918年/改訂版:1925年)ブゾーニの新古典主義音楽の美学に基づくピアノ教本。バロック音楽や古典派音楽に擬似的な書法が採られる半面、非伝統的な転調や和声法など近代的な音楽語法も採られている。

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  1. ^ a b c d Wollf (1991) p.189
  2. ^ a b c Boyd (2006) p.193)

出典

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  • Wolff, Christoph (1991), “Chapter 15: The Clavier-Übung Series”, Bach: essays on his life and music, Harvard University Press, ISBN 0-674-05926-3 
  • Boyd, Malcolm (2006), Bach, The Master Musicians Series (3 ed.), Oxford University Press, ISBN 0-19-530771-2 

外部リンク

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