コガネキクバナイグチ
コガネキクバナイグチ | ||||||||||||||||||||||||
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分類 | ||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||
Boletellus aurocontextus Hirot. Sato [1][2] | ||||||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||||||
コガネキクバナイグチ |
コガネキクバナイグチ(黄金菊花猪口[2]、学名: Boletellus aurocontextus)はコナラ・アカマツ林に生えるイグチ科キクバナイグチ属の中型のキノコ。赤褐色の鱗片に被われた傘の表皮が、縁を回り込んで裏側を包む形態をしているのが特徴。和名の「コガネ」は肉の色が黄色いことに由来し、空気に触れると青変性を示す。
分布と生育環境
[編集]菌根菌[2]。夏から秋にかけて、コナラとアカマツが混じる林の地上に発生する[2]。
特徴
[編集]子実体は傘と柄からなり、傘の直径は6 - 12センチメートル (cm) [1]。上面はひび割れて黄色地の肉が露出し、赤茶色から赤紫色の細かい鱗片が目立つ[1][2]。傘の下面は、若いうちは傘上面から続く表皮で完全に覆われていて、のちに管孔を守っていた表皮が周囲に垂れ下がる[2]。管孔は最大15ミリメートル (mm) で、鮮やかな黄色をしている[1][2]。孔口は最大1 mmで管孔と同色[1]。
柄は長さ6 - 16 cm、太さ8 - 16 mm、全体的にはワイン赤色から赤紫色で、上部は縦筋があり、しばしば頂部は黄色を呈することがあり、基部は赤紫色をしている[1][2]。肉は薄黄色で、傘や柄を傷つけると、著しく青変性を示す[1][2]。担子胞子は長楕円形で、大きさ18.5 - 24.5 × 7.5 - 10マイクロメートル (μm) [1]。
かつてはシイ・カシ林に発生するキクバナイグチ(Baletellus empdensis)と混同されたが[注 1]、傘の表面には濃ワイン赤色から黒褐色の大きな鱗片が粗くつき、肉が白色である点で違いが見られる[3][4][2]。同じく混同されていたヒビワレキクバナイグチ(Baletellus areolatus)も、形態的にはコガネキクバナイグチとよく似るが、肉色が白色で、傘の鱗片が薄く、成長段階において黄褐色に退色する点が異なる[1]。またかつてキクバナイグチ属とされ、本種と似たような場所に生えるセイタカイグチ(Aureoboletus russellii)は、傘の表面が枯草色から淡黄土色で、管孔がはじめ黄色であるが後に褐色となり、柄が長く赤茶色で上から下まで白い縦長の網目模様が見られ、肉が空気に触れても青変しない[5][2]。
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 2015年に、DNA鑑定を基にキクバナイグチ、ヒビワレキクバナイグチ、コガネキクバナイグチの3種に再分類された[1]。
出典
[編集]参考文献
[編集]- 秋山弘之『知りたい会いたい 色と形ですぐわかる 身近なキノコ図鑑』家の光協会、2024年9月20日。ISBN 978-4-259-56812-2。
- 前川二太郎 編著『新分類 キノコ図鑑:スタンダード版』北隆館、2021年7月10日。ISBN 978-4-8326-0747-7。
- 今関六也・大谷吉雄・本郷次雄 編著『日本のきのこ』(増補改訂新版)山と渓谷社〈山渓カラー名鑑〉、2011年12月25日。ISBN 978-4-635-09044-5。