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サイ・スニード

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
サイスニードから転送)
サイスニード(サイ・スニード)
Cy Sneed
2022年6月7日 京セラドーム大阪
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身地 ネバダ州エルコ郡エルコ
生年月日 (1992-10-01) 1992年10月1日(32歳)
身長
体重
6' 4" =約193 cm
215 lb =約97.5 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 投手
プロ入り 2014年 MLBドラフト3巡目(全体85位)
初出場 MLB / 2019年6月27日
NPB / 2021年5月9日
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

サイ・スニード(本名:サイ・ロバート・スニード〈Cy Robert Sneed〉、1992年10月1日 - )は、アメリカ合衆国ネバダ州エルコ郡エルコ出身のプロ野球選手投手)。右投右打。

NPBでの登録名はファーストネームとファミリーネームを繋げた「サイスニード」。

経歴

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プロ入り前

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2011年MLBドラフト35巡目(全体1074位)でテキサス・レンジャーズから指名されたが、この時は契約せずにダラス・バプティスト大学英語版へ進学した。

プロ入りとブルワーズ傘下時代

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2014年MLBドラフト3巡目(全体85位)でミルウォーキー・ブルワーズから指名され、プロ入り。契約後、傘下のパイオニアリーグのルーキー級ヘレナ・ブルワーズ英語版でプロデビュー。11試合(先発6試合)に登板して0勝2敗1セーブ、防御率5.92、31奪三振を記録した。

2015年はA級ウィスコンシン・ティンバーラトラーズとA+級ブレバード・カウンティ・マナティーズでプレーし、2球団合計で26試合(先発24試合)に登板して6勝11敗1セーブ、防御率2.58、122奪三振を記録した。

アストロズ時代

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2015年11月19日にジョナサン・ビヤーとのトレードで、ヒューストン・アストロズへ移籍した[1]

2016年は傘下のAA級コーパスクリスティ・フックスでプレーし、25試合(先発21試合)に登板して6勝5敗1セーブ、防御率4.04、112奪三振を記録した。

2017年はAA級コーパスクリスティとAAA級フレズノ・グリズリーズでプレーし、2球団合計で26試合(先発18試合)に登板して10勝6敗1セーブ、防御率5.97、95奪三振を記録した。

2018年はAAA級フレズノでプレーし、26試合(先発20試合)に登板して10勝6敗、防御率3.83、114奪三振を記録した。

2019年は開幕をAAA級ラウンドロック・エクスプレス[注 1]で迎え、6月27日にメジャー契約を結んでアクティブ・ロースター入りした[2]。同日のピッツバーグ・パイレーツ戦でメジャーデビュー[3]

2020年は、18試合に登板したものの、オフにFAとなった。

ヤクルト時代

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2021年8月28日 東京ドーム

2020年12月4日、東京ヤクルトスワローズとの契約に合意した[4][5]。推定年俸は8320万円で、背番号は54[5]。登録名はファーストネームとファミリーネームを繋げたサイスニード[6]

2021年5月9日にNPB初登板。4回3失点で降板した[7]。2回目の登板でNPB初勝利を挙げた[8]。最終的に13試合に先発し6勝2敗、防御率3.41とまずまずの成績を残すも[9]、10月13日の試合で下半身の張りにより緊急降板[10]。以降は登板が無く、さらに家庭の事情により日本シリーズ前の11月17日に帰国することとなり[11]、ポストシーズンの登板は叶わなかった。オフに1100万円増の推定年俸9500万円プラス出来高で残留することが発表された[12]

2022年はシーズン初登板こそ荒れるも[13]、4月19日に初勝利を挙げる[14]。そこからは安定して結果を残し続け[15][16][17][18][19]、チームが先発投手の駒不足に悩む中、ローテーションを守り続けチーム最多タイの9勝を挙げた[20]。一方、打たれると止まらず大量失点を喫する場面もあった[21]日本シリーズには2試合に先発登板。オフに、残留することが発表された[22]

2023年6月23日の中日戦でNPB初完投・初完封勝利を記録した[23]。9月5日の巨人戦でNPB第1号となる2点本塁打記録した[24]。最終的に23試合に登板し、7勝8敗、防御率3.67を記録[25]。11月28日に155万ドル(約2億3250万円)で残留することが発表された[26]

