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クリフハンガー (映画)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
クリフハンガー
Cliffhanger
監督 レニー・ハーリン
脚本 マイケル・フランス
シルヴェスター・スタローン
原案 ジョン・ロング
製作 レニー・ハーリン
アラン・マーシャル
製作総指揮 マリオ・カサール
出演者 シルヴェスター・スタローン
音楽 トレヴァー・ジョーンズ
撮影 アレックス・トムソン
ノーマン・ケント
編集 フランク・J・ユリオステ
製作会社 カロルコ・ピクチャーズ
カナルプラス
パイオニアLDC
配給 アメリカ合衆国の旗 トライスター ピクチャーズ
日本の旗 東宝東和
公開 アメリカ合衆国の旗 1993年5月28日
日本の旗 1993年12月4日
上映時間 113分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
フランスの旗 フランス
日本の旗 日本
言語 英語
製作費 $70,000,000[1]
興行収入

$84,049,211[1] アメリカ合衆国の旗
$255,000,211[1] 世界の旗

🇯🇵59・5億円
配給収入 40億円[2]日本の旗
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クリフハンガー』(原題:Cliffhanger)は、1993年アメリカフランス日本合作映画ロッキー山脈に不時着した武装強盗団山岳救助隊員の戦いを描いたサスペンスアクション映画レニー・ハーリン監督、シルヴェスター・スタローン主演。

概要

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1993年5月20日第46回カンヌ国際映画祭にてプレミア上映された。その後、アメリカでは1993年5月26日にプレミア上映されたのち、1993年5月28日に2333館で公開され、週末興行成績で初登場から2週連続1位になり、トップ10内には6週間いた。アメリカ国内での興行収入は8400万ドルを超え、アメリカでの1993年公開作品中10位である。日本での配給収入は40億円を超え、1994年の年間1位となった。なお、全世界での興行収入は2億5500万ドルを超えた。

第66回(1993年度)アカデミー賞では視覚効果音響編集録音の3部門にノミネートされた。一方、「最低」映画を表彰する第14回(1993年度)ゴールデンラズベリー賞でも4部門にノミネートされた。

なお、題名の「クリフハンガー」とは、「崖に宙づりになるもの」のことであるが、本来の語義である手に汗握る連続活劇クリフハンガー(プロット))の意味と掛けてある(例えるなら、「時代劇」や「ラブロマンス」というタイトルの映画があるのと同じである)。

あらすじ

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ロッキー山脈で救助隊員を務めているクライマーのゲイブシルベスター・スタローン)はある日、遭難した同僚で親友のハルとその恋人・サラの救出に向かうが、ハルの目の前でサラの救出に失敗し死なせてしまう。以来、ハルはサラの死はゲイブの責任だと思い込み、ゲイブも自責に駈られて同僚の恋人・ジェシーとも別れ、山を下りた。

やがて1年が経ったある日、国際犯罪組織が財務省の航空輸送機を乗っ取り、還流紙幣の強奪を図った。だが、その時に生じた戦闘により、紙幣の入ったスーツケースを雪のロッキー山脈に落下させてしまう。犯罪組織のボス・クアレンは一計を案じ、山岳救助隊に救難信号を発信した。救助に向かったハルとゲイブは墜落した輸送機を発見するが、そこで待っていたクアレンたちは、1億ドルの回収のためにハルたちを脅迫して、現金の入った三個のスーツケースを探させようとする。ゲイブは孤立無援の中でクアレンの企みを阻止しようと行動を起こす。

激戦の末、クアレンは仲間を失った末、ゲイブとの取引で彼に出し抜かれ、ハルがデルマーから奪ったショットガンに銃撃され墜落する。彼はゲイブを巻き添えにしようとして失敗し、格闘の末ヘリごと落下し爆死した。

登場人物

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救助隊員と関係者

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ゲイブ・ウォーカー
演 - シルヴェスター・スタローン
元ロッキー山脈の救助隊員で天才的なクライマー。しかし、友人であるハルの恋人のサラを死なせてしまった罪悪感から町を離れてしまう。職業柄、身体能力や運動神経が優れており、サバイバル能力も高い。また、強盗団を出し抜く奇策にも長ける。後の恋人となるジェシー同様に、正義感が非常に強い。見た目以上の優しさと、地元愛に溢れている。
ハル・タッカー
演 - マイケル・ルーカー
ゲイブの元同僚であり親友。しかし、恋人のサラの死はゲイブのせいだと思い込み疎遠となる。ただし、ジェシーは素人でありながら無茶な登山をさせたハルにも問題があると主張しており、自身も必ずしもゲイブを憎んではおらず、ゲイブに「殺したければ殺せ」と言われた時には「生きて苦しめ」と諭していた。強盗団に捕まった際も囮になってゲイブに逃げるように促すなど本心では変わらぬ友情の念を抱いている。強盗団をわざと遠回りさせるなどゲイブたちが有利になるように助力し、フランクを理不尽に殺害した強盗団を涙ながらに糾弾するなど、本質は善良な人物である。
ジェシー・ディーガン
演 - ジャニーン・ターナー
ゲイブの恋人。サラの死が切っ掛けでゲイブから関係を断たれ疎遠となるが、離れ離れになっても「自分が唯一の理解者」とゲイブに語るほどに彼を愛している。ただし、地元愛も強く、ゲイブと共に遠い地へ行くよりも地元に残ることを選んだ。
サラ
演 - ミシェル・ジョイナー
ハルの恋人。劇中冒頭の事故で死亡する。出番は少ないが彼女の死が本作のゲイブたちのその後の人間関係に様々な影響を与えたキーパーソンでもある。
フランク
演 - ラルフ・ウェイト
ゲイブたちの同僚。能力は高く、ジェシーからも頼りにされている。救助要請を受けて遭難者を装った強盗団を発見するが、撃たれて殺害される。しかし、死の間際に近づいたハルにナイフを託す。そのナイフは後にデルマーと戦ったハルが使ったことで活躍し、ハルが助かる一因となった。

