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サワフタギ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
サワフタギ
福島県中通り地方 2009年9月
分類APG IV
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : 中核真正双子葉類 core eudicots
階級なし : キク上類 superasterids
階級なし : キク類 asterids
: ツツジ目 Ericales
: ハイノキ科 Symplocaceae
: ハイノキ属 Symplocos
: サワフタギ S. sawafutagi
学名
Symplocos sawafutagi Nagam. (1993)[1]
シノニム
和名
サワフタギ(沢蓋木)、
ルリミノウシコロシ[1]、ニシゴリ[1]

サワフタギ(沢蓋木[6]学名: Symplocos sawafutagi)はハイノキ科ハイノキ属落葉低木。別名、ルリミノウシコロシ[6]ニシゴリ[6][7]有毒植物[6]

名称

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和名「サワフタギ」の由来は、沢をふさぐように茂ることによる[6]。別名「ニシゴリ」は錦織木(にしきおりぎ)の意味で、材の灰汁を紫染めの媒染剤に用いたことによる[6]。また、実の姿がカマツカ(別名ウシコロシ)に似ることから、別名で「ルリミノウシコロシ」ともよばれている[8]

分布と生育環境

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日本朝鮮半島中国東アジア地域に分布し、日本では北海道本州四国九州に分布する[8]。山野に生え[8]、山地に生え[6]、沢や湿地などの湿り気のある場所に生育する。

特徴

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落葉広葉樹低木から小高木で、樹高は2–6メートル (m) になる[8][6]を横に広げる樹形になる[9]。枝は灰褐色でよく分枝し、樹皮が縦に細く浅裂する[8][9]。老木の樹皮は、裂け目が深く割れてくる[9]。若木の樹皮の表面は滑らか[9]。一年枝は細く、灰褐色で毛がある[9]

は単葉で互生し、葉身倒卵形から楕円形で先端は急に短く尖って[8]基部は楔状に細くなり、長さ4–8センチメートル (cm) [6]、幅2–3.5 cm。葉柄は長さ3–8ミリメートル (mm) になる。葉の表面にはまばらに圧毛があってザラザラし、裏面の葉脈に毛が生え、縁には先が内曲した細鋸歯がある[8]

花期は5–6月[8][6]。本年枝の先端に円錐花序を出して、白いを多数咲かせる[6]。花は径7–8 mmの白色で、花冠は5深裂する[6]雄蕊は多数つき[6]、花冠より長い。雌蕊は1個[6]

果期は9–10月[6]果実核果で、ゆがんだ卵形で長さ6–7 mmになり、熟すと藍色がかった鮮やかな瑠璃色になる[8][9]。落葉後も果実は枝に残り、冬には果序の細い枝が残る[9]

冬芽は枝の先端に仮頂芽がつき、枝に側芽が互生する[9]。冬芽は円錐形で小さく、芽鱗6–8枚に包まれており、枝とほぼ同色[9]。葉痕は三日月形で、維管束痕が1個ある[9]

利用

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材は器具材や細工物に用いられ、燃やした後の媒染剤になる[8]

分類

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本種の属するハイノキ科はかつてビワモドキ亜綱 Dilleniidae カキノキ目 Ebenales であったが[10]、分子系統解析の結果、ツツジ目とされた[7]

品種、変種

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  • シロミノサワフタギ Symplocos sawafutagi Nagam. f. leucocarpa (Nakai) -果実が白く熟す。
  • オクノサワフタギ Symplocos sawafutagi Nagam. var. terrae-nivosae Baba -本州の日本海側に分布し、葉に毛がない。

脚注

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参考文献

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  • 鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文『樹皮と冬芽:四季を通じて樹木を観察する 431種』誠文堂新光社〈ネイチャーウォチングガイドブック〉、2014年10月10日、64頁。ISBN 978-4-416-61438-9 
  • 西田尚道監修 学習研究社編『日本の樹木』 5巻、学習研究社〈増補改訂 ベストフィールド図鑑〉、2009年8月4日、75頁。ISBN 978-4-05-403844-8 
  • 平野隆久監修 永岡書店編『樹木ガイドブック』永岡書店、1997年5月10日、260頁。ISBN 4-522-21557-6 
  • 佐竹義輔ほか 編『日本の野生植物 木本Ⅱ』平凡社、1989年2月。ISBN 4-582-53505-4 
  • 米倉浩司『高等植物分類表』邑田仁 監修(重版)、北隆館、2010年4月10日。ISBN 978-4-8326-0838-2 

関連項目

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