グス型エアクッション揚陸艇
グス型エアクッション揚陸艇 Десантные катера на воздушной подушке проекта 1205 «Скат» | |
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ロシア海軍歴史記念館で屋外展示されるグス型エアクッション揚陸艇「D-357」 | |
基本情報 | |
艦種 | 揚陸艇 |
船種 | エア・クッション型揚陸艇(ホバークラフト) |
建造所 |
プリモルスキー造船所(現・アルマース造船会社) モーリエ造船所 A・M・ゴーリキー記念ゼレノドルスク工場 |
運用者 |
ソビエト連邦海軍 ロシア海軍 |
建造期間 | 1970年 – 1974年[1][2] |
就役期間 | 1970年 – 2007年[2] |
同型艦 | 32[2] |
次級 | アイスト型エアクッション揚陸艇 |
要目 | |
基準排水量 | 22t[3] |
満載排水量 | 27t[1][2][3] |
全長 | 21.3m[2]または21.4m[3] |
最大幅 | 7.3m[3] |
吃水 | 0.5m[3] |
機関方式 |
TVD-10Mガスタービンエンジン 2基 TVD-10 ガスタービンエンジン 1基[3] |
出力 | 2,340hp[1] |
速力 | 49ノット (91 km/h)[2][3] |
航続距離 |
200海里(43ノット)[3] 185海里(50ノット)[1] |
航海日数 | 1日[3] |
搭載能力 |
揚陸部隊24人[2]または 兵員40人または物資4t[3] |
乗員 | 4人[3] |
兵装 |
無し[1] (後に一部の艇にAGS-17擲弾発射器 1丁、PKT機関銃 2丁を搭載)[3] |
レーダー | 「キバーチ1」航海レーダー 1基[3] |
グス型エアクッション揚陸艇(Gus-class LCAC)は、ソ連・ロシアで建造・運用されたエア・クッション型揚陸艇。公称船型は1205型「スカット」エアクッション上陸船(Десантные катера на воздушной подушке проекта 1205 «Скат»)。「グス」はNATOコードネームで、ロシア語でガチョウ(гусь)を意味する。
開発
[編集]ソ連海軍は1930年代から高速を発揮するホバークラフトの軍用化を模索し、試作を続けていた。1969年、ソ連海軍省はアルマース中央海洋設計局に揚陸用ホバークラフトの設計を指示し、主任設計者L・V・オジモフとV.A.リトビネンコ二等艦長が設計を行った。
設計
[編集]グス型エアクッション揚陸艇は民間向けのホバークラフトを元に製造された[2]、ソ連初の量産型エア・クッション型揚陸艇である[1]。
操舵室は艦体前方中央にあるが、操舵室が2ヶ所ある練習艇もある[1]。兵員室は艦体中央にあり、左右舷に2ヶ所ある昇降口から乗下艦する。
固有の兵装は無い[1]が、歩兵用の兵装であるAGS-17擲弾発射器1丁とPKT機関銃2丁を搭載した艇もあった[3]。
運用
[編集]グス型エアクッション揚陸艇は、レニングラード(現・サンクトペテルブルク)のプリモルスキー造船所(現・アルマース造船会社)で4隻、フェオドシヤのモーリエ造船所で19隻、ゼレノドリスクのA・M・ゴーリキー記念ゼレノドルスク工場で6隻など、合計32隻が建造された[2]。本型はバルチック艦隊と黒海艦隊、太平洋艦隊、カスピ小艦隊に配備され、後に太平洋艦隊の艇は中国と国境を接するアムール小艦隊に再配備された。
1990年4月19日の5隻を皮切りに退役が始まり、2007年の時点で3隻のみ在籍していた[2]。同年6月22日にD-338とD-357(艦番号:634)が退役して全艇が退役した[3]。