コーンウォリスステークス
この記事は「新馬齢表記」で統一されています。 |
コーンウォリスステークス Cornwallis Stakes[1] | |
---|---|
開催国 | イギリス |
競馬場 |
ニューマーケット競馬場 ロウリーマイルコース |
創設 | 1946年 |
2014年の情報 | |
距離 | 芝5ハロン(約1006メートル)[2] |
格付け | G3[2] |
賞金 | 賞金総額50,000ポンド[2] |
出走条件 | 2歳[2] |
負担重量 |
9ストーン(約57.15kg)[2] ※G1・G2勝馬は5ポンド(約2.26Kg)を加増。 ※G3勝馬は3ポンド(約1.36Kg)を加増。 牝馬は3ポンドを減量。 |
コーンウォリスステークス(Cornwallis Stakes)は、イギリスの平地競馬の終盤に行われる2歳馬の短距離重賞である。
もともとはアスコット競馬場で行われてきたが、2011年から始まったイギリスの秋の競馬スケジュールの大改革によって、2014年からはニューマーケット競馬場で「フューチャー・チャンピオンズデー」の一環として行われることになった[3][4]。
歴史
[編集]コーンウォリスステークスは、1946年の秋にアスコット競馬場で始まった[4]。
創設して間もない頃は、何度か距離の変更が行われた。当初2年間(1946年・1947年)は6ハロン(約1207メートル)、1948年から1956年は8ハロン(=1マイル≒1609メートル)で施行し、1957年からは5ハロン(約1006メートル)に短縮され、以後2014年までは5ハロンのスプリント戦となっている[4][5][6][7]。
1971年にグループ制が導入されると、コーンウォリスステークスはG3に格付けされ、それ以来G3を維持している[4][7]。
1950年代から1960年代の勝馬には、シングシング(Sing Sing)やデリングドゥ(Derring-Do)、ディープダイバー(Deep Diver)といった名短距離馬が名を残している。
日本との関連では1967年の優勝馬ソーブレスド、1969年の勝馬ハンターコム、1971年の勝馬ディープダイバー、1984年のデュラブが種牡馬として輸入され、ソーブレスド、ハンターコム、デュラブは成功した。また、1970年の勝馬コウストンズプライド(en:Cawston's Pride)は牝馬で、その産駒コウストンズクラウンは種牡馬として日本に輸入された。
フューチャー・チャンピオンズデー
[編集]ニューマーケット競馬場で10月に行われるチャンピオンステークスは、長い間イギリス競馬のシーズン最後を締めくくる大競走として一流馬を集めてきた[8][9]。
ところが、1950年代から1960年代にかけて、10月初旬にフランスで行われる凱旋門賞が高額賞金で一流の中長距離馬を集めることに成功し、ヨーロッパの秋競馬の最大の呼び物競走として定着した。さらに、新興の高額賞金競走としてアメリカのブリーダーズカップ(11月上旬)や日本のジャパンカップ(11月下旬)が行われるようになり、10月中下旬のチャンピオンステークスには一流馬が集まりにくくなってきた[8][9][10]。
ニューマーケット競馬場では、チャンピオンステークスの価値を守るために開催当日を「チャンピオンズデー」と称して様々なイベントを催してきたが、抜本的な解決に至らず、ついにイギリス競馬界全体として対策を講じることになった。その結果、チャンピオンステークスはアスコット競馬場に移し、アメリカのブリーダーズカップのように1日で短距離から長距離までの様々なカテゴリーの大競走をまとめて行う「ブリティッシュ・チャンピオンズデー」を創設することになった。フランス競馬界とも協調し、アメリカやアジアへ一流馬が転戦しないようにヨーロッパ全体の秋のスケジュールの調整も行うようになった[8][9][11]。
ニューマーケット競馬場は、100年以上の伝統があった目玉競走を放出したことになったが、その埋め合わせとして、イギリスの主要な2歳戦をまとめて1日で行う「フューチャー・チャンピオンズデー」が新たに創設された。それまで異なる時期に行われてきたミドルパークステークス(G1・6f)、デューハーストステークス(G1・7f)、フィリーズマイル(G1・牝馬・8f)の3つのG1をはじめ、多くの2歳重賞がまとめて行われることになった[8][10][12][9]。
この改革は2011年に始まり、開催日や行うレースは、2014年の時点ではまだ固定化に至っておらず、毎年入れ替えや時期の変更が行われている。当初、フューチャー・チャンピオンズデーは10月下旬に行われたが、2014年は10月中旬のチャンピオンズデーの前日に行われた[8][10][13]。
