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シェル・レーヌ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
シェル・レーヌ

シェル・レーヌ(Shell Leines)は、三重県鳥羽市洋菓子メーカー・ブランカが製造するマドレーヌ

真珠ふるさと鳥羽に合ったあこや貝(真珠貝)の形をしており、あこや貝由来のカルシウムが添加されている[1]

ブランカの主力商品であり、1日に1万個以上生産している[2]

概要

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東京でのサラリーマン生活を脱し、故郷の鳥羽へ戻った石井隆久がパン屋を開き、創業から16年目に開発した菓子である[3]日本全体では「知る人ぞ知る」菓子である[2]が、鳥羽市では誰もが知っているほど知名度は高い[4]。第22回全国菓子大博覧会で名誉総裁賞を受賞した[2]

食材にこだわっており、味の決め手となる無添加バター北海道産のものを使っている[5][6]。生地には三重県産の小麦粉「アヤヒカリ」と指定農場の鶏卵を用いている[6]。また、地元企業の御木本製薬の真珠貝から作られたパールシェルカルシウムがシェル・レーヌに入っている[1]。パールシェルカルシウムは天然由来のカルシウムやミネラルを多く含んでいるという[1]

外はサクサク、中はしっとりとした食感で[6]、1個ずつ手焼きで作られている[7]

歴史

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オイルショックの発生した1974年(昭和49年)頃に東京から鳥羽へ帰郷した石井隆久は、製造から販売まで一貫してできる仕事がしたいと考え、神戸と東京で修行を積み、資本金1000万円で1978年(昭和53年)に株式会社ブランカを設立した[3]。ブランカはパンケーキの生産と販売を手掛け、売れ行きは良かったが、経費を差し引いた利益は少なかった[3]。そこで新商品として真珠貝の形をしたマドレーヌ「シェル・レーヌ」を開発、観光客向けに販売を始めた[3]

シェル・レーヌは観光客向け商品として誕生したが、後に地元向けに路線変更し、ブランカの主力商品に成長、パンからシェル・レーヌに生産の重点を移した[3]。現在もシェル・レーヌはブランカのメインであるが、同社はバウムクーヘンや塩サブレなどの新しい商品づくりにも挑んでいる[3][8]

2008年(平成20年)3月26日中小企業による地域産業資源を活用した事業活動の促進に関する法律の認定を受け、伊勢市で栽培される蓮台寺柿のを練り込んだシェル・レーヌの開発に着手した[9]。開発にあたっては商工組合中央金庫津支店から500万円の融資を受けた[9]。蓮台寺柿は地元農家の女性が結成した「柿の木クラブ」などが生産するで、伊勢市指定天然記念物の伊勢固有の品種である[9][10]。蓮台寺柿の葉にはポリフェノールの一種であるアストラガリンが含まれており、柿の木クラブは柿の葉粉末の活用を模索していた[10]。そこで、農商工連携によりシェル・レーヌの新商品開発が行われることになった[10]。「シェル・レーヌ 蓮台寺柿の葉」は、鳥羽の土産菓子としてブランド力を持つシェル・レーヌに、蓮台寺柿の葉が持つポリフェノールの機能と独特の苦味が加わり、他の焼き菓子と差別化が図られた[10]

2016年(平成28年)5月26日から5月27日にかけて開催された第42回先進国首脳会議(伊勢志摩サミット)では、シェル・レーヌが首脳陣に軽食で振る舞われた[11]

種類

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店舗ごとに売れ筋に違いがあり、例えば好みの商品を詰め合わせられる「ギフトボックス」は、津・山の手店ではいろいろな種類を選ぶ客が多いのに対し、鳥羽本店では1種類を詰める客が多い[2]

  • シェル・レーヌ プレーン
  • シェル・レーヌ 蓮台寺柿の葉
  • シェル・レーヌ あおさのり
  • シェル・レーヌ 伊勢茶
  • ミニシェル・レーヌ
  • シェル・レーヌ 真珠の小箱
  • シェル・レーヌ 詰め合せ

ゴマチョコレート味のシェル・レーヌを販売していたこともある[9][12]

ブランカ

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株式会社ブランカ
Blanca
鳥羽本店
種類 株式会社
市場情報 非上場
本店所在地 日本の旗 日本
517-0011
三重県鳥羽市鳥羽三丁目15番3号
設立 1978年(昭和53年)1月
業種 食料品
事業内容 菓子製造販売
代表者 石井隆久(社長
資本金 1000万円
従業員数 49人
支店舗数 4
外部リンク www.blanca.co.jp/
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株式会社ブランカ(Blanca)は、三重県鳥羽市に本店をおく菓子を生産・販売する企業。店頭にて70種類超の手作りのパンや菓子を販売する[13]。より良い材料、健康に配慮した商品作りを心掛けている[5]。また、2008年(平成20年)から毎年9月15日(旧・敬老の日)の売上を高齢者福祉のために地元の鳥羽市に寄付している[14]

