クリシャン・チャンダル
表示
クリシャン・チャンダル كرشن چندر | |
---|---|
誕生 |
1914年11月23日 |
死没 | 1977年3月8日(62歳没) |
職業 | 小説家 |
国籍 | |
ジャンル | 小説 |
代表作 | 『ペシャワール急行』 |
ウィキポータル 文学 |
クリシャン・チャンダル(ウルドゥー語:كرشن چندر 、1914年11月23日 - 1977年3月8日)は、インドの小説家。ウルドゥー語で創作し、ヒンディー語や英語も用いた。ウルドゥー文学・ヒンディー文学を代表する作家の一人。
生涯
[編集]パンジャーブ地方のワズィーラーバードの出身。父親はヒンドゥー教徒で、カシミールで暮らしたのちにラホールのF・C・カレッジに入学し、パンジャーブ大学で英文学と法学の修士号を取得した。学生運動でベンガル地方に行って農村の現状を知り、パンジャーブ社会党に入党する。学生時代にカレッジの雑誌に短編小説を書き、ラホールの雑誌にも掲載された。その後はデリーやラクナウで仕事につき、ボンベイで映画会社を設立するが倒産し、作家としての道を進む。インド独立運動のなかで設立された進歩主義作家協会に共鳴し、カルカッタ大会にはパンジャーブ代表として参加した。美食家、酒豪としても知られる一方で心臓発作を起こし、4度目の発作がもとで死去する。再婚に際してイスラム教に改宗していたが、葬儀はヒンドゥー教式に行われた。
作品
[編集]多作であり、長編小説50作、短編小説は未発表のものを含めると500作を越すとも言われる。カシミールでの体験がもとで自然に対する畏敬の念を持ち続けた。リアリズムの手法を用いてインドの社会問題を接触的に題材とし、インド・パキスタン分離独立の動乱をもとにした短編集『我々は野蛮人だ』や、ベンガルの大飢饉をもとにした『アンヌ・ダーター』などを書いた。
日本語訳著作
[編集]- 『ペシャワール急行』 謝秀麗編、めこん、1986年。
- 『ボンベイストーリー』 謝秀麗訳、日本アジア文学協会、1994年。
- 『紙の船』 田中春奈・小笠原恵子訳、ウルドゥー文学会、2003年。
- 『幻影』 高田ゆりこ訳、ウルドゥー文学会、2004年。
脚注
[編集]出典
[編集]- 謝秀麗『ペシャーワル急行』めこん〈現代インド文学選集〉、1986年。ISBN 4839600309。 NCID BN00785554 。
関連文献
[編集]- 粟屋利江, 太田信宏, 水野善文(編)「言語別南アジア文学ガイドブック」、東京外国語大学拠点南アジア研究センター、2021年3月、doi:10.15026/100314、2022年9月3日閲覧。
- 鈴木斌「クリシュン・チャンダルの作品と傾向」『印度學佛教學研究』第14巻第1号、日本印度学仏教学会、1965年、132-133頁、2022年9月3日閲覧。
- 鈴木斌「ウルドゥー動乱小説の翻訳 作品選択上の問題点」『印度學佛教學研究』第45巻第1号、日本印度学仏教学会、1996年12月、64-69頁、2022年9月16日閲覧。