シアントラニリプロール
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シアントラニリプロール Cyantraniliprole | |
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3-bromo-1-(3-chloro-2-pyridyl)-4'-cyano-2'-methyl-6'-(methylcarbamoyl)pyrazole-5-carboxanilide | |
別称 3-bromo-1-(3-chloro-2-pyridinyl)-N-[4-cyano-2-methyl-6-[(methylamino)carbonyl]phenyl]-1H-pyrazole-5-carboxamide(CAS命名法) | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 736994-63-1 |
PubChem | 11578610 |
ChemSpider | 9753377 |
ChEBI | |
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特性 | |
化学式 | C19H14BrClN6O2 |
モル質量 | 473.71 g mol−1 |
外観 | 白色の粉末[1] |
密度 | 1.50 g/mL[1] |
融点 |
224 °C, 497 K, 435 °F |
沸点 |
(350℃以上で分解[1]) |
水への溶解度 | 14.2 mg/L (20℃)[1] |
有機溶媒への溶解度 | アセトン 6.20 g/l アセトニトリル 1.29 g/l 酢酸エチル 1.49 g/l クロロホルム 2.54 g/l オクタノール 0.636 g/l メタノール 2.52 g/l o-キシレン 0.610 g/l(以上いずれもフラスコ法、20℃) ヘキサン 0.0237 mg/L (カラム溶出法、20 ℃)[1] |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
シアントラニリプロール(英: Cyantraniliprole)は、アントラニリックジアミド骨格を有する殺虫剤の一つである。
歴史
[編集]デュポン社により開発された殺虫剤である。2000年よりリード化合物が選抜され、世界各国で同時に開発が進められた。日本では2008年より日本植物防疫協会を通して試験が行われ、2014年10月3日に本物質を有効成分とする製剤が農薬取締法に基づく農薬登録を受けた[2]。
効果
[編集]野菜、果物の農地に使用され、チョウ目、ハエ目、アザミウマ目、カメムシ目、甲虫目に対して殺虫作用を示す。作用機序は、昆虫の筋肉細胞内のカルシウムチャネル(リアノジン受容体)に作用してカルシウムイオンを放出させ、筋収縮を起こすことによると考えられている[3]。急性毒性試験では、ミツバチおよび蚕に対しても強い影響を示した[1]。
製剤
[編集]2014年10月現在アメリカ、カナダ、コロンビア、マレーシア、ニュージーランド、ベトナム、西アフリカ諸国等で殺虫剤として登録されている[3]。日本ではイネ、果樹、野菜、豆、芝などを適用作物として、水和剤「デュポン ベネビアOD」、「デュポン ベリマークSC」、「デュポン エクシレルSE」、「デュポンエスペランサ」および粒剤の「パディート箱粒剤」が登録されている[1]。
脚注
[編集]- ^ a b c d e f g “審査報告書 シアントラニリプロール” (PDF). 農林水産省消費・安全局農産安全管理課、独立行政法人農林水産消費安全技術センター (2016年3月31日). 2018年2月17日閲覧。
- ^ 「新規殺虫剤シアントラニリプロール剤の特長と使い方」(PDF)『植物防疫』第68巻第12号、日本植物防疫協会、2014年、788頁、2018年2月17日閲覧。
- ^ a b “水産動植物の被害防止に係る農薬登録保留基準の設定に関する資料 シアントラニリプロール” (PDF). 環境省. 2018年2月17日閲覧。