クレイジー・タウン
クレイジー・タウン Crazy Town | |
---|---|
別名 | Crazy Town X |
出身地 |
アメリカ合衆国 カリフォルニア州ロサンゼルス |
ジャンル | ラップロック[1]、ラップメタル[1]、ニュー・メタル[1][2][3]、オルタナティヴ・ロック[2]、オルタナティヴ・メタル[1][2]、ヘヴィメタル[1]、ヒップホップ[3]、ラップコア[3] |
活動期間 |
1995年 - 2003年 2007年 - 現在 |
レーベル | コロムビア、Membran |
公式サイト |
crazytownband |
クレイジー・タウン(Crazy Town、CXTと略されることもある)は、アメリカ合衆国のロック・バンド。1999年11月9日にファースト・アルバム『ザ・ギフト・オブ・ゲーム』でメジャー・デビューした[4]。
「バタフライ」のシングル・ヒットと、1年半以上にも及ぶロング・ツアーで、「バタフライ」は全世界で250万枚以上売れるという大ヒット作となり、アメリカではダブル・プラチナ・ディスクにも認定された[4]。デビュー時はいきなりアメリカのロックシーンを代表するバンドの一つとなった[4]。
概要
[編集]クレイジー・タウンは最初はバンド形態ではなく、ツインMCのSeth "Shifty" BinzerとBret "Epic" Mazurのユニットとして始まった。2人とプロデューサーのジョシュ・エイブラハム、オージーのボーカリストのジェイ・ゴードン、ギタリスト兼シンセシストのアミア・デラクらで、ファースト・アルバムの『ザ・ギフト・オブ・ゲーム』を作った[4]。メジャー・デビュー以前は、クレイジー・タウンとしてのライブ経験は皆無だった[4]。
ファースト・アルバムの『ザ・ギフト・オブ・ゲーム』がアメリカで発売された後、クレイジー・タウンはツアーを行い、同じマネージメントのQ-Primeに所属するレッド・ホット・チリ・ペッパーズやナイン・インチ・ネイルズやメソッズ・オブ・メイヘムと共演しつつ、ヨーロッパ各地で開催されたフェスティバルにも出演した[4]。
その頃から何らかの理由でCharles "Rust Epique" Lopezと他のメンバーとの関係が悪化し、修復不可能な状況に陥ったため解雇、後任にKraig "Squirrel" Tylerを招いた[4]。Seth "Shifty" Binzerは当時について、「今だから言えるけど、ヤツはパーフェクトなプレイヤーが見つかるまでの穴埋め的存在だった。で、Kraig "Squirrel" Tylerと出会い、すぐにヤツだと思ったよ」と語っている[4]。その後もメンバーチェンジは続き、Adam "DJ Adam 12" Bravinも早々にバンドを離れた[4]。
2000年末から『ザ・ギフト・オブ・ゲーム』に収録されている「バタフライ」がアメリカ各地で散在するラジオ局で流れるようになった[4]。「バタフライ」はBret "Epic" MazurとSeth "Shifty" Binzerがレッド・ホット・チリ・ペッパーズの4枚目のアルバム『母乳』に収録されている「プリティ・リトル・ディッティ(Pretty Little Ditty)」のインストパートをサンプリングして書いた曲である[4]。レッド・ホット・チリ・ペッパーズが自分たちの曲をサンプルとしての使用許可を出したのは、これが初だった[4]。
「バタフライ」は大量オンエアされ始め、2001年1月にスマッシュヒットとなるや、それが引き金となりアルバム・セールスは上昇し、同時にバンドも急激に頭角を現した[4]。
クレイジー・タウンはそういう状況になる前と、なった後にライブを一度ずつ経験している[4]。最初が2000年4月にニューヨークのアーヴィング・プラザにおけるメソッズ・オブ・メイヘムのサポートアクトの時だった[4]。後者は、2001年のアメリカで開催されたオズフェストのワシントン州ゴージ公演[4]。クレイジー・タウンはザック・ワイルド&ブラック・レーベル・ソサイアティに続く2番手としてステージに上がった[4]。
2002年11月12日にセカンド・アルバムの『ダークホース』をリリース[4]。ハワード・ベンソンとバンド共同プロデュースの下で、複数のスタジオでレコーディングされた作品となった[4]。ミックスはクリス・ロード・アルジが担当した[4]。
2003年に解散するも2007年に再結成。2015年8月28日にはサード・アルバムの『The Brimstone Sluggers』をリリースした。
メンバー
[編集]現メンバー
[編集]- Seth "Shifty" Binzer/Shifty Shellshock (※ステージネーム) – ラップ、リードボーカル (1995年–2003年、2007年–2024年) ※2024年6月24日死去[5]
- イギリスのロックバンド、ローリング・ストーンズ(英: The Rolling Stones)の映画『ザ・ローリング・ストーンズ:レディース・アンド・ジェントルメン』の監督を務め、現在はFireball Interactiveなるデザイン会社を経営、ファースト・アルバムの『ザ・ギフト・オブ・ゲーム』やローリング・ストーンズの作品のアートワークを手がけたというアコースティックな父を持つ[4]。
- ミスフィッツ、ギャング・グリーン、セックス・ピストルズといったパンク・ロック/ハードコア、ビースティ・ボーイズ、Run-D.M.C.などのヒップホップから影響を受けている[4]。
- 毎日、スケボーであちこち駆るストレートキッズだった[4]。
- モヒカンにし、ブレイクダンスに興じていたこともある[4]。
