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ゲーリー・ラッセル・ジュニア

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ゲーリー・ラッセル・ジュニア
2010年7月、勝利後のラッセル
基本情報
通称 Mr.
階級 フェザー級
身長 165cm
リーチ 163cm
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
誕生日 (1988-06-05) 1988年6月5日(36歳)
出身地 ワシントンD.C.
スタイル サウスポー
プロボクシング戦績
総試合数 33
勝ち 31
KO勝ち 19
敗け 2
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ゲーリー・ラッセル・ジュニアGary Allen Russell Jr. 1988年6月5日 - )は、アメリカ合衆国プロボクサーワシントンD.C.出身。元WBC世界フェザー級王者。アマチュア時代は全米トップ選手であり、低迷が続くアメリカアマチュアボクシング界においてオリンピックでメダル獲得を期待されていた選手であったが、北京オリンピック出場権を獲得するも、オリンピック本番の試合当日に疲労から控え室で倒れ試合出場出来ずに棄権となった。ハンドスピードを生かしたシャープなフックを武器にする選手。プロボクサーのゲイリー・アントゥアン・ラッセルゲーリー・アントニオ・ラッセルは弟。

来歴

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アマチュア時代

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ラッセル・ジュニアは7歳の頃父にボクシングの手ほどきを受けボクシングを始めた。その後弟のアレンも手ほどきを受け兄弟でそろって練習に励んだ。

2004年、インターナショナル・ジュニア・オリンピックに出場し優勝する[1]

2005年16歳の時、全米選手権にバンタム級(54 kg)で出場し優勝を果たした[2]。同じ年にナショナル・ゴールデングローブでもバンタム級(54 kg)で出場し優勝した[3]

中華人民共和国綿陽市で行われた2005年世界ボクシング選手権大会にバンタム級(54 kg)で出場し、1回戦でブルガリアのデテリン・ダラクリビエフ、2回戦でカナダのタイソン・ケーブ、準々決勝でヨルダンの アル・ガラハ・イブラヒムに判定勝ち。準決勝でドイツのルスタムホドザ・ラヒモブと対戦し、判定負けで敗退も銅メダルを獲得した[4]

2006年、全米選手権にバンタム級(54 kg)で出場し決勝でレオ・サンタ・クルスを破り2連覇を果たした[5]

2007年、全米選手権にバンタム級(54 kg)で出場し決勝でロニー・リオスに敗退した[6]北京オリンピック国内予選選考会にバンタム級(54 kg)で出場。しかしロバート・マロキンとの初戦を落としてしまう、その後ロニー・リオスに勝ち、マロキンからも2試合勝ったことで世界選手権への出場権を得た[7]

シカゴで行われた2007年世界ボクシング選手権大会にバンタム級(54 kg)で出場。3回戦でフランスのアリ・ハッラブに勝ちオリンピック出場権を獲得するが、準々決勝でロシアのセルゲイ・ボドフヤノブに判定で敗れてメダルを逃した[8]

2008年の北京オリンピックに出場するも試合前に控室で急激な減量による疲労で倒れて、病院に搬送される事態になり結果試合は出場できず棄権になった。そのままプロに転向することになった。

プロ時代

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プロに転向したラッセル・ジュニアはオスカー・デ・ラ・ホーヤゴールデンボーイ・プロモーションズと契約を交わし正式にプロの世界に進出。

2009年1月16日、プロデビュー戦を3回21秒TKO勝ち。

2010年、勝ち名乗りを受けるラッセル

2010年7月22日、元IBF世界ライトフライ級王者、元WBA世界フライ級暫定王者マウリシオ・パストラナと対戦し、初回から圧倒的に試合を支配し最後は右フックで沈め初回1分46秒TKO勝ちを収めた。

2014年3月にWBOワシル・ロマチェンコとの間でWBO世界フェザー級王座決定戦の交渉指令を発令した。

2014年6月21日、ロサンゼルススタブハブ・センター・テニスコートにてロバート・ゲレーロVS亀海喜寛の前座でWBO世界フェザー級4位のワシル・ロマチェンコとWBO世界フェザー級王座決定戦を行い、プロ初黒星となる12回0-2(114-114、2者が112-116)の判定負けを喫し王座獲得に失敗した[9]

