コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

レベッド型エアクッション揚陸艇

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
レベッド型エアクッション揚陸艇
輸送艦甲板上のレベッド型(1985年)
輸送艦甲板上のレベッド型(1985年)
基本情報
艦種 揚陸艇
船種 エア・クッション型揚陸艇
建造所 アルマース造船所モーリエ造船所ロシア語版英語版
運用者  ソビエト連邦海軍
 ロシア海軍
建造期間 1972年 – 1985年
就役期間 1972年 – 2012年
建造数 20隻
前級 アイスト型エアクッション揚陸艇
次級 ムレナ型エアクッション揚陸艇
要目 ([1]
基準排水量 108ロングトン (110 t)
満載排水量 114ロングトン (116 t)
長さ 24.6m
10.8m
吃水 1.3m
機関方式 10,000馬力 (7,457 kW) AL-20K 2基、MT-70ガスタービンエンジン
最大速力 55ノット (102 km/h)
巡航速力 50ノット (93 km/h)
航続距離 100海里(50ノット (93 km/h)(巡航時)
航海日数 1日間
搭載能力 T-54 主力戦車 1両 あるいは
PT-76 軽戦車 1両
またはBMP-1/2 歩兵戦闘車 2両 または
BTR-60/70 装甲兵員輸送車 2両 または
歩兵 120名 あるいは
貨物 37t
乗員 6 名 (将校2名)
兵装 12.7 mm 連装"Utes-M" NSV重機関銃 1基
レーダー キヴァチ2航行レーダー
テンプレートを表示

プロイェクト1206 「カルマル型」エアクッション揚陸艇ロシア語: проекта 1206 «Кальмар» 英語: Project 1206 "Kalmar"ツツイカの意)は、ソビエト連邦ロシアエア・クッション型揚陸艇ソビエト連邦の崩壊後はロシア海軍の所属となっている。NATOコードネームは「レベッド英語: Lebed、ロシア語でハクチョウの意)」。

開発

[編集]

レベッド型揚陸艇は1970年代初頭、アイスト型エアクッション揚陸艇の運用実績を元に 主任設計者L.V.オジモフとオブザーバーであるソビエト連邦海軍(ソ連海軍)V.A.リトビネンコ二等艦長ロシア語版の元、アルマース中央海洋設計局で設計された。

設計

[編集]

レベッド型揚陸艇は、アイスト型エアクッション揚陸艇を元に設計されたホバークラフトで、基本的な配置も踏襲していた。貨物室は艦体の中央にあり、艦橋と機関室は左右に分けられている。昇降用ランプも、艦正面の中央部に位置する。

機関室には、主機のMT-70ガスタービンエンジンが収められている。艦の推進はリングノズルを有する直径3.5mの4枚可変ピッチプロペラで行い、方向転換はプロペラ後方の垂直方向板で行う。

自衛および上陸時の援護用の兵装として、NSV重機関銃を連装砲にした12.7 mm "Utes-M"砲塔を1基艦首右舷に搭載した。

貨物室には、主力戦車なら1両、軽戦車歩兵戦闘車装甲兵員輸送車なら2両、歩兵なら120名、貨物なら37tを積むことができた。

運用

[編集]

1972年に建造が始まり、レニングラードアルマース造船所で2隻(D-456、D-235)、テオドシアモーリエ造船所ロシア語版英語版で18隻、合わせて20隻が1985年までに建造された[1]。 レベッド型揚陸艇はイワン・ロゴフ級揚陸艦に搭載可能だったほか、当時ソ連海軍が開発中だった11780型揚陸艦への搭載も予定されていた。

ソ連崩壊後に退役が始まり、2000年には北方艦隊のD-154と、カスピ小艦隊のD-145とD-457の3隻のみ配備されていた[1]。その後、D-154は2006年、残る2隻は2012年に退役した。

登場作品

[編集]

レベッド型は1986年のトム・クランシーの小説『レッド・ストーム作戦発動』において登場し、偽装商船「ユリウス・フチーク号英語版」からアイスランド奇襲侵攻を行うため発進している。

参考資料

[編集]
  1. ^ a b c Air-cushion landing craft - Project 1206”. russian-ships.info (2012年). 18 June 2012時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年5月6日閲覧。

参考文献

[編集]
  • サンダース、スティーブン(RN) ジェーンの戦闘船2003-2004 ISBN 0-7106-2546-4

関連項目

[編集]