グリセロール-3-リン酸デヒドロゲナーゼ (キノン)
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グリセロール-3-リン酸デヒドロゲナーゼ | |||||||||
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識別子 | |||||||||
EC番号 | 1.1.5.3 | ||||||||
CAS登録番号 | 9001-49-4 | ||||||||
データベース | |||||||||
IntEnz | IntEnz view | ||||||||
BRENDA | BRENDA entry | ||||||||
ExPASy | NiceZyme view | ||||||||
KEGG | KEGG entry | ||||||||
MetaCyc | metabolic pathway | ||||||||
PRIAM | profile | ||||||||
PDB構造 | RCSB PDB PDBj PDBe PDBsum | ||||||||
遺伝子オントロジー | AmiGO / QuickGO | ||||||||
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グリセロール-3-リン酸デヒドロゲナーゼ(glycerol-3-phosphate dehydrogenase; GPDH, G3PD, G3PDH)は、次の化学反応を触媒する酸化還元酵素である。
- sn-グリセロール3-リン酸 + キノン化合物 グリセロンリン酸 + キノール化合物
反応式の通り、この酵素の基質はsn-グリセロール3-リン酸とキノン化合物、生成物はグリセロンリン酸とキノール化合物である。組織名はsn-glycerol 3-phosphate:quinone oxidoreductaseである。FADを補因子とすることから、特にFAD依存的グリセロール-3-リン酸デヒドロゲナーゼと呼ぶことがある。
構造
[編集]FADを補因子とする膜結合型の酵素である。四次構造の違いにより概ね2種類に分けられる。
- GlpD
- GlpABC
組織特異性
[編集]哺乳類においてミトコンドリアGPDH(GPD2)の発現レベルが高いのは、褐色脂肪組織、筋肉、脳などで、逆に肝臓や心臓では低い。それ以外に、膵臓のβ細胞、精巣、胎盤などで重要な役割を担っていることが知られている。[2]
疾患
[編集]複合体IIや複合体Iの場合とは異なり、ミトコンドリアGPDHの変異を原因とする致死的な疾患は知られていない。これは、脂質代謝という点では細胞質GPDHが十分に機能しており、電子伝達系との関連ではリンゴ酸-アスパラギン酸シャトルが代替しうるからだと考えられる。それでもミトコンドリアGPDHが欠損すれば、個体や器官の代謝・エネルギー調節に悪影響を及ぼす。ミトコンドリアGPDHの欠損に由来する精神遅滞の報告があるし、インスリン非依存型糖尿病の一因になっている例も知られている。[2]
参考文献
[編集]- ^ Yeh et al. (2008). “Structure of glycerol-3-phosphate dehydrogenase, an essential monotopic membrane enzyme involved in respiration and metabolism”. PNAS 105 (9): 3280-3285. doi:10.1073/pnas.0712331105 .
- ^ a b c Mráček et al. (2013). “The function and the role of the mitochondrial glycerol-3-phosphate dehydrogenase in mammalian tissues”. Biochim. Biophys. Acta 1827 (3): 401-410. doi:10.1016/j.bbabio.2012.11.014.
- ^ Varga & Weiner (1995). “Physiological role of GlpB of anaerobic glycerol-3-phosphate dehydrogenase of Escherichia coli”. Biochem. Cell Biol. 73 (3-4): 147-153. doi:10.1139/o95-018.