2015年1月9日、ゴールデンボーイ・プロモーションズからプロモート権を破棄されたことで、同プロモーションを離脱した。

2015年3月28日、ラスベガスのパームス内ザ・パールでWBC世界フェザー級王者ジョニー・ゴンサレスと対戦し、3回に1度、4回に2度のダウンを奪い、4回37秒TKO勝ちを収め王座獲得に成功した[10]。4月4日、WBCはラッセルを2015年4月度の月間優秀選手賞に選出した[11][12]

2015年4月8日、WBCがWBC世界フェザー級シルバー王者でWBC世界フェザー級1位のロビンソン・カステヤノスと指名試合を行うよう指令を出した[13]

2015年11月14日、ザ・ジョイントで元WBA世界スーパーバンタム級暫定王者でWBC世界フェザー級12位のオスカル・エスカンドンと対戦し、初防衛を目指すはずだったが、同月2日のスパーリング中にラッセル・ジュニアが顔を負傷したため中止になった[14]

2016年4月16日、コネチカット州レッドヤードフォックスウッズ・リゾート・カジノ内にあるMGMグランド・アット・フォックスウッズでWBC世界フェザー級15位のパトリック・ハイランドと対戦し、2回1分33秒TKO勝ちを収め、初防衛に成功した[15][16]

2017年2月28日、同年3月11日にメリーランド州オクソンヒル英語版MGMナショナル・ハーバー英語版内ザ・シアター内ザ・シアターにて、WBC世界フェザー級暫定王者のオスカル・エスカンドンと王座統一戦を行う予定だったが、エスカンドンがトレーニング中に負傷した為、試合は延期になった[17][18]

2017年5月20日、メリーランド州オクソン・ヒルのMGMナショナル・ハーバー内ザ・シアターにて、暫定王者のオスカル・エスカンドンと延期となっていた王座統一戦を行い、7回59秒TKO勝ちを収め王座統一を果たした(記録上は正規王座の2度目の防衛)[19][20]。6月8日、WBCはラッセルを2017年6月度の月間MVPに選出した[21][22]

2017年10月6日、WBCがWBC世界フェザー級王者のゲーリー・ラッセル・ジュニアとWBC世界フェザー級1位のジョセフ・ディアスに対し指名試合を行うよう指令を出した[23]

2018年5月19日、メリーランド州オクソン・ヒルのMGMナショナル・ハーバー内ザ・シアターにて、WBC世界フェザー級1位でNABFNABO北米フェザー級王者のジョセフ・ディアスと対戦し、12回3-0(115-113、117-111×2)の判定勝ちを収め、3度目の防衛に成功した[24]

2019年5月18日、バークレイズ・センターにてデオンテイ・ワイルダーVSドミニク・ブラジールの前座でキコ・マルチネスと対戦し、5回2分52秒ドクターストップによるTKO勝ちを収め、4度目の防衛に成功した[25]

2020年2月8日、PPL・センター英語版でWBC世界フェザー級1位でIBO世界フェザー級王者のツグスソグ・ニヤンバヤルと対戦し、12回3-0(118-110、116-112、117-111)判定勝ちを収め、5度目の防衛に成功した[26]

2022年1月22日、アトランティックシティボルガタ・ホテル・カジノ・アンド・スパ英語版内ボルガタ・イベント・センターでWBC世界フェザー級2位マーク・マグサヨと対戦し、12回0-2(2者が113-115、114-114)の判定負けを喫し6度目の防衛に失敗、6年10ヶ月に及ぶ王座から陥落した[27]

2022年5月24日、幼少時代からのトレーナーで父親のゲーリー・ラッセル・シニアが死去した。2型糖尿病に関連する合併症や軽度の脳卒中を患い、半年前に左脚を切断していた[28]

