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サウジアラビアの皇太子

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
サウジアラビアの旗 サウジアラビア王国
皇太子
ولي عهد المملكة العربية السعودية
サウジアラビア王室旗
現職者
ムハンマド・ビン・サルマーン
Mohammed bin Salman

就任日 2017年6月21日
呼称殿下
任命国王
忠誠評議会英語版の承認が必要)
任期陛下の仰せのままに
初代就任サウード・ビン・アブドゥルアズィーズ
創設1933年5月11日
ウェブサイト公式サイト

サウジアラビアの皇太子(サウジアラビアのこうたいし)は、国王の第一継承者である。皇太子は国王の指名を受け、忠誠評議会の承認を得た上で権力を掌握している。

第二次サウード王国の最後の皇太子アブドゥルアズィーズ・イブン・サウードであったが、アブドゥルラフマーン・イブン・ファイサル・アール・サウードの王位廃位に伴い、皇太子の座も失った[1]。それにも拘らず、アブドゥルアジズ一族はネジュドを取り戻すという決意を持ち続けた。1900年代初頭を通じて、アル・サウドはラシディ派からネジュドを取り戻そうと複数回の襲撃遠征と征服戦争を行った末に、サウジアラビア国王の座を奪還した。

第6代国王アブドゥッラー・ビン・アブドゥルアズィーズは即位直後にサウジアラビアの建国者である国王の子孫で構成される忠誠評議会を設立し、将来の国王と皇太子を無記名投票で選出することになった[2]。2000年代以降、長老支配になると、3人の皇太子が立て続けに老衰で亡くなっている[3]。2010年代以降は3人も皇太子の座を廃された[4]

一覧

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皇太子

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国王 出身家 在位期間 備考
001 サウード・
ビン・アブドゥルアズィーズ

سعود
Saud
サウード家 1933年5月11日
- 1953年11月9日
20年 + 182日 後の第2代国王
002 ファイサル・
ビン・アブドゥルアズィーズ

فيصل
Faisal
サウード家 1953年11月9日
- 1964年11月2日
10年 + 359日 後の第3代国王
003 ムハンマド・
ビン・アブドゥラジズ・アル・サウード

محمد
Muhammad bin Abdulaziz Al Saud
サウード家 1964年11月2日
- 1965年3月29日
147日 初代国王の子
第3代国王の異母弟
004 ハーリド・
ビン・アブドゥルアズィーズ

خالد
Khalid
サウード家 1965年3月29日
- 1975年3月25日
9年 + 361日 後の第4代国王
005 ファハド・
ビン・アブドゥルアズィーズ

فهد
Fahd
サウード家 1975年3月25日
- 1982年6月13日
7年 + 80日 後の第5代国王
スデイリー・セブン
006 アブドゥッラー・
ビン・アブドゥルアズィーズ

عبدالله
Abdullah
サウード家 1982年6月13日
- 2005年8月1日
23年 + 49日 後の第6代国王
007 スルタン・
ビン・アブドゥラジズ・アル・サウード

سلطان
Sultan
サウード家 2005年8月1日
- 2011年10月22日[注 1]
6年 + 82日 初代国王の子
第6代国王の異母弟
008 ナーイフ・ビン・アブドゥルアズィーズ
نايف
Nayef
サウード家 2011年10月27日
- 2012年6月16日[注 2]
10年 + 232日 初代国王の子
第6代国王の異母弟
009 サルマーン・
ビン・アブドゥルアズィーズ

سلمان
Salman
サウード家 2012年6月16日
- 2015年1月23日
2年 + 221日 後の第7代国王
010 ムクリン・
ビン・アブドゥルアズィーズ

مقرن
Muqrin
サウード家 2015年1月23日
- 2015年4月29日
96日 初代国王の子
第7代国王の異母弟
011 ムハンマド・
ビン・ナーイフ

محمد
Muḥammad
サウード家 2015年4月29日
- 2017年6月21日[注 3]
2年 + 53日 初代国王の孫
元皇太子ナーイフの子
012 ムハンマド・
ビン・サルマーン

محمد
Muḥammad
サウード家 2017年6月21日
- (在位)
7年 + 184日 初代国王の孫
第7代国王の子

副皇太子

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サウジアラビアでは2014年に王位継承者として皇太子の他に副王太子位(アラビア語:ولي ولي العهد)を新設し、アブドゥッラー国王が異母弟のムクリンを指名した。2015年1月23日にはアブドゥッラー国王崩御による王位継承にともなってムクリンは王太子に昇格し、サルマーン新国王と同じスデイリー・セブンの家系に属する甥のムハンマド・ビン・ナーイフが副王太子に冊立された。ところが同年4月29日にムクリンは廃太子となり、ムハンマド・ビン・ナーイフ副王太子は王太子に昇格し、サルマーン国王の実子であるムハンマド・ビン・サルマーンが副王太子に冊立された。これにより王室の首脳が国王の近親者に集中することとなった。

従来、サウジアラビアの王位は初代 アブドゥルアズィーズ・イブン・サウードの王子ら第2世代の間で継承されていた。サルマーン国王の甥や王子が短期間のうちに王太子、副王太子に冊立されたことは、王位継承の流れを王室の第3世代に移す重大人事であった。この人事にスディリ家の復活と見る声もあるが、王室内の年長者を差し置いて第3世代を王位継承者に使命したことはスディリ家の枠を超えて年功序列的な王位継承の慣例を崩す動きともいえる。その後、国王の実子であるムハンマド・ビン・サルマーン副王太子が同国の経済・防衛政策の他、エネルギー政策をも統括するようになり、第3世代の権力が集中が顕著となっている。

2017年6月21日、サルマーン国王によりムハンマド・ビン・ナーイフ王太子が解任され、国王の実子のムハンマド・ビン・サルマーン副王太子が王太子に昇格し、副王太子は空位となった。

脚注

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注釈

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  1. ^ 在職中に死去。
  2. ^ 在職中に死去。
  3. ^ 在職途中で解任。

出典

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  1. ^ Wallace Stegner (2007年). “Discovery! The Search for Arabian Oil”. Selwa Press. 2013年10月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年1月3日閲覧。
  2. ^ Saudi Arabia profile Archived 27 May 2018 at the Wayback Machine.
  3. ^ Reed, Stanley; Hamdan, Sara (2012年6月20日). “Aging of Saudi Royalty Brings Question of Succession to Fore”. The New York Times. https://www.nytimes.com/2012/06/21/world/middleeast/aging-of-saudi-royalty-brings-question-of-succession-to-fore.html 2024年1月3日閲覧。 
  4. ^ Saudi royal decrees announcing Prince Mohammed BinSalman as the new crown prince”. www.thenational.ae (21 June 2017). 2017年6月21日時点のオリジナルよりアーカイブ2024年1月3日閲覧。