強盗団と関係者

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エリック・クアレン
演 - ジョン・リスゴー
武装強盗団のボス。元軍人で諜報部員だった経歴を持ち、その頃から仕事で得た情報を利用して悪事に手を染めていた。性格は冷酷無比。
リチャード・トラヴァース
演 - レックス・リン
デンバー造幣局の局員。裏ではクアレン率いる強盗団と結託し、ハイジャックの手引きを行う。終盤、ゲイブによって氷河に引きずり込まれた挙句、氷越しに銃弾を撃ち込まれて氷河の中に沈み死亡。遺体はこのまま下流の方へ流された。
クリステル
演 - キャロライン・グッドール
強盗団の一人で、クアレンの妻でもある。飛行機やヘリコプターの操縦免許を持つ。フランクを射殺した仲間を非難するなど、残忍なエリックとは反対に無駄な殺生を好まない。最後は計画の一環として見捨てられる形で裏切られて殺害される。
キネット
演 - レオン
強盗団の一人で黒人。ゲイブに取引を持ち掛けるも出し抜かれ負傷するが、それでも圧倒する腕っぷしの強さを見せるものの、一瞬のスキをつかれ周囲にあった尖った岩に突き刺されて死亡する。
デルマー
演 - クレイグ・フェアブラス
強盗団の一人で血の気が多い好戦的な性格。真偽は不明だがサッカー部でストライカーをしていたと言っており、蹴り技の強さを自負している。ハルとの格闘の末、いたぶるように圧倒して崖から落とそうとするが、ハルがフランクに託されたナイフで足を刺されてしまい、怯んだすきに自分のショットガンを奪われて撃たれてしまい、自分が崖から転落して死亡する。
ライアン
演 - グレゴリー・スコット・カミンズ
強盗団の一人。暗視ゴーグルを装備し、夜間にゲイブを捜索する。その後、ゲイブと戦闘になり揉みあった末に滑落死した。
ヘルドン
演 - デニス・フォレスト
強盗団の一人。ゲイブを射殺しようと銃を乱射した結果、雪崩が発生しそれに巻き込まれ死亡した。

政府関係者

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ウォルター・ライト
演 - ポール・ウィンフィールド
デンバー造幣局の部長。
デイヴィス
演 - ザック・グルニエ
デンバー造幣局の局員。
マセスン
演 - ヴィト・ルギニス
FBI捜査官。飛行機の中での戦闘でトラヴァースに撃たれた上に爆発に巻き込まれ死亡。しかし負傷しながらも最後の力を振り絞って反撃。彼のとった捨て身の行動により強盗団は行動に後れをとるようになり、最終的に事件の解決に繋がった功労者でもある。
ヘイズ
演 - スコット・ホクスビー
FBI捜査官。エリックを追っている。
マイケルズ
演 - ジョン・フィン
FBI捜査官。ヘイズの相棒。

その他

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エヴァン
演 - マックス・パーリック
若者の登山者。
ブレット
演 - トレイ・ブロウネル
若者の登山者。