2024年は3月29日の中日戦で2018年のデビッド・ブキャナン以来となる外国人選手の開幕投手を務めた[27]。5回2失点とビハインドの展開で降板したが[28]、チームは逆転勝ちしたため勝敗はつかなかった。シーズンでは23試合に先発して2勝8敗と大きく負け越し、来日後ワーストとなる防御率5.03、被打率.303を記録。オフの11月7日に自由契約選手として公示された[29]

選手としての特徴

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2019-20年の投球データ[注 2]
球種 配分 平均球速 運動量 (in)
% mph km/h 水平 鉛直
フォーシーム 69 93 149 01 09
スライダー 13 82 132 06 02
カーブ 10 80 128 05 -9
スプリット 06 80 129 -1 04
カッター 01 91 146 03 06

最速96.3mph (155km/h)・平均93mph (149km/h)カット気味の速球が主で、変化球はカーブ、縦のスライダー、カットボールを織り交ぜる。奪三振率が高い[5]

人物

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趣味は狩猟[31]。約680キログラムのヘラジカを仕留めたこともある[32][33]。シーズンオフにはアラスカ州で狩猟をし、髭で寒さを凌いでいる[8]

サイスニードの「サイスニードーナッツセット」
神宮球場外周エリアの青空キッチンにて
(2024年5月21日)

ドーナツが大好物[34]。日本の穴場スポットとしてミスタードーナツを挙げている[35]。2021年8月に食べて以来、ミスタードーナツをこよなく愛している[36]。家族にドーナツを食べさせてあげるのが夢だという[37]。ドーナツを使った「サイスニードーナッツセット」が神宮球場で販売されている[38]

敵味方問わず、常に紳士的な態度で接しファンからも愛されている[39]

自他共に認める「雨男」[40][41]

詳細情報

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年度別投手成績

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W
H
I
P
2019 HOU 8 0 0 0 0 0 1 0 0 .000 93 21.1 26 5 5 0 0 23 0 0 13 13 5.48 1.45
2020 18 0 0 0 0 0 3 0 3 .000 83 17.1 22 3 10 2 0 21 1 0 15 11 5.71 1.85
2021 ヤクルト 13 13 0 0 0 6 2 0 0 .750 279 68.2 60 9 23 0 2 69 0 0 29 26 3.41 1.21
2022 23 23 0 0 0 9 6 0 0 .600 553 132.1 140 17 26 0 5 96 3 0 66 52 3.54 1.25
2023 23 23 2 2 1 7 8 0 0 .467 569 135.0 133 15 36 2 3 103 2 0 61 55 3.67 1.25
2024 24 23 1 1 1 2 8 0 0 .200 536 120.0 148 16 31 1 5 89 3 0 69 67 5.03 1.49
MLB:2年 26 0 0 0 0 0 4 0 3 .000 176 38.2 48 8 15 2 0 44 1 0 28 24 5.59 1.63
NPB:4年 83 82 3 3 2 24 24 0 0 .500 1937 456.0 481 57 116 3 15 357 8 0 225 200 3.95 1.31
  • 2024年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高

年度別守備成績

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投手(P)












2019 HOU 8 0 1 0 0 1.000
2020 18 1 3 0 0 1.000
2021 ヤクルト 13 2 4 2 1 .750
2022 23 6 15 0 1 1.000
2023 23 7 17 3 1 .889
2024 24 5 18 1 0 .958
MLB 26 1 4 0 0 1.000
NPB 83 20 54 6 3 .925
  • 2024年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高

記録

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NPB

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初記録
投手記録
打撃記録
その他の記録

背番号

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  • 67(2019年 - 2020年)
  • 54(2021年 - 2024年)

登場曲

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  • 「Don't Tread On Me」We The Kingdom(2021年 - )※登板時
  • 「North To Alaska」Johnny Horton(2021年 - )※打席時

脚注

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注釈

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  1. ^ 2019年よりアストロズ傘下
  2. ^ 26救援・38.2回。BrooksBaseball.comによる[30]

