サワフタギ
サワフタギ | ||||||||||||||||||||||||||||||
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福島県中通り地方 2009年9月
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分類(APG IV) | ||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
Symplocos sawafutagi Nagam. (1993)[1] | ||||||||||||||||||||||||||||||
シノニム | ||||||||||||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
サワフタギ(沢蓋木)、 ルリミノウシコロシ[1]、ニシゴリ[1] |
サワフタギ(沢蓋木[6]、学名: Symplocos sawafutagi)はハイノキ科ハイノキ属の落葉低木。別名、ルリミノウシコロシ[6]、ニシゴリ[6][7]。有毒植物[6]。
名称
[編集]和名「サワフタギ」の由来は、沢をふさぐように茂ることによる[6]。別名「ニシゴリ」は錦織木(にしきおりぎ)の意味で、材の灰汁を紫染めの媒染剤に用いたことによる[6]。また、実の姿がカマツカ(別名ウシコロシ)に似ることから、別名で「ルリミノウシコロシ」ともよばれている[8]。
分布と生育環境
[編集]日本、朝鮮半島、中国の東アジア地域に分布し、日本では北海道、本州、四国、九州に分布する[8]。山野に生え[8]、山地に生え[6]、沢や湿地などの湿り気のある場所に生育する。
特徴
[編集]落葉広葉樹の低木から小高木で、樹高は2–6メートル (m) になる[8][6]。枝を横に広げる樹形になる[9]。枝は灰褐色でよく分枝し、樹皮が縦に細く浅裂する[8][9]。老木の樹皮は、裂け目が深く割れてくる[9]。若木の樹皮の表面は滑らか[9]。一年枝は細く、灰褐色で毛がある[9]。
葉は単葉で互生し、葉身は倒卵形から楕円形で先端は急に短く尖って[8]、基部は楔状に細くなり、長さ4–8センチメートル (cm) [6]、幅2–3.5 cm。葉柄は長さ3–8ミリメートル (mm) になる。葉の表面にはまばらに圧毛があってザラザラし、裏面の葉脈に毛が生え、縁には先が内曲した細鋸歯がある[8]。
花期は5–6月[8][6]。本年枝の先端に円錐花序を出して、白い花を多数咲かせる[6]。花は径7–8 mmの白色で、花冠は5深裂する[6]。雄蕊は多数つき[6]、花冠より長い。雌蕊は1個[6]。
果期は9–10月[6]。果実は核果で、ゆがんだ卵形で長さ6–7 mmになり、熟すと藍色がかった鮮やかな瑠璃色になる[8][9]。落葉後も果実は枝に残り、冬には果序の細い枝が残る[9]。
冬芽は枝の先端に仮頂芽がつき、枝に側芽が互生する[9]。冬芽は円錐形で小さく、芽鱗6–8枚に包まれており、枝とほぼ同色[9]。葉痕は三日月形で、維管束痕が1個ある[9]。
利用
[編集]材は器具材や細工物に用いられ、燃やした後の灰は媒染剤になる[8]。
分類
[編集]本種の属するハイノキ科はかつてビワモドキ亜綱 Dilleniidae カキノキ目 Ebenales であったが[10]、分子系統解析の結果、ツツジ目とされた[7]。
品種、変種
[編集]- シロミノサワフタギ Symplocos sawafutagi Nagam. f. leucocarpa (Nakai) -果実が白く熟す。
- オクノサワフタギ Symplocos sawafutagi Nagam. var. terrae-nivosae Baba -本州の日本海側に分布し、葉に毛がない。
脚注
[編集]- ^ a b c 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Symplocos sawafutagi Nagam. サワフタギ(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2022年12月20日閲覧。
- ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Symplocos chinensis (Lour.) Druce subsp. pilosa (Nakai) Kitag. サワフタギ(シノニム)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2022年12月20日閲覧。
- ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Symplocos paniculata auct. non (Thunb.) Miq. サワフタギ(シノニム)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2022年12月20日閲覧。
- ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Symplocos chinensis (Lour.) Druce var. leucocarpa (Nakai) Ohwi f. pilosa (Nakai) Ohwi サワフタギ(シノニム)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2022年12月20日閲覧。
- ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Palura chinensis (Lour.) Koidz. var. pilosa (Nakai) Nakai サワフタギ(シノニム)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2022年12月20日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o 西田尚道監修 学習研究社編 2009, p. 75.
- ^ a b 米倉 2010, pp. 81.
- ^ a b c d e f g h i j 平野隆久監修 永岡書店編 1997, p. 260.
- ^ a b c d e f g h i j 鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文 2014, p. 64.
- ^ 米倉 2010, pp. 118.
参考文献
[編集]- 鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文『樹皮と冬芽:四季を通じて樹木を観察する 431種』誠文堂新光社〈ネイチャーウォチングガイドブック〉、2014年10月10日、64頁。ISBN 978-4-416-61438-9。
- 西田尚道監修 学習研究社編『日本の樹木』 5巻、学習研究社〈増補改訂 ベストフィールド図鑑〉、2009年8月4日、75頁。ISBN 978-4-05-403844-8。
- 平野隆久監修 永岡書店編『樹木ガイドブック』永岡書店、1997年5月10日、260頁。ISBN 4-522-21557-6。
- 佐竹義輔ほか 編『日本の野生植物 木本Ⅱ』平凡社、1989年2月。ISBN 4-582-53505-4。
- 米倉浩司『高等植物分類表』邑田仁 監修(重版)、北隆館、2010年4月10日。ISBN 978-4-8326-0838-2。