戦績

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  • プロボクシング:33戦 31勝 (18KO) 2敗
日付 勝敗 時間 内容 対戦相手 国籍 備考
1 2009年1月16日 3R 0:21 TKO アントニオ・レイエス アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 プロデビュー戦
2 2009年2月14日 4R 判定 3-0 ジョン・ワンパッシュ アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
3 2009年5月1日 4R 判定 3-0 アルバロ・ムロ メキシコの旗 メキシコ
4 2009年8月7日 1R 0:28 TKO ジェイソン・ジョーンズ アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
5 2009年10月23日 4R 判定 3-0 ノエ・ロペス メキシコの旗 メキシコ
6 2009年12月18日 3R 0:38 TKO ロドリゴ・ロメロ アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
7 2010年1月30日 1R 2:58 TKO デビッド・オロスコ・カノ アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
8 2010年2月19日 1R 2:38 KO ハイロ・デルガド アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
9 2010年4月16日 1R 1:32 KO カルロス・ディアス プエルトリコの旗 プエルトリコ
10 2010年6月24日 2R 0:34 KO ロドリゴ・アランダ メキシコの旗 メキシコ
11 2010年7月22日 1R 1:46 TKO マウリシオ・パストラナ  コロンビア
12 2010年9月25日 1R 2:56 KO ウィリー・ビジャヌエバ アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
13 2010年10月28日 6R 判定 3-0 グアダルーペ・デ・レオン アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
14 2011年1月28日 7R 負傷判定 3-0 フェイデル・ビロリア  コロンビア
15 2011年4月15日 6R 判定 3-0 アドルフォ・ランデロス メキシコの旗 メキシコ
16 2011年6月17日 4R 2:42 KO アントニオ・メザ メキシコの旗 メキシコ
17 2011年7月23日 8R 判定 3-0 エリック・エストラーダ アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
18 2011年9月3日 8R 判定 3-0 レオニロ・ミランダ メキシコの旗 メキシコ
19 2011年11月26日 1R 2:12 KO エリベルト・ルイス メキシコの旗 メキシコ
20 2012年6月30日 3R 1:41 TKO クリストファー・ペレス メキシコの旗 メキシコ
21 2012年11月9日 3R 1:25 KO ロベルト・カスタネダ メキシコの旗 メキシコ
22 2013年3月2日 10R 判定 3-0 ビャチェスラフ・グセフ ロシアの旗 ロシア
23 2013年8月9日 10R 判定 3-0 ファン・ルイス アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
24 2014年1月30日 4R 1:04 KO ホセ・タマヨ・ゴンザレス メキシコの旗 メキシコ
25 2014年6月21日 12R 判定 0-2 ワシル・ロマチェンコ  ウクライナ WBO世界フェザー級王座決定戦
26 2014年12月20日 10R 判定 3-0 クリストファー・マーティン アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
27 2015年3月28日 4R 0:37 TKO ジョニー・ゴンサレス メキシコの旗 メキシコ WBC世界フェザー級タイトルマッチ
28 2016年4月16日 2R 1:33 TKO パトリック・ハイランド アイルランドの旗 アイルランド WBC防衛1
29 2017年5月20日 7R 0:59 TKO オスカル・エスカンドン  コロンビア WBC防衛2
30 2018年5月19日 12R 判定 3-0 ジョセフ・ディアス アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 WBC防衛3
31 2019年5月18日 5R 2:52 TKO キコ・マルチネス スペインの旗 スペイン WBC防衛4
32 2020年2月8日 12R 判定 3-0 ツグスソグ・ニヤンバヤル モンゴルの旗 モンゴル WBC防衛5
33 2022年1月22日 12R 判定 0-2 マーク・マグサヨ フィリピンの旗 フィリピン WBC陥落
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獲得タイトル