出典

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  1. ^ Brian McTaggart「Astros send Villar to Brewers for Minor Leaguer Sneed / Club also releases outfielder Grossman, lefty Cruz」『MLB.com』(英語)、2015年11月19日。2019年9月4日閲覧
  2. ^ Connor Byrne「Astros Select Cy Sneed, Transfer Joe Smith To 60-Day IL」『MLB Trade Rumors』(英語)、2019年6月27日。2019年9月4日閲覧
  3. ^ Pittsburgh Pirates at Houston Astros Box Score, June 27, 2019」『Baseball-Reference.com』(英語)。2019年9月4日閲覧
  4. ^ 新外国人選手獲得のお知らせ」『東京ヤクルトスワローズ』2020年12月4日。2020年12月4日閲覧
  5. ^ a b c ヤクルト、新外国人獲得 先発候補の右腕スニード」『サンケイスポーツ』2020年12月4日。2020年12月4日閲覧
  6. ^ 生粋“ハンター”ヤクルト・サイスニードが初夏に近づく甲子園でトラを狩る」『日刊スポーツ』2021年5月18日。2022年1月30日閲覧
  7. ^ 【ヤクルト】新外国人サイスニード「完璧を求めすぎて…」来日初登板は制球に苦しみ5回途中3失点」『中日スポーツ・東京中日スポーツ』2021年5月9日。2021年5月24日閲覧
  8. ^ a b ヤクルト・サイスニード、虎もハント!狩猟が趣味の新助っ人が来日初白星」『SANSPO.COM(サンスポ)』2021年5月19日。2021年5月24日閲覧
  9. ^ 『プロ野球カラー名鑑2022』ベースボール・マガジン社、17頁。
  10. ^ 【アクシデント】ヤクルト・サイスニード緊急降板、下半身の張り大事を取る」『日刊スポーツ』2021年10月13日。2021年11月21日閲覧
  11. ^ 【ヤクルト】サイスニード投手の来季残留が決定「とても興奮している」」『スポーツ報知』2021年11月16日。2021年12月13日閲覧
  12. ^ ヤクルト・サイスニード残留、新たに1年契約 家庭の事情で米国に帰国へ」『日刊スポーツ』2021年11月16日。2021年11月19日閲覧
  13. ^ 今季初登板のヤクルト・サイスニードは3回5失点」『サンスポ』2022年4月5日。2022年12月27日閲覧
  14. ^ 【ヒーロートーク】今季初勝利のサイスニード、大量点&応援に感謝「すわほー」」『サンスポ』2022年4月19日。2022年12月27日閲覧
  15. ^ ヤクルト・サイスニード6回1失点好投「いろんなボールを操ることができた」」『スポニチ Sponichi Annex』2022年4月12日。2022年12月27日閲覧
  16. ^ 【ヒーロートーク】3勝目のヤクルト・サイスニード「ヤマダ、ダイスキ!」 V弾の山田たたえる」『サンスポ』2022年5月31日。2022年12月27日閲覧
  17. ^ 【隠しマイク】ヤクルト・サイスニード 決勝弾放った山田に「ヤマダ、ダイ、ダイ、ダイスキ~!」」『スポニチ Sponichi Annex』2022年7月25日。2022年12月27日閲覧
  18. ^ ヤクルト・サイスニードは7回1失点 9勝目ならずも中村に感謝「上手くリードしてくれた」」『サンスポ』2022年9月17日。2022年12月27日閲覧
  19. ^ 【ヒーロートーク】8勝目のヤクルト・サイスニード 「ムラカミ、ダイ、ダイ、ダイ、ダイスキ!」」『サンスポ』2022年9月2日。2022年12月27日閲覧
  20. ^ ヤクルト・サイスニードがV旅行合流へ 酷寒のアラスカから常夏のハワイへ」『サンスポ』2022年12月16日。2022年12月27日閲覧
  21. ^ ヤクルト前夜爆勝から一転…サイスニード3回までに毎回失点の6失点、2発被弾」『スポニチ Sponichi Annex』2022年6月25日。2022年12月27日閲覧