キャスト

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役名 俳優 日本語吹替
ソフト版[3] フジテレビ 日本テレビ BSジャパン
ゲイブ・ウォーカー シルヴェスター・スタローン  玄田哲章 大塚明夫 ささきいさお
エリック・クアレン[注 1] ジョン・リスゴー 堀勝之祐 樋浦勉 堀勝之祐 土師孝也
ハル・タッカー マイケル・ルーカー 菅生隆之 大塚芳忠 野島昭生 内田直哉
ジェシー・ディーガン ジャニーン・ターナー 叶木翔子 堀越真己 相沢恵子 岡寛恵
リチャード・トラヴァース レックス・リン 小島敏彦 麦人 谷口節 西村知道
クリステル キャロライン・グッドール 塩田朋子 一城みゆ希 吉田理保子 丸山雪野
キネット レオン 田中正彦 大塚明夫 沢木郁也 遠藤大智
デルマー クレイグ・フェアブラス 小室正幸 山形ユキオ 手塚秀彰 佳月大人
ライアン グレゴリー・スコット・カミンズ 秋元羊介 千田光男 立木文彦
ヘルドン デニス・フォレスト 仲野裕 若本規夫 大黒和広
サラ ミシェル・ジョイナー 佐藤しのぶ 水谷優子 湯屋敦子 山口享佑子
エヴァン マックス・パーリック 高木渉 成田剣 檀臣幸 出演シーンカット
ウォルター・ライト部長 ポール・ウィンフィールド 宝亀克寿 内海賢二 青森伸 幹本雄之
フランク ラルフ・ウェイト 峰恵研 阪脩 山野史人 佐々木敏
ブレット トレイ・ブロウネル 小野健一 子安武人 出演シーンカット
デイヴィス ザック・グルニエ 福田信昭 千田光男 伊藤栄次
マセスンFBI捜査官 ヴィト・ルギニス 秋元羊介 牛山茂 板取政明
ヘイズ捜査官 スコット・ホクスビー 小野健一 大滝進矢 小室正幸
マイケルズ捜査官 ジョン・フィン 仲野裕 青森伸 伊藤和晃
財務省のエージェント ブルース・マッギル 小室正幸
財務省のジェット機の操縦士 キム・ロビラード 福田信昭 若本規夫 小室正幸 田久保修平
役不明又はその他 引田有美 中田和宏
沢海陽子
西宏子
高瀬右光
藤沼建人
田村真
橋本雅史
日本語版制作スタッフ
演出 蕨南勝之 岡本知 蕨南勝之 吉田啓介
翻訳 石原千麻 額田やえ子 筒井愛子
調整 飯塚秀保 長井利親 小山雄一郎
効果 VOX 南部満治 桜井俊哉
録音 ニュージャパンスタジオ
担当 吉富孝明
(ニュージャパンフィルム)
田坂謙一
(グロービジョン)
制作 ACクリエイト グロービジョン ニュージャパンフィルム BSジャパン
グロービジョン
プロデューサー 大塚恭司
(日本テレビ)
遠藤幸子
久保一郎
(BSジャパン)
プロデューサー補 小林三紀子
配給 NBCユニバーサル
テレビジョン・ジャパン
初回放送 1995年10月14日
ゴールデン洋画劇場
20:59-23:09
1997年6月20日
金曜ロードショー
2014年12月5日
『シネマクラッシュ
金曜名画座』[4][5]

地上波放送履歴

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回数 テレビ局 番組名 放送日 吹替版
初回 フジテレビ ゴールデン洋画劇場 1995年10月14日 フジテレビ版
2回目 日本テレビ 金曜ロードショー 1997年6月20日 日本テレビ版
3回目 1998年7月3日
4回目 2000年6月2日
5回目 2002年6月28日
6回目 フジテレビ プレミアムステージ 2004年2月28日 フジテレビ版
7回目 テレビ朝日 日曜洋画劇場 2010年10月24日 日本テレビ版
8回目 TBS 水曜プレミアシネマ 2012年5月23日
9回目 テレビ東京 午後のロードショー 2017年4月28日[6] BSジャパン版
10回目 2019年12月20日[7]
11回目 2022年2月25日[8]

関連作品

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本作はCliffhangerという題名でゲーム化されており、日本国外にて発売された。うちSNES(スーパーファミコン)版は1993年に発売された[9]

続編・リメイク・リブート

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脚注

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注釈

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  1. ^ BSジャパン版ではクエイルン

出典

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  1. ^ a b c Cliffhanger (1993)”. Box Office Mojo. 2009年11月18日閲覧。
  2. ^ 1994年配給収入10億円以上番組 - 日本映画製作者連盟
  3. ^ KADOKAWAから発売されたDVD・4Kレストア版Blu-rayにはこのバージョンが収録されているが、日本語吹替音声に一部欠落があると誤植されている。
  4. ^ ジョン・リスゴー演ずるクエイルン役で中村秀利による吹替も予定されていたものの、スケジュールの都合で見送られたという。演出担当のツイートより
  5. ^ darkboのツイート(548396716236357632)
  6. ^ 午後ロード「クリフハンガー」 金曜はシルベスター・スタローン(外部リンク)
  7. ^ 午後エンタ 午後ロード「クリフハンガー」金曜はスタローン!(外部リンク)
  8. ^ 午後エンタ 午後ロード「クリフハンガー」金曜は2週連続スタローン!(外部リンク)
  9. ^ Scullion 2020, p. 45, CLIFFHANGER.
  10. ^ シルベスター・スタローンが「クリフハンガー」続編を準備? : 映画ニュース”. eiga.com (2008年2月20日). 2014年12月1日閲覧。
  11. ^ 『クリフハンガー』リメイクが始動 カンヌ・マルシェでスタジオ・カナルが発表”. バラエティ・ジャパン (2009年5月15日). 2014年12月1日閲覧。
  12. ^ シルベスター・スタローン主演「クリフハンガー」がリブート : 映画ニュース”. 映画.com (2014年6月5日). 2014年12月1日閲覧。
  13. ^ 細木信宏 (2014年6月3日). “『クリフハンガー』再映画化が本格始動!”. シネマトゥデイ. 2014年12月1日閲覧。

参考文献

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  • Scullion, Chris (2020-10-30). The SNES Encyclopedia. White Owl. ISBN 978-1-52673-7830 

関連項目

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外部リンク

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