ゴードン&マクファイル
ゴードン&マクファイル(Gordon & MacPhail)社は、スコットランド北東部のエルギンにある1895年創業のスコッチ・ウイスキーのインディペンデント・ボトラー兼蒸溜所。アークハート家が所有する家族経営企業である。2023年6月にフォーブス誌に掲載された記事では、同社は原酒を調達する 「独立系ボトラー」であり、「業界屈指の名門インディペンデント・ボトラー」と評されている[1]。
インディペンデント・ボトラー
[編集]ゴードン&マクファイル社は115年以上にわたってシングルモルト・ウイスキーをボトリングしており、現在では約70の蒸溜所から350種類以上のウイスキーをボトリングしている[2]。2023年7月、ゴードン&マクファイル社は2024年から新樽の充填を中止し、自社蒸溜所により注力すると発表した[3]。
世界最高熟成ウィスキー
[編集]2010年3月11日、ゴードン&マクファイル社は、世界最古の瓶詰めシングルモルト・ウイスキーである「モートラック70年 スペイサイド・シングルモルト・スコッチウイスキー」を発売し、歴史に名を刻んだ[4][5]。
2011年3月8日、ゴードン&マクファイル社は「ジェネレーションズ」シリーズの第2弾として「グレンリベット1940 70年」を発売した[6]。
2012年9月20日、ゴードン&マクファイル社は「ジェネレーションズ グレンリベット1940 70年」(リリース2)をリリースした。カスク339からリリースされたこの第2弾、そして最後のリリースは世界中の関心を集め[7]、アルバ・ウイスキー社を通じてオーストラリアにまで流通している[8]。
2021年、同社は記録を更新する新しいウイスキー、「グレンリベット・ジェネレーションズ80年」をリリースした[9]
直営店
[編集]2022年後半の時点で、ゴードン&マクファイルの主要小売店はエルジンのサウス・ストリートにあり、1895年5月からその場所にあった。当時、店舗は4つのセクションに分かれていた。デリカテッセン、ワイン&スピリッツ部門、食料品部門、そして世界最大級のウイスキー・コレクションを誇るウイスキー・ルームである。2022年12月のニュースによると、間もなく大きな変化が起こる予定だった。サウス・ストリートの店舗は「数百万ポンドを投じて改装」され、「ウイスキー・エクスペリエンス」として観光名所となる[10]予定、なお実際の店舗は近くのセント・ジャイルズ・センターの1号館に移転する。
蒸溜所
[編集]1993年、ゴードン&マクファイル社はフォーレスのベンロマック蒸溜所を買収した。
アワード
[編集]2023年インターナショナル・ウイスキー・コンペティションでは、コニッサーズチョイス「1989モートラック・シングルモルト・スコッチ」が最高賞「ウイスキー・オブ・ザ・イヤー」を受賞。また、「2023年ウイスキー・トップ15」部門では、コニッサーズ・チョイスの「カリラ1997 23年熟成」が第3位となり、「ゴールデン・バレル・トロフィー」も受賞した[11]。
製品
[編集]- DISCOVERY(ディスカバリー)
近年リリースされたシリーズ。「発見」というその名の通り、全シリーズの中でも最もリーズナブルで、G&M社のシングルモルトウイスキーの入門編として位置づけられている。ボトリングされる銘柄は「バーボン」「スモーキー」「シェリー」という、そのウイスキーの核となる味わいを軸にセレクト(必ずしも熟成に使われた樽というわけではない)。ボトルにエッチングされた「味わいのイメージ」と共に、ウイスキーのスタイルが分かりやすい、消費者に優しいデザインを打ち出した[12]。
- CONNOISSEURS CHOICE(コニサーズチョイス)
「全ての蒸留所に独自の個性とストーリーがある」という哲学でリリースされる、G&M社最古のシリーズ。1968年に初めてリリースされ、スコッチウイスキー業界において単一蒸留所という概念を確固たるものにした。このシリーズの発表によって初めて周知された小さな蒸留所も多く、シングルモルトウイスキーを代表する銘柄だと言える[12]。以前はスコットランドの地図を使ったラベルが使用されていた
- DISTILLERY LABEL(蒸留所ラベル)
各蒸留所がG&M社にのみ公認しているラベルを使ったシリーズ。1960年代から続く、同社の核であるシリーズである。オフィシャルラベルでボトラーズがリリースするというのは、ボトラーズが急増した現代においては、かなり難しくなっていることであり、G&M社が蒸留所の信頼を裏切らず、むしろ期待を上回る品質でリリースを続けてきた実績の証だと言える[12]。代表的な銘柄でストラスアイラ、モートラック、リンクウッド、ライオンのイラストの付いたグレンリベット、蒸溜所は秘密の「マクファイルズ」などがある。
- PRIVATE COLLECTION(プライベートコレクション)
著名な蒸留所、あまり知られていない蒸留所、閉鎖された蒸留所から、アーカート・ファミリーのメンバーが特別に選んだ熟成シングルモルトのシリーズ[13]。
- GENERATIONS(ジェネレイションズ)
超高熟成品(1940年蒸溜のグレンリベット等)のG&M社のフラッグシップシリーズ[14]。
その他、以前存在したカスクストレングスシリーズやマクファイルズコレクションシリーズなどは、現在は全てコニッサーズチョイスシリーズに集約されている[12]。
脚注
[編集]- ^ “The World's Best Single Malt Scotch—According To The 2023 International Whisky Competition”. Forbes (17 June 2023). 19 June 2023閲覧。
- ^ “Gordon & MacPhail Official Page”. 30 September 2011閲覧。
- ^ “Independent Bottler Gordon & MacPhail befüllt ab 2024 keine neuen Fässer • CaptainScotch.de” (ドイツ語). CaptainScotch.de (2023年7月24日). 2023年7月24日閲覧。
- ^ “'World's oldest' whisky unveiled in Scotland”. The Independent. (13 March 2010) 30 September 2011閲覧。[リンク切れ]
- ^ “Gordon & MacPhail Generations”. 30 September 2011閲覧。
- ^ “Gordon & MacPhail Generations – Glenlivet”. 30 September 2014閲覧。
- ^ “Gordon & MacPhail Generations – Glenlivet (2nd Release)”. 30 September 2014閲覧。
- ^ “Alba Whisky – Australian Distributor”. 30 September 2014閲覧。
- ^ Micallef, Joseph V (7 September 2021). “The World's Oldest Whisky? Maybe Or Maybe Not”. Forbes 13 March 2022閲覧。
- ^ “Gordon and MacPhail to turn South Street building in Elgin into whisky experience and open High Street shop”. Northern Scot (30 December 2022). 19 June 2023閲覧。
- ^ “2023 International Whisky Competition Official Results”. International Whisky Competition (17 June 2023). 19 June 2023閲覧。
- ^ a b c d “ゴードン&マクファイル”. ジャパン・インポート・システム. 2024年12月29日閲覧。
- ^ “Private Collection”. Gordon & MacPhails. 2024年12月30日閲覧。
- ^ “Generations”. Gordon & MacPhails. 2024年12月30日閲覧。