  22. ^ ヤクルトがサイスニードとサンタナの残留を発表 ともに1年契約でサンタナは2年目以降のオプション」『サンスポ』2022年11月2日。2022年12月27日閲覧
  23. ^ 【ヤクルト】サイスニード来日初完投初完封勝利「おなかすいています」観戦した妻の前でおどけた」『日刊スポーツ』2023年6月23日。2024年3月4日閲覧
  24. ^ a b 【ヤクルト】投手のサイスニードが1号で自ら援護 来日3年目で初「18歳以来。うれしい」」『日刊スポーツ』2022年9月5日。2023年9月5日閲覧
  25. ^ ヤクルト サイスニード帰国「来季も戻って来てたくさん勝てるように頑張ります」」『スポーツニッポン』2023年10月2日。2024年3月4日閲覧
  26. ^ 【ヤクルト】オスナ、サンタナ、サイスニード、ロドリゲスら4助っ人そろって来季残留」『日刊スポーツ』2023年11月28日。2024年3月4日閲覧
  27. ^ ヤクルト・サイスニード、来日4年目で初の開幕投手に決意「チームがいい方向に向かうように」」『サンスポ』2024年3月28日。2024年4月7日閲覧
  28. ^ 栗田尚樹「【ヤクルト】サイスニード、初の開幕投手を白星で飾れず 粘投も5回96球、5安打2失点で降板」『日刊スポーツ』2024年3月29日。2024年4月7日閲覧
  29. ^ 自由契約選手|2024年度公示 日本野球機構(2024年11月7日閲覧)
  30. ^ BrooksBaseball.net Player Card: Cy Sneed」『Brooks Baseball』。2021年5月18日閲覧
  31. ^ ヤクルト・サイスニード「軽トラが欲しい!」 アラスカ仕様に改造して趣味の狩猟に活用?」『サンスポ』2024年2月19日。2024年4月7日閲覧
  32. ^ ヤクルト・サイスニード 虎狩り最終兵器ハンター右腕「勝つチャンスは当然あるよ」」『デイリースポーツ online』2021年5月18日。2021年5月18日閲覧
  33. ^ ヤクルト・サイスニード 阪神戦で来日初勝利目指す「虎退治です」」『スポニチ Sponichi Annex』2021年5月18日。2021年5月18日閲覧
  34. ^ ヤクルト・サイスニードがV旅行合流へ 酷寒のアラスカから常夏のハワイへ」『サンスポ』2022年12月16日。2022年12月27日閲覧
  35. ^ 【ヤクルト】サイスニード「世界一おいしいドーナツ」発見…「知らないかもしれないが、ミスタードーナツという穴場のドーナツ屋」」『スポーツ報知』2021年8月22日。2021年8月22日閲覧
  36. ^ 【ヤクルト】サイスニード、好物ドーナツに続き温泉効果で今季1勝目指す「オンセン、スゴイ!」」『スポーツ報知』2022年4月19日。2022年12月27日閲覧
  37. ^ 【ヤクルト】ミスド大好き・サイスニードのささやかな夢「来日した家族に穴場のドーナツ屋さんを」」『スポーツ報知』2021年9月12日。2021年12月13日閲覧
  38. ^ 青空キッチン | グルメ」『神宮球場グルメサイト』。2024年9月29日閲覧
  39. ^ ヤクルト・サイスニード投手 DeNA山本と接触後に“ハグ” ネット絶賛「微笑ましい」「素敵な紳士」」『スポニチ Sponichi Annex』2022年4月30日。2022年12月27日閲覧
  40. ^ ヤクルト・サイスニードはまた雨 日本語で「雨男デス」 30日にスライド」『サンスポ』2022年4月29日。2022年12月27日閲覧
  41. ^ ヤクルトの「雨男」サイスニード 4度目の雨天中止…コロナ中止含め7日間で4度も先発お流れ」『スポニチ Sponichi Annex』2022年7月16日。2022年12月27日閲覧
  42. ^ 【ヤクルト】サイスニードが来日3年目で初完封 中日戦は自身7連勝「自分の投球をした結果。とてもいいゲーム」」『スポーツ報知』2023年6月23日。2023年6月23日閲覧
  43. ^ 【ヒーロートーク】サイスニード、左前適時打は「自分のサインミス。結果オーライでした」」『サンケイスポーツ』2022年6月17日。2023年6月23日閲覧

関連項目

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外部リンク

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