コバナノコウモリソウ
コバナノコウモリソウ | |||||||||||||||||||||||||||||||||
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山形県鳥海山麓
千蛇谷 2012年8月下旬 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
分類(APG IV) | |||||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
Parasenecio chokaiensis (Kudô) Kadota[1] | |||||||||||||||||||||||||||||||||
シノニム | |||||||||||||||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
コバナノコウモリソウ(小花蝙蝠草)[2] |
コバナノコウモリソウ(小花蝙蝠草、学名:Parasenecio chokaiensis)は、キク科コウモリソウ属の多年草。日本国内ではもっとも高所に生育するコウモリソウ属の1種。別名、チョウカイコウモリ[2]。
特徴
[編集]根茎は短く、横走する。茎は直立し、高さは60-150cmになる。茎の中部につく葉は草質で、葉身は扁三角形状腎形で円みがあって5浅裂し、長さ6-11cm、幅9-18cmになり、各裂片の先端は短くとがり、基部は心形になり、縁は粗い欠刻状の鋸歯となることが多い。各裂片は、ヨブスマソウ、ハヤチネコウモリ、コウモリソウのように尾状に伸びることはない。葉柄は長さ3.5-8cmになり、翼があってその基部は半ば茎を抱き、「耳」とよばれる小型の葉鞘をつくるが、葉鞘は円筒形にはならない。翼がなく、茎を抱かないときもある[2]。
花期は8-9月。頭状花序は総状または円錐状に多数つき、すべて両性の筒状花からなり、頭花の花柄は長さ3-25mmになる。総苞は筒型で長さ9-10mm、総苞片は1列で7-8個ある。1頭花は8-13個の筒状花で構成されており、花冠の長さは7mmで、色は黄白色をしている。果実は円柱形で長さ4-5mmになる痩果で、長軸方向の稜が目立ち、毛は無い。冠毛は白色で、長さ5-8mmになる[2]。
分布と生育環境
[編集]日本固有種[6]。本州の東北地方の日本海側山地(鳥海山、和賀山地、月山、朝日山地、飯豊山地)に分布し、落葉広葉樹林の林内や亜高山帯の灌木林の縁に生育する[2]。
名前の由来
[編集]種小名(種形容語)chokaiensis は、「鳥海山の」の意味[7]。命名者の工藤祐舜が1904年8月に鳥海山麓で採集したものがタイプ標本となっている[1][8][9]。
和名コバナノコウモリソウは、工藤祐舜による命名で[8]、「小花蝙蝠草」のことであるが、『改訂新版 日本の野生植物 5』のコウモリソウ属の執筆者である門田裕一は「〈小花蝙蝠草〉だが、どの種と比較して頭花が小さいかは不明である」としている[2]。
ギャラリー
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葉身の縁は粗い欠刻状の鋸歯となることが多い。
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葉柄に狭い翼があり、その基部は半ば茎を抱く。
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頭花。
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花がつぼみの状況。7月下旬。
脚注
[編集]- ^ a b コバナノコウモリソウ 「BG Plants 和名-学名インデックス」(YList)
- ^ a b c d e f g 『改訂新版 日本の野生植物 5』pp.301-307
- ^ 門田裕一:秋田県産コウモリソウ属(キク科)の一新種,オガコウモリ/Parasenecio chokaiensis (Kudô) Kadota, comb. nov., The Journal of Japanese Botany, 『植物研究雑誌』Vol.80, No.4, pp.217-218, (2005).
- ^ コバナノコウモリソウ(シノニム) 「BG Plants 和名-学名インデックス」(YList)
- ^ コバナノコウモリソウ(シノニム) 「BG Plants 和名?学名インデックス」(YList)
- ^ 『日本の固有植物』p.144
- ^ 『新分類 牧野日本植物図鑑』p.1488
- ^ a b 工藤祐舜「De Speciebus Cacaliae Boreali-Japonicis. Cacalia chokaensis」『植物学雑誌』第29巻第346号、日本植物学会、1915年、en222-en229(p.227)、doi:10.15281/jplantres1887.29.346_222。
- ^ 北村四郎「本邦産カウモリサウ属の分類及び分布」『植物分類,地理』第7巻第4号、日本植物分類学会、1938年、236-251頁、doi:10.18942/bunruichiri.KJ00002594513、ISSN 0001-6799、NAID 110003762120。
参考文献
[編集]- 加藤雅啓・海老原淳編著『日本の固有植物』、2011年、東海大学出版会
- 牧野富太郎原著、邑田仁・米倉浩司編集『新分類 牧野日本植物図鑑』、2017年、北隆館
- 大橋広好・門田裕一・木原浩他編『改訂新版 日本の野生植物 5』、2017年、平凡社
- 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名-学名インデックス」(YList)
- 工藤祐舜「De Speciebus Cacaliae Boreali-Japonicis. Cacalia chokaensis」『植物学雑誌』第29巻第346号、日本植物学会、1915年、en222-en229(p.227)、doi:10.15281/jplantres1887.29.346_222。
- 北村四郎「本邦産カウモリサウ属の分類及び分布」『植物分類,地理』第7巻第4号、日本植物分類学会、1938年、236-251頁、doi:10.18942/bunruichiri.KJ00002594513、ISSN 0001-6799、NAID 110003762120。
- 門田裕一:秋田県産コウモリソウ属(キク科)の一新種,オガコウモリ/Parasenecio chokaiensis (Kudô) Kadota, comb. nov., The Journal of Japanese Botany, 『植物研究雑誌』Vol.80, No.4, pp.217-218, (2005).