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脚注

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  1. ^ 9.Junior Olympic International Tournament Brownsville, USA July 5-8, 2004”. Amateur.Boxing.Strefa.pl. 2013年12月1日閲覧。
  2. ^ US National Championships - Colorado Springs - March 13-19th 2005”. Amateur.Boxing.Strefa.pl. 2013年12月1日閲覧。
  3. ^ US National Golden Gloves - Little Rock - May 16-21 2005”. Amateur.Boxing.Strefa.pl. 2013年12月1日閲覧。
  4. ^ 13.World Championships Mianyang, China November 13-20, 2005”. Amateur.Boxing.Strefa.pl. 2013年12月1日閲覧。
  5. ^ US National Championships - Colorado Springs - March 6-11th 2006”. Amateur.Boxing.Strefa.pl. 2013年12月1日閲覧。
  6. ^ US National Championships - Colorado Springs - June 2-8 2007”. Amateur.Boxing.Strefa.pl. 2013年12月1日閲覧。
  7. ^ US Olympic Trials - Houston - August 20-26 2007”. Amateur.Boxing.Strefa.pl. 2013年12月1日閲覧。
  8. ^ 14.World Championships - Chicago, USA - October 23 - November 3 2007”. Amateur.Boxing.Strefa.pl. 2013年12月1日閲覧。
  9. ^ ロマチェンコ3戦目で世界奪取、センサクに並ぶ Boxing News(ボクシングニュース) 2014年6月22日
  10. ^ ラッセルJrが新王者に、ジョニゴン完敗で王座陥落 Boxing News(ボクシングニュース) 2015年3月29日
  11. ^ RATINGS WBC公式サイト 2015年4月4日
  12. ^ WBCランキング、荒川仁人がワタナベジムに移籍 Boxing News(ボクシングニュース) 2015年4月5日
  13. ^ Castellanos Named as Mandatory To Gary Russell”. Boxing Scene.com (2015年4月8日). 2015年4月13日閲覧。
  14. ^ Gary Russell Jr.-Oscar Escandon bout canceled”. ESPN.com (2015年11月4日). 2015年11月19日閲覧。
  15. ^ Russell demolishes Hyland in two; Pedraza retains IBF 130lb belt against Smith Fightnews.com 2016年4月17日
  16. ^ ラッセルJrがWBCフェザー級初防衛、ペドラサはV2 Boxing News(ボクシングニュース) 2016年4月17日
  17. ^ Gary Russell WBC title defense postponed Fightnews.com 2017年2月28日
  18. ^ パッキャオvsカーンの行方、WBOミドル級は暫定戦 Boxing News(ボクシングニュース) 2017年3月2日
  19. ^ Russell retains WBC feather belt, Dirrell claims IBF interim super middle belt via DQ Fightnews.com 2017年5月20日
  20. ^ ラッセル7回TKO勝ち、ロマチェンコを追跡 Boxing News(ボクシングニュース) 2017年5月21日
  21. ^ RATINGS WBC公式サイト 2017年6月8日
  22. ^ WBCランキング、比嘉が優秀選手、村田は再ランク Boxing News(ボクシングニュース) 2017年6月10日
  23. ^ Everything you need to know about the status of WBC world titles”. ESPN.com (2017年10月6日). 2017年10月30日閲覧。
  24. ^ Russell beats Diaz to retain WBC 126lb belt Fightnews.com 2018年5月19日
  25. ^ Gary Russell Stops Kiko Martinez in Five Due To Cut”. Boxing Scene.com (2019年5月18日). 2019年7月27日閲覧。
  26. ^ Despite layoff, Gary Russell Jr. easily defeats Tugstsogt Nyambayar”. espn.com (9 February 2020). 18 January 2022閲覧。
  27. ^ Mark Magsayo Shocks Gary Russell Jr. With Majority Decision, Wins WBC Title”. Boxing Scene.com. 2022年1月23日閲覧。
  28. ^ Gary Russell Sr., Patriarch And Trainer Of Successful Boxing Family, Dies At 63”. Boxing Scene.com (2022年5月24日). 2022年6月14日閲覧。

関連項目

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外部リンク

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前王者
ジョニー・ゴンサレス
WBC世界フェザー級王者

2015年3月28日 - 2022年1月23日

次王者
マーク・マグサヨ