2009年(平成21年)3月30日にシェルレーヌ工房がHACCPの認定を受けた[15]

販売店舗

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ブランカ
  • 鳥羽本店 - 三重県鳥羽市鳥羽三丁目15-3
    • 店内にイートインコーナーを設けている[12][8]
  • Blancaスイーツガーデン - 三重県伊勢市朝熊町4228-1
    • ブランカ茶房、Blancaシェルレーヌ工房がある。
  • 津・山の手店 - 三重県津市一身田上津部田1336-5
  • 津・久居店 - 三重県津市久居新町2852
  • 神戸・岡本店 - 兵庫県神戸市東灘区岡本一丁目9-29

上記店舗のほか、三重県内の百貨店スーパーマーケット[2]ぎゅーとらイオンなど)、土産物店(鳥羽一番街[16]など)でも販売されている。

三重県外での展開

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三重県外では、兵庫県神戸市の岡本商店街にブランカが出店している[17]。そのほかの地域では、三重県フェアなどのイベントで販売されることがある。例えば、2010年(平成22年)7月には東京渋谷書店・COOKCOOPで「レジ横おやつで日本一周!!」という企画でシェル・レーヌが販売され[18]2011年(平成23年)には11月から12月にかけて、東京・池袋天王洲アイルにあるトラベルカフェの店舗にて「パワーすぽっと三重カフェ」という催しの一環でシェル・レーヌが「三重のお菓子の3種盛り」の1つとして提供された[19]

脚注

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  1. ^ a b c 鳥羽商工会議所"ブランカ・シェルレーヌ"(2011年12月5日閲覧。)
  2. ^ a b c d e CDXネクスト"導入事例|株式会社CDXネクスト"(2011年12月4日閲覧。)
  3. ^ a b c d e f 中小企業庁中小企業基盤整備機構"e-中小企業ネットマガジン:バックナンバー|J-Net21"Vol.453、2010年10月27日(2011年12月5日閲覧。), 東京労務管理総合研究所"元気な企業/(株)ブランカ"(2011年12月5日閲覧。)
  4. ^ アサヒビール"魅惑の地に酔う 東海ぶらり-鳥羽-|アサヒビール"(2011年12月4日閲覧。)
  5. ^ a b 日本洋菓子協会連合会"ブランカ"(2011年12月5日閲覧。)
  6. ^ a b c JCBトラベル"旅の情報はJ-Basket|ニッポンを食べ尽くす!「あの味・この味 お取り寄せ」"2011年8月25日更新(2011年12月5日閲覧。)
  7. ^ マップル"ブランカ シェルレーヌ工房(三重県伊勢市)の情報"昭文社(2011年12月5日閲覧。)
  8. ^ a b 伊勢志摩おみやげ探検隊"伊勢志摩おみやげ探検隊/ブランカのシェルレーヌ"(2011年12月5日閲覧。)
  9. ^ a b c d 商工組合中央金庫"「蓮台寺柿」の柿葉粉末を練り込んだ焼き菓子の新商品開発をサポート!"平成20年4月28日(2011年12月5日閲覧。)
  10. ^ a b c d 三重県科学技術・地域資源室"蓮台寺柿葉を活用した地元銘菓『シェルレーヌ』の新商品(アソート品含む)の製造販売"(2011年12月5日閲覧。)
  11. ^ サミットで提供された飲料・軽食”. 外務省 (2016年5月). 2016年5月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年5月29日閲覧。
  12. ^ a b 三重旅行"お土産/三重旅行"(2011年12月5日閲覧。)
  13. ^ じゃらんnet"ブランカ[スポット詳細]"リクルート(2011年12月5日閲覧。)
  14. ^ 鳥羽市総務課秘書係"株式会社ブランカの売上金の寄附"平成23年9月16日(2011年11月11日閲覧。)
  15. ^ 全国菓子工業組合連合会"認定工場|お菓子何でも情報館"(2011年12月5日閲覧。)
  16. ^ 鳥羽1番街協同組合"鳥羽一番街 店舗紹介 - 珍海堂"(2011年12月5日閲覧。)
  17. ^ 岡本商店街振興組合"Blanca 神戸岡本店 岡本WEBサイト 岡本散歩"(2011年12月5日閲覧。)
  18. ^ COOKCOOP"7月のレジ横おやつは三重県!"2010年7月2日(2011年12月5日閲覧。)
  19. ^ 三重県東京事務所"三重県東京事務所/パワーすぽっと三重カフェ"(2011年12月5日閲覧。)

関連項目

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外部リンク

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