コガリムアビア348便火災事故
事故機の焼け落ちた尾部 | |
事故の概要 | |
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日付 | 2011年1月1日 |
概要 | 電機系統の問題による火災 |
現場 |
ロシア・スルグト国際空港 北緯61度20分30秒 東経73度24分10秒 / 北緯61.34167度 東経73.40278度座標: 北緯61度20分30秒 東経73度24分10秒 / 北緯61.34167度 東経73.40278度 |
乗客数 | 116[1] |
乗員数 | 18 (デットヘッド10人)[1] |
負傷者数 | 43[2] |
死者数 | 3[3][4] |
生存者数 | 131 |
機種 | ツポレフ Tu-154B-2 |
運用者 | コガリムアビア |
機体記号 | RA-85588 |
出発地 | スルグト国際空港 |
目的地 | ドモジェドヴォ空港 |
コガリムアビア348便火災事故は2011年1月1日にスルグト国際空港発ドモジェドヴォ空港行のコガリムアビア348便(Tu-154-B2)がスルグト空港でタキシング中に火災が発生した事故である。
3人の死者と43人の負傷者を出し、負傷者のうち4人は重傷を負った[3][5]。
事故機
[編集]事故機のTu-154B-2(RA-85588)[6]は、製造番号 83A/588として製造された。1983年にアエロフロートがCCCP-85588として運用を開始し、1993年6月に機体記号がRA-85588へ変更された。その後、2007年4月からコガリムアビアが運用を開始した[7]。
事故の経緯
[編集]348便は、乗員8人、乗客116人、デットヘッド職員10人を乗せていた[1] 。現地時間13時12分(UTC8時12分)、348便がスルグト空港で離陸のためにタキシングしていた際に、1基のエンジンで火災が発生したため、避難が開始された[1][2][5][6]。当初は、火災が発生して緊急着陸が行われたと報じられた。火傷や煙の影響で3人が死亡し[3][4]、43人が負傷した[2][6]。火災は13時45分に消火されたが、機体は完全に焼け落ちた[1][8]。乗客の中には、ロシアのポップグループのNa Naのメンバーがいた[2]。
事故原因
[編集]ロシアのMAKが事故の調査を開始した[1][9]。犯罪捜査と火災安全規則違反の調査が開始された。フライトデータレコーダーとコックピットボイスレコーダーは残骸から回収された[10]。ロシア非常事態省は、初期の調査で胴体の中央部にから電気的短絡により出火した可能性があると述べた[3][11]。火災はフレーム65とフレーム68の間で発生したとみられた。1月4日に発表された声明では、火災の原因からエンジンと補助動力装置を除外したと述べた[1]。
2011年9月28日、MAKは最終報告書を発表し、事故原因を以下のように述べた[12]。
「機内のフレーム62と64の間に位置する右発電機パネルからの火災発生であった。発電機への接続が正しく行われておらず、通常の10倍から20倍を超える電流が流れたことにより出火したと見られる[13]。」
事故後
[編集]事故後、ロシアの連邦運輸監督局は、事故原因が明らかにされるまでTu-154Bの運航を取り止めるよう航空会社に勧告した[10]。Tu-154M以外の同型機14機が運航停止になった。コガリムアビアは、事故に巻き込まれた乗客に2万ドルを支払うと声明を発表した。また、ロシアの保険会社Sogazは、負傷者に2万~200万ドルを支払うと述べた。犠牲者遺族には200万ドルが支払われた。1月6日には、3人全員の遺体が残骸から回収されたと報告された[1]。
また、この事故後、コガリムアビアはブランド名をメトロジェットへ変更したが、2015年10月31日にメトロジェット9268便が爆破され、224人の死者を出した。これにより、コガリムアビアはブランド名を変更してから、僅か5年ほどで倒産した。
脚注
[編集]- ^ a b c d e f g h Hradecky, Simon. “Accident: Kolavia T154 at Surgut on Jan 1st 2011, engine fire”. Aviation Herald. 1 January 2011閲覧。
- ^ a b c d “Russia pop group Na-Na describe plane fire 'panic'”. BBC News. (1 January 2011) 1 January 2011閲覧。
- ^ a b c d Technical failure likely cause of Surgut plane explosion – investigation, RIAN, 3 January 2011
- ^ a b Death toll in plane explosion in Siberia reaches three (Update 5), RIAN, 1 January 2011
- ^ a b At least three die, over 40 receive injuries as jet in Siberia goes on fire (Wrapup), RIAN, 1 January 2011
- ^ a b c “Fatal fire destroys Kolavia Tu-154 at Surgut”. Flight International. 1 January 2010閲覧。
- ^ “RA-85888 Accident description”. Aviation Safety Network. 1 January 2010閲覧。
- ^ “Three dead in plane explosion in Siberia”. Sky News. (1 January 2011) 1 January 2011閲覧。[リンク切れ]
- ^ “Ту-154Б RA-85588 1 January 2011” (Russian). Межгосударственный авиационный комитет. 1 January 2011閲覧。[リンク切れ]
- ^ a b “Russia grounds all Tu-154Bs after fatal fire”. BBC News. (2 January 2011) 2 January 2011閲覧。
- ^ Kaminski-Morrow, David. “Tu-154 fire sparked by electrical short-circuit: ministry”. Flight International. 2 January 2011閲覧。
- ^ https://reports.aviation-safety.net/2011/20110101-0_T154_RA-85588.pdf 航空事故報告書 (PDF)
- ^ Авиационное происшествие с человеческими жертвами (катастрофа) с самолетом Ту-154Б-2 RA-85588 произошло в результате возникновения пожара в правой панели генераторов, расположенной между шпангоутами 62…64 в салоне самолета. Причиной возникновения пожара на борту самолета Ту-154-Б2 RA-85588 явилось возникновение электрической дуги, наиболее вероятно, из-за нештатного несинхронизированного включения двух генераторов ГТ40ПЧ6-2С на параллельную работу при их включении на сети после запуска двигателей и выхода на режим малого газа, приведшее к протеканию уравнительных токов, достигающих 10…12 – кратной величины номинального тока генератора.