ゴンベ科
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ゴンベ科 | |||||||||||||||||||||||||||
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ヒメゴンベ Cirrhitichthys oxycephalus
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分類 | |||||||||||||||||||||||||||
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英名 | |||||||||||||||||||||||||||
Hawkfishes | |||||||||||||||||||||||||||
下位分類 | |||||||||||||||||||||||||||
本文参照
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ゴンベ科(学名:Cirrhitidae)は、スズキ目スズキ亜目に所属する魚類の分類群(科)の一つ。オキゴンベ・クダゴンベなど、主に熱帯域に生息する海水魚のみ12属33種が含まれる[1]。
分布・生態
[編集]ゴンベ科の仲間はすべて海水魚で、太平洋・インド洋・大西洋の熱帯域に生息し、特にインド太平洋が分布の中心となっている[1]。浅い海のサンゴ礁・岩礁で暮らす底生魚で、肥厚した大きな胸鰭を使ってサンゴや海綿の上に静止している姿がしばしば観察される[2]。鮮やかな色彩をもち、アクアリウム環境にもよく慣れるため、観賞魚として知られる種が多い[3]。日本近海からは、南日本の太平洋岸を中心に8属14種が報告されている[4]。
食性は肉食性で、小型甲殻類や他の魚類を捕食するなど、生態上の特徴はフサカサゴ科(カサゴ目)の仲間と似通った部分が多い[1]。
雌性先熟型の雌雄同体で、ほとんどの個体は最初に雌として性成熟し、後に雄へと性転換する[3]。大型の雄が複数の雌とハーレムを形成する種もある[2]。繁殖行動は水面近くで行われ、浮性卵が放出される[3]。
形態
[編集]ほとんどの仲間は小型で、体色の鮮やかな種が多いが、最大種では55cmに達する[1]。浮き袋をもたない[1]。
背鰭は1つで、10本の棘条と11-17本の軟条で構成される[1]。胸鰭は大きく、鰭条は14本で、下位の5-7本は分枝せず鰭膜に切れ込みをもつ[1]。臀鰭は3棘5-7軟条[1]。鱗は円鱗または櫛鱗で、椎骨は26個[1]。
分類
[編集]ゴンベ科にはNelson(2016)の体系において、12属33種が認められている[1]。
- イソゴンベ属 Cirrhitus
- イソゴンベ Cirrhitus pinnulatus
- Cirrhitus albopunctatus
- Cirrhitus atlanticus
- Cirrhitus rivulatus
- ウイゴンベ属 Cyprinocirrhites
- ウイゴンベ Cyprinocirrhites polyactis
- オキゴンベ属 Cirrhitichthys
- クダゴンベ属 Oxycirrhites
- クロホシゴンベ属 Amblycirrhitus
- スミツキゴンベ属 Cirrhitops
- スミツキゴンベ Cirrhitops hubbardi
- Cirrhitops fasciatus
- Cirrhitops mascarenensis
- ベニゴンベ属 Neocirrhites
- ベニゴンベ Neocirrhites armatus
- ホシゴンベ属 Paracirrhites
- Cristacirrhitus 属
- Cristacirrhitus punctatus
- Isocirrhitus 属
- Isocirrhitus sexfasciatus
- Itycirrhitus 属
- Itycirrhitus wilhelmi
- Notocirrhitus 属
- Notocirrhitus splendens
出典・脚注
[編集]参考文献
[編集]- Joseph S. Nelson, Terry C. Grande, Mark V.H. Wilson 『Fishes of the World Fifth Edition』 John Wiley & Sons, Inc. 2016年 ISBN 978-1-118-34233-6
- 岡村収・尼岡邦夫監修 『日本の海水魚』 山と溪谷社 1997年 ISBN 4-635-09027-2
- 中坊徹次編 『日本産魚類検索 全種の同定 第三版』 東海大学出版会 2013年 ISBN 978-4-486-01804-9
外部リンク
[編集]- FishBase - ゴンベ科 (英語)