コーンウォリスステークスはこの一環として、2014年に「フューチャー・チャンピオンズデー」に組み込まれることになり、アスコット競馬場からニューマーケット競馬場へ移動した[4]。
2014年の「フューチャー・チャンピオンズデー」の開催レースは以下のようになっている[3]。
- コーンウォリスステークス 2歳 5f G3
- ミドルパークステークス 2歳 6f G1
- フィリーズマイル 2歳牝馬 8f G1
- デューハーストステークス 2歳 7f G1
- チャレンジステークス 3歳上 7f G2
- ダーレーステークス 3歳上牝馬 9f G3
歴代勝馬
[編集]1946年~1947年(6ハロン)
[編集]- *印は日本輸入馬。
- 1946: Golden Hackle
- 1947: Straight Play
1948年~1956年(8ハロン)
[編集]- *印は日本輸入馬。
- 1948: Burnt Brown
- 1949: Stella Polaris
- 1950: Par Avion
- 1951: Sir Phoenix
- 1952: Prince Canarina
- 1953: Plainsong
- 1954: Lark
- 1955: Roman Conquest
- 1956: Star Magic[† 1]
1957年~2013年(5ハロン)
[編集]- *印は日本輸入馬。
- 1957: Abelia
- 1958: Rosalba
- 1959: Sing Sing
- 1960: Favorita[‡ 1]
- 1961: Prince Tor
- 1962: Fair Astronomer
- 1963: Derring-Do[‡ 2]
- 1964: Spaniard's Mount
- 1965: Tin King
- 1966: Green Park
- 1967: *ソーブレスド
- 1968: 開催なし
- 1969: *ハンターコム
- 1970: Cawston's Pride
- 1971: *ディープダイバー
- 1972: The Go-Between
- 1973: Splashing
- 1974: Paris Review
- 1975: Western Jewel
- 1995: Mubhij
- 1996: Easycall
- 1997: Halmahera
- 1998: Show Me the Money
- 1999: Kier Park
- 2000: Danehurs[‡ 5]
- 2001: Dominica
- 2002: Peace Offering
- 2003: Majestic Missile
- 2004: Castelletto[‡ 6]
- 2005: Hunter Street[‡ 7]
- 2006: Alzerra
- 2007: Captain Gerrard
- 2008: Amour Propre
- 2009: Our Jonathan
- 2010: Electric Waves
- 2011: Ponty Acclaim
- 2012: Bungle Inthejungle
- 2013: Hot Streak
- ^ 1960年はケンプトン競馬場で開催。
- ^ 1963年はケンプトン競馬場で開催。
- ^ 1987年は走路冠水のため中止。
- ^ 1993年は走路冠水のため中止。
- ^ 2000年はニューベリー競馬場で開催。
- ^ 2004年はニューマーケット競馬場で開催。
- ^ 2005年はソールズベリー競馬場で開催。
2014年~(ニューマーケット)
[編集]- 2014: Royal Razalma
- 2015: Quiet Reflection[14]
- 2016: Mrs Danvers[15]
- 2017: Abel Handy
- 2018: Sergei Prokofiev
- 2019: Good Vibes
- 2020: Winter Power
- 2021: Twilight Jet
- 2022: Rumstar
- 2023: Inquisitively[16]
- 2024: Coto De Caza
脚注
[編集]参考文献
[編集]- 国際競馬統括機関連盟(IFHA)
- 2014 Dubai Cornwallis S. 2014年11月19日閲覧。
- 2014 Dubai Cornwallis S. 2014年11月19日閲覧。
