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サプライ級高速戦闘支援艦

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
サプライ級高速戦闘支援艦
「T-AOE-8 アークティック」
「T-AOE-8 アークティック」
基本情報
種別 高速戦闘支援艦 (AOE)
運用者  アメリカ海軍
建造期間 1989年 - 1998年
就役期間 1994年 - 現役
計画数 11隻
建造数 4隻
前級
次級 (最新)
要目
軽荷排水量 20,669−20,796 t[1]
満載排水量 50,731−50,858 t[1]
全長 229.73 m[1]
水線長 222.56 m[1]
最大幅 32.6 m[1]
吃水 12.2 m[1]
機関方式 COGAG方式
主機 LM2500ガスタービンエンジン×4基
推進器 スクリュープロペラ×2軸
出力 105,000 shp
速力 最大26ノット
航続距離 6,000海里 (22kt巡航時)
乗員 軍人28名+MSC要員170名+航空要員31名
兵装

MSCへの移管時に全て撤去

搭載機 CH-46E又はMH-60S×2機[1]
レーダー
電子戦
対抗手段
  • AN/SLQ-32(V)3電波探知妨害装置
  • Mk.137 6連装デコイ発射機×4基
  • AN/SLQ-25 対魚雷デコイ[1]
  • テンプレートを表示

    サプライ級高速戦闘支援艦(サプライきゅうこうそくせんとうしえんかん 英語: Supply-class fast combat support ship)は、アメリカ海軍補給艦の艦級[2][3]

    概要

    [編集]

    サクラメント級をもとに、より優れた自衛能力を備えるとともに、戦闘艦の趨勢にあわせて主機関をガスタービン化するなどの改良を加えた、第2世代の高速戦闘支援艦として設計された[3]。1981年頃より構想されていたが[4]、1987年に議会で予算が承認され[2]、1994年より就役を開始した[3]

    艦橋は、艦の前部にあり、艦尾にヘリコプター甲板を有する。主機関はアーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦などと同様のゼネラル・エレクトリック LM25004基によるCOGAG構成となっている[5]

    洋上移送に関しては、艦体中央・左舷側には液体用と物品(ドライ・カーゴ)用の補給ステーションが各3ヶ所設定されている。一方、右舷側の補給ステーションは、液体用2ヶ所、ドライ・カーゴ用3ヶ所である。これらの補給ステーションは同時に使われるわけではなく、受給艦の全長や補給物件の種類などによって使い分けられる。また補給装置は新型化されて、迅速化を図っている[5]ヘリコプターを用いたヴァートレップも併用される[4]

    また、補給ステーションのほか、港での物資の揚搭などのため、力量10トンのデリックを4基備えている[1]

    物資搭載量
    標準的な搭載内容は下記の通りである[1]
    • 燃料156,000バレル(24,802 kL)
      • 艦艇用燃料タンク30%
      • 航空燃料タンク40%
      • 両用タンク30%
    • 55ガロン入ドラム缶500缶
    • 弾薬1,800トン
    • 冷蔵食糧400トン
    • その他物資250トン

    同型艦

    [編集]

    全艦がサンディエゴのナショナル・スチール・アンド・シップ・ビルディング社で建造された[2]。当初の計画では11隻が建造される予定だったが、冷戦終結後の予算削減の煽りを受け4隻が調達されるに留まった[3]

    2001年より、順次、所属が軍事海上輸送司令部(MSC)に移管されており、武装も撤去されている[3]。しかしガスタービン推進の本級は燃料消費量も多く、一艦当たりのMSC要員も170名とMSCの艦艇で最多であることから、割高な運用コストが連邦政府から指摘されていた。そのため2014年の会計年度の最終日である9月30日に最新艦のブリッジが国防予備船隊の作戦予備状態に置かれ[6]、2番艦レーニアも2016年に作戦予備状態に置かれた。

    # 艦名 発注 起工 進水 就役 退役
    T-AOE-6 サプライ
    USNS Supply
    1987年
    1月22日
    1989年
    2月24日
    1990年
    10月6日
    1994年
    2月26日
    T-AOE-7 レーニア
    USNS Rainier
    1988年
    11月3日
    1990年
    5月31日
    1991年
    9月28日
    1995年
    1月21日
    2016年
    10月1日
    T-AOE-8 アークティック
    USNS Arctic
    1989年
    12月6日
    1991年
    12月2日
    1993年
    10月30日
    1995年
    9月11日
    T-AOE-10 ブリッジ
    USNS Bridge
    1998年
    8月5日
    2014年
    9月30日[6]

    参考文献

    [編集]
    1. ^ a b c d e f g h i j k l Eric Wertheim (2013). The Naval Institute Guide to Combat Fleets of the World, 16th Edition. Naval Institute Press. pp. 884-885. ISBN 978-1591149545 
    2. ^ a b c USN (2009年2月6日). “FAST COMBAT SUPPORT SHIPS T-AOE(fact file)”. 2016年11月20日閲覧。
    3. ^ a b c d e 高速戦闘支援艦「サプライ」級,世界の艦船,2014年5月号,海人社,P102-103
    4. ^ a b AOE-6 Supply Class - Archived 12/2001”. forecastinternational (2000年12月). 2016年11月20日閲覧。
    5. ^ a b 「洋上補給艦 (写真特集 今日のアメリカ軍艦)」『世界の艦船』第814号、海人社、2015年4月、99-104頁、NAID 40020372859 
    6. ^ a b 「海外艦艇ニュース 米高速戦闘支援艦ブリッジの退役決定」『世界の艦船』第808号、海人社、2014年12月、162頁。 

    関連項目

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    同時期の諸外国海軍の補給艦

    外部リンク

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