- 「クレイジー・タウン」というバンド名の由来についてSeth "Shifty" Binzerは、「オレにはギャング団の構成員で、いつもヤバいヤツらとつるんでいたっていう過去がある。自分達を"ウェストサイド・クレイジー"なんて呼んでいたから、どうしても"クレイジー"っていう言葉を入れたかったんだ」と語っている[4]。
- Nick "Dax" Diiorio – ベース、バッキング・ボーカル (2014年– )
- Kevin Kapler - ドラム、パーカッション (2014年– )
- Rick "R1CKONE" Dixon - ターンテーブル、サンプリング、キーボード (2010年-2013年、2015年– )
- Eli "ET" Tanneous - リードギター (2016年- )
ツアー・メンバー
[編集]- Bobby Reeves - ボーカル (2016年-現在)
旧メンバー
[編集]- Bret "Epic" Mazur – ボーカル、ラップ、ベース、キーボード、ピアノ、ターンテーブル、ビートボックス (1995年–2003年、2007年–2017年)
- ニューヨークのブルックリン生まれ[4]。3歳の時に家族とロサンゼルスに移り住む[4]。
- 父親はロック歌手のビリー・ジョエルを発掘し、彼が最初に組んだバンド「THE HUSSLE」のマネージャーを務め、その後の『コールド・スプリング・ハーバー〜ピアノの詩人』でソロ・デビューを実現させた人物[4]。Bret "Epic" Mazurはヒップホップに熱中し、高校はアイス・キューブ、元ハウス・オブ・ペインのエヴァーラストやダニー・ボーイと一緒だった[4]。
- 18歳でプロとして活動を始め、R&B/ソウル系グループ、ベル・ビヴ・デヴォーのファースト・アルバム『ポイズン』にドラマーとして参加した[4]。その後、Seth "Shifty" Binzerと出会い意気投合[4]。クレイジー・タウンの前身とも言えるヒップホップ・ユニット、"BRIMSTONES SULGGERS"を結成する[4]。
- 当時を振り返り、Seth "Shifty" Binzerは「ヤツに会った時、長い間自分のプロジェクトをやりたかったっていう話をされてさ。で、『一緒にやろう』とも言ってくれた。お互いに必要な存在だったのかもね。2人でいたり、何かをやったりするとバランスがとれるっていう感じだったんだ」と語っている[4]。
- BRIMSTONES SULGGERSでは総てプログラミングされたヒップホップを演っていた[4]。
- 当時はアルバム契約を獲るなどの考えはなく、あくまでもいい詞を書き、いい曲を作ることのみに専念していた[4]。
- その発想、アイデアを具現化させたのが「クレイジー・タウン」だった[4]。
- 1998年にスタートし、その後、他のメンバーが徐々に集まり、バンド形態へと形を成していった[4]。
- Seth "Shifty" Binzerが23歳、Bret "Epic" Mazurが27歳の時のことだった[4]。
- Adam "DJ Adam 12" Bravin - ターンテーブル、サンプリング、プログラミング、キーボード (1995年–1996年)
- Charles "Rust Epique" Lopez - ギター (1999年–2000年) ※2004年死去
- James "JBJ" Bradley Jr. – ドラム、パーカッション (1999年–2001年)
- Adam Goldstein|Adam "DJ AM" Goldstein – ターンテーブル、サンプリング、プログラミング、キーボード (1999年–2000年、2001年、2009年) ※2009年死去
- Doug "Faydoe Deelay" Miller - ベース (1999年-2003年)
- Kraig "Squirrel" Tyler - リズムギター、バッキング・ボーカル (2000年–2003年)
- Antonio Lorenzo "Trouble" Valli - リードギター (1999年–2003年)
- Kyle Hollinger - ドラムス, パーカッション (2001年-2003年)
- Ahmad "Deadsie" Alkurabi – リードギター (2014年–2015年)
- Omar Gusmao - リードギター (2015年–2016年)
ディスコグラフィ
[編集]スタジオ・アルバム
[編集]タイトル | アルバムデータ | チャート最高位 | 認定 | |||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
US [6] |
AUS [7] |
AUT [8] |
CAN [9] |
FRA [10] |
GER [11] |
NLD [12] |
NZ [13] |
SWI [14] |
UK [15] | |||||
ザ・ギフト・オブ・ゲーム The Gift of Game |
9 | 27 | 4 | 7 | 133 | 6 | 40 | 10 | 11 | 15 | ||||
ダークホース Darkhorse |
|
120 | — | — | — | 139 | 52 | — | — | 90 | 164 | |||
The Brimstone Sluggers |
|
— | — | — | — | — | — | — | — | — | — | |||
"—" は未発売またはチャート圏外を意味する。 |
シングル