- 2013 Bmw Cornwallis Stakes 2014年11月19日閲覧。
- 2005 THE totesport CORNWALLIS STAKES 2014年11月19日閲覧。
- International Cataloguing Standards Book 2014 2014年11月19日閲覧。
- Gallop-Sieger コーンウォリスステークス各回結果 2014年11月19日閲覧。
- FRIXO コーンウォリスステークス 2014年11月19日閲覧。
- horse-racing.co.uk Cornwallis Stakes History 2014年11月19日閲覧。
- BettingDirectory Cornwallis Stakes Betting 2014年11月19日閲覧。
- 『競馬 サラブレッドの生産および英国競馬小史』デニス・クレイグ著、マイルズ・ネーピア改訂、佐藤正人訳、中央競馬ピーアールセンター刊、1986
注釈
[編集]出典
[編集]- ^ International Cataloguing Standards Book 2014 2014年11月19日閲覧。
- ^ a b c d e f IFHA 2014 Dubai Cornwallis S. 2014年11月19日閲覧。
- ^ a b Great Britain and Irish Racing Three Group One Races Highlight Dubai Future Champions Day On Friday 2014年11月19日閲覧。
- ^ a b c d e FRIXO コーンウォリスステークス 2014年11月19日閲覧。
- ^ horse-racing.co.uk Cornwallis Stakes History 2014年11月19日閲覧。
- ^ BettingDirectory Cornwallis Stakes Betting 2014年11月19日閲覧。
- ^ a b Gallop-Sieger コーンウォリスステークス各回結果 2014年11月19日閲覧。
- ^ a b c d e JAIRS(公益財団法人 ジャパンスタッドブックインターナショナル) 2011年11月18日付 英国チャンピオンズデー、世界中の高額競馬イベントをライバル視 2014年11月19日閲覧。
- ^ a b c d レーシングポスト Why Future Champions Day has no future 2014年4月30日閲覧。
- ^ a b c JAIRS(公益財団法人 ジャパンスタッドブックインターナショナル) 2013年11月07日付 2014年競馬開催日程の概要が発表され、聖金曜日の開催も決定 2014年11月19日閲覧。
- ^ JAIRS(公益財団法人 ジャパンスタッドブックインターナショナル) 2008年10月30日付 凱旋門賞開催で問われた国際ルールの協調 2014年11月19日閲覧。
- ^ JAIRS(公益財団法人 ジャパンスタッドブックインターナショナル) 2013年02月07日付 競馬変革プロジェクト、役割の変更に伴い名称変更 2014年11月19日閲覧。
- ^ JAIRS(公益財団法人 ジャパンスタッドブックインターナショナル) 2014年10月30日付 英国チャンピオンズデー、大雨のために大半の有力馬が不在 2014年11月19日閲覧。
- ^ 2015年コーンウォリスステークス レーシングポスト、2015年10月13日閲覧
- ^ 2016年コーンウォリスステークス レーシングポスト、2016年10月8日閲覧
- ^ 2023年コーンウォリスステークスレーシングポスト、2023年10月14日閲覧
関連項目
[編集]- イギリス・2歳主要5ハロン戦
- ブロックレスビーステークス - シーズン最初の2歳戦。3月に行なわれる。
- ノーフォークステークス - 6月のロイヤルアスコット開催で行うG2戦。
- モールコームステークス - 夏のG3戦。
- フライングチルダーズステークス - 秋のセントレジャーステークス当日に行われるG2戦。
- ウェザビースーパースプリント - 2歳戦としてはデューハーストステークスに次ぐ賞金25万ポンドのスプリント戦。ミドルパークステークスやフューチュリティトロフィーよりも高賞金である。公開セリで売買された2歳馬にしか出走資格が無いためグループ制上はノングレードとなっている。
- ナンソープステークス - 2歳上のG1戦。