サビオ
サビオ (Sabio) は、ニチバン(製造・販売)およびライオン(製造:阿蘇製薬)が、商品化していたガーゼ付き絆創膏(ばんそうこう)の商品名である。北海道、和歌山県、広島県、新潟県佐渡島など、日本の一部の地域では[1]絆創膏を指すものとして「サビオ」の語が使われることがある[2]。
概要
[編集]サビオは元々、スウェーデンのセデロース社の絆創膏ブランドである。[3]
日本では、ニチバン[4]が1963年に提携して「サビオ」を発売[5]。後に改良されて、「サビオA」という商品名となった。
その後、ニチバンは「オーキューバン」という独自ブランド商品を発売し、サビオはライオン歯磨[6]に譲渡された。当初は「サビオA」の名で発売されたが、後に「サビオ」の商品名に戻った。サビオは一時期は日本国内で大きなシェアを占めたが、バンドエイドをはじめとする他の絆創膏ブランドの攻勢により販売量が減り、2002年に販売終了となった。
2020年4月より、阿蘇製薬から北海道限定で再発売されるという報道があった[7] 。
- 1963年12月 ニチバン「サビオ」発売[8]。後に「サビオA」に商品名変更。
- 1975年9月 ライオン歯磨から新規に「サビオ」発売[9]。
- 2002年 販売終了。
- 2020年4月 阿蘇製薬から北海道限定で再発売[7]
パッケージ
[編集]ニチバンが発売していた当初のサビオのパッケージは、絆創膏そのものをあしらったデザインだった。商品名が「サビオA」に変わった後の1973年に「鼻に絆創膏を貼っている笑顔の白人の少年」のパッケージに変更された。ライオンに譲渡されてからもそのパッケージコンセプトは継承されたが、鼻に絆創膏を貼っている笑顔の白人の少年は一新された。
コマーシャル展開について
[編集]ニチバンより発売されていたころのコマーシャルには、ハワイロケによる笑顔で絆創膏を貼った民衆(主に子どもたち)がサビオをアピールするコマーシャルなどがある。1970年代初期の東海テレビ製作・フジテレビ系の月~金曜昼13:30の帯ドラマのスポンサーとしてコマーシャルが流れていた。
ライオンに発売元が移った直後の1975年には、夕暮れの中、北島三郎の『兄弟仁義』を思わせるテーマソングに乗せて鼻に絆創膏を貼った男の子が女の子を背負って道を行くというコマーシャルが放送された。ライオンがスポンサーとして加わっていた「8時だョ!全員集合」や「大空魔竜ガイキング」などでコマーシャルが頻繁に流れた。
商標
[編集]日本国内でのサビオの商標は、1968年にクリスチアン・シュテン・スツーレ・ツエデロートが取得した。その後、スイスのロウカムマネジメントSAに権利が移り、2006年に取り消し申請されている。この取り消しと同時期にライオンが商標登録を出願し、翌2007年に登録されている(第5100874号)。
脚注
[編集]- ^ “ばんそうこうの呼び方マップ” (2020年3月4日). 2020年3月10日閲覧。
- ^ “呼び名で分かる:地域編 出身地を推測できる「ばんそうこう」”. 毎日新聞 東京朝刊 (2006年9月20日). 2013年10月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年3月11日閲覧。
- ^ セデロース社の絆創膏としては他にSalvequick(旧名Salvekvick)やSalveloxというブランドがあり、世界的にはこちらの方がはるかに知名度が高い。
- ^ ニチバンは1948年にQQ救急絆創膏というブランドの絆創膏を発売していた。
- ^ “ケアリーヴ発売20周年「ニチバンにおける絆創膏とケアリーヴの歴史」”. ニチバン. 2019年10月12日閲覧。
- ^ 製造者は、セデロス・ジャパン、阿蘇製薬など時期により異なる。
- ^ a b “「サビオ」18年ぶり復活 道内限定で熊本のメーカー 2020年3月5日”. 北海道新聞. 2020年3月20日閲覧。
- ^ 「ニチバン80年史」1999年9月発行 年表より
- ^ 「ライオン油脂60年史」1979年12月発行 年表より