[編集]タイトル | 年 | チャート最高位 | 認定 | 収録アルバム | ||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
US [23] |
US Alt. [24] |
US Main. Rock [25] |
AUS [26] |
AUT [8] |
FIN [27] |
GER [28] |
NOR [29] |
NLD [12] |
NZ [13] |
SWE [30] |
SWI [14] |
UK [15] | ||||
"Toxic"[31] | 1999 | — | — | — | — | — | — | — | — | — | — | — | — | — | ザ・ギフト・オブ・ゲーム | |
"Darkside"[32] | 2000 | — | — | — | — | — | — | — | — | — | — | — | — | — | ||
"Butterfly" | 1 | 1 | 21 | 4 | 1 | 2 | 1 | 1 | 8 | 2 | 2 | 1 | 3 | |||
"Revolving Door" | 2001 | — | — | — | 76 | 29 | 19 | 26 | — | 71 | — | 46 | 43 | 23 | ||
"Drowning" | 2002 | — | 24 | 24 | — | 45 | — | 45 | — | — | — | — | — | 50 | ダークホース | |
"Hurt You So Bad"[35] | 2003 | — | — | — | — | — | — | — | — | — | — | — | — | — | ||
"Hurt You So Bad" (Paul Oakenfold Remix) | — | — | — | — | — | — | — | — | — | — | — | — | — | |||
"Lemonface" | 2013 | — | — | — | — | — | — | — | — | — | — | — | — | — | The Brimstone Sluggers | |
"Megatron" | 2014 | — | — | — | — | — | — | — | — | — | — | — | — | — | ||
"Backpack" | 2015 | — | — | — | — | — | — | — | — | — | — | — | — | — | ||
"Born To Raise Hell" | 2015 | — | — | — | — | — | — | — | — | — | — | — | — | — | ||
"Come Inside" | 2015 | — | — | — | — | — | — | — | — | — | — | — | — | — | ||
"—" は未発売またはチャート圏外を意味する。 |
脚注
[編集]- ^ a b c d e “Crazy Town|Biography”. オールミュージック. All Media Guide. 2016年10月18日閲覧。
- ^ a b c Crazy Town - クレイジー・タウン - キューブミュージック・2016年10月18日閲覧。
- ^ a b c Crazy Town reviews music, news - sputnikmusic・2016年10月18日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac ad ae af ag ah ai aj ak al 『ダークホース』日本盤ブックレット
- ^ “米伝説的バンドの破天荒ボーカルが死去、49歳 数々の騒動、薬物依存…8週間前に「しらふで生きること」と投稿”. よろず〜ニュース. デイリースポーツ. (2024年6月28日) 2024年6月28日閲覧。
- ^ “Crazy Town – Chart History: Billboard 200”. Billboard. Prometheus Global Media. May 28, 2014閲覧。
- ^ “Discography Crazy Town”. 'australian-charts.com'. Hung Medien. May 28, 2014閲覧。
- ^ a b “Discographie Crazy Town”. 'austriancharts.at'. Hung Medien. May 28, 2014閲覧。
- ^ “Crazy Town – Chart History: Canadian Albums”. Billboard. Prometheus Global Media. May 28, 2014閲覧。
- ^ “Discographie Crazy Town”. 'lescharts.com'. Hung Medien. May 28, 2014閲覧。
- ^ “Chartverfolgung / Crazy Town / Longplay” (German). musicline.de. Media Control Charts. May 28, 2014閲覧。
- ^ a b “Discografie Crazy Town”. 'dutchcharts.nl'. Hung Medien. May 28, 2014閲覧。
- ^ a b “Discography Crazy Town”. 'charts.org.nz'. Hung Medien. February 4, 2008閲覧。
