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クレオソート油

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
クレオソート油
別名石炭クレオソート
CAS登録番号8001-58-9
形状黄色から茶、黒色の油状
密度1.0 - 1.17 g/cm3, 液体
融点約20 °C
沸点200 - 400 °C
出典ICSC 0572

クレオソート油(クレオソートゆ、Creosote oil)は、コールタール蒸留して得られる液体石炭クレオソートあるいは工業用クレオソートともいう。芳香族化合物をはじめ200近い成分を含む混合物で、カーボンブラックの原料や木材木材保存剤防腐剤・防蟻剤)として利用される[1]

概要

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黄色から暗褐色をした刺激臭のある油状の液体で、コールタールを 200-400℃ で蒸留したものから、ナフタレンアントラセンのような結晶性物質、ならびにフェノールピリジンなどの水溶性成分を除去して得られる[2]。製品によって成分比は異なるが、上記化合物のほかフェナントレンフルオランテンピレンフルオレンアセナフテンなど、2-4個の芳香環からなる化合物を主成分とする。

90%以上がタイヤゴムインクトナーに用いられるカーボンブラックの原料とされ、一部が枕木電柱といった屋外で使用される木材の木材保存剤として用いられている。

引火点73.9℃・発火点336.1℃で、消防法第4類危険物(第3石油類)に指定されている。

発がん性問題

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原料の石炭に由来する多環芳香族炭化水素 (PAHs) を多く含有することから、クレオソート油はIARCのグループ2A(おそらく発がん性がある)に分類されている[3]。日本では2004年に一部の製品に含まれるジベンゾ[a,h]アントラセンベンゾ[a]アントラセンベンゾ[a]ピレンの3種が「有害物質を含有する家庭用品の規制に関する法律」によって有害物質に指定されたため、家庭用防腐剤は指定物質の含有濃度を 10ppm 以下にすること、および家庭用の防腐木材及び防虫木材は 3ppm 以下にすることが定められている[4](改良クレオソート油)。

脚注

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  1. ^ 本文中の数値は 東京都生活文化局消費生活部安全表示課「クレオソート油の成分と安全性等についての調査結果について」[1] による
  2. ^ JIS K 2439:2006 「クレオソート油・加工タール・タールピッチ」
  3. ^ http://monographs.iarc.fr/ENG/Meetings/92-pahs.pdf
  4. ^ 東京都福祉保健局「クレオソート油及び処理木材の基準」[2]

参考文献

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外部リンク

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