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グリセロール-3-リン酸デヒドロゲナーゼ (キノン)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
グリセロール-3-リン酸デヒドロゲナーゼ
識別子
EC番号 1.1.5.3
CAS登録番号 9001-49-4
データベース
IntEnz IntEnz view
BRENDA BRENDA entry
ExPASy NiceZyme view
KEGG KEGG entry
MetaCyc metabolic pathway
PRIAM profile
PDB構造 RCSB PDB PDBj PDBe PDBsum
遺伝子オントロジー AmiGO / QuickGO
検索
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グリセロール-3-リン酸デヒドロゲナーゼ(glycerol-3-phosphate dehydrogenase; GPDH, G3PD, G3PDH)は、次の化学反応触媒する酸化還元酵素である。

sn-グリセロール3-リン酸 + キノン化合物 グリセロンリン酸 + キノール化合物

反応式の通り、この酵素の基質はsn-グリセロール3-リン酸キノン化合物、生成物はグリセロンリン酸キノール化合物である。組織名はsn-glycerol 3-phosphate:quinone oxidoreductaseである。FAD補因子とすることから、特にFAD依存的グリセロール-3-リン酸デヒドロゲナーゼと呼ぶことがある。

構造

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FAD補因子とする膜結合型の酵素である。四次構造の違いにより概ね2種類に分けられる。

組織特異性

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哺乳類においてミトコンドリアGPDH(GPD2)の発現レベルが高いのは、褐色脂肪組織筋肉などで、逆に肝臓心臓では低い。それ以外に、膵臓β細胞精巣胎盤などで重要な役割を担っていることが知られている。[2]

疾患

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複合体II複合体Iの場合とは異なり、ミトコンドリアGPDHの変異を原因とする致死的な疾患は知られていない。これは、脂質代謝という点では細胞質GPDHが十分に機能しており、電子伝達系との関連ではリンゴ酸-アスパラギン酸シャトルが代替しうるからだと考えられる。それでもミトコンドリアGPDHが欠損すれば、個体や器官の代謝・エネルギー調節に悪影響を及ぼす。ミトコンドリアGPDHの欠損に由来する精神遅滞の報告があるし、インスリン非依存型糖尿病の一因になっている例も知られている。[2]

参考文献

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  1. ^ Yeh et al. (2008). “Structure of glycerol-3-phosphate dehydrogenase, an essential monotopic membrane enzyme involved in respiration and metabolism”. PNAS 105 (9): 3280-3285. doi:10.1073/pnas.0712331105. http://www.pnas.org/content/105/9/3280.long. 
  2. ^ a b c Mráček et al. (2013). “The function and the role of the mitochondrial glycerol-3-phosphate dehydrogenase in mammalian tissues”. Biochim. Biophys. Acta 1827 (3): 401-410. doi:10.1016/j.bbabio.2012.11.014. 
  3. ^ Varga & Weiner (1995). “Physiological role of GlpB of anaerobic glycerol-3-phosphate dehydrogenase of Escherichia coli”. Biochem. Cell Biol. 73 (3-4): 147-153. doi:10.1139/o95-018. 

関連項目

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