- ^ a b “Discography Crazy Town”. 'swisscharts.com'. Hung Medien. May 28, 2014閲覧。
- ^ a b Zywietz, Tobias. “Chart Log UK: Chris C. – CZR”. 'zobbel.de'. Tobias Zyweitz. May 28, 2014閲覧。
- ^ a b “American certifications – Crazy Town”. Recording Industry Association of America. May 28, 2014閲覧。
- ^ “ARIA Charts – Accreditations - 2001 Albums”. Australian Recording Industry Association. May 28, 2014閲覧。
- ^ a b “Certified Awards Search” (To access, enter the search parameter "Crazy Town"). British Phonographic Industry. May 28, 2014閲覧。
- ^ a b “Gold-/Platin-Datenbank: Crazy Town” (German). Bundesverband Musikindustrie. June 20, 2014閲覧。
- ^ “IFPI Certifications”. International Federation of the Phonographic Industry. May 14, 2008閲覧。
- ^ a b “The Official Swiss Charts and Music Community: Awards (Crazy Town)”. swisscharts.com. Hung Medien. June 20, 2014閲覧。
- ^ "Canadian certifications – Crazy Town". Music Canada. 2014年5月28日閲覧。
- ^ “Crazy Town – Awards”. AllMusic. Rovi Corporation. May 28, 2014閲覧。
- ^ “Crazy Town – Chart History: Alternative Songs”. Billboard. Prometheus Global Media. May 28, 2014閲覧。
- ^ “Crazy Town – Chart History: Mainstream Rock Tracks”. Billboard. Prometheus Global Media. May 28, 2014閲覧。
- ^ Peak chart positions for singles in Australia:
- "Butterfly": “Discography Crazy Town”. 'australian-charts.com'. Hung Medien. May 28, 2014閲覧。
- "Revolving Door": (PDF) The ARIA Report: Week Commencing 6 August 2001. Pandora Archive. (February 21, 2002) August 17, 2014閲覧。.
- "Drowning": (PDF) The ARIA Report: Week Commencing 2 December 2002. Pandora Archive. (January 7, 2003) August 17, 2014閲覧。.
- ^ “Discography Crazy Town”. 'finnishcharts.com'. Hung Medien. May 28, 2014閲覧。
- ^ “Chartverfolgung / Crazy Town / Single” (German). musicline.de. Media Control Charts. May 28, 2014閲覧。
- ^ “Crazy Town”. norwegiancharts.com. 12 April 2015閲覧。
- ^ Swedish singles chart
- ^ “Toxic – Crazy Town”. AllMusic. Rovi Corporation. May 28, 2014閲覧。
- ^ “Tales from the Darkside – Crazy Town”. AllMusic. Rovi Corporation. May 28, 2014閲覧。
- ^ “ARIA Charts – Accreditations – 2001 Singles”. Australian Recording Industry Association. June 20, 2014閲覧。
- ^ "Austrian certifications – Crazy Town" (German). IFPI Austria. 2014年6月20日閲覧。 Enter Crazy Town in the field Interpret. Click Suchen
- ^ “Hurt You So Bad – Crazy Town”. AllMusic. Rovi Corporation. May 28, 2014閲覧。
外部リンク
[編集]- 公式ウェブサイト
- クレイジー・タウン (officialcrazytown) - Facebook
- クレイジー・タウン - ソニーミュージックオフィシャルサイト