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シェーオルメン級潜水艦

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
シェーオルメン級(A-11B型)潜水艦[1][2]

試験航行中の「チャレンジャー
艦級概観
艦種 通常動力型潜水艦
運用者  スウェーデン海軍
 シンガポール海軍
艦名
就役期間 スウェーデンの旗 1969年 - 1996年
シンガポールの旗 2000年 - 現在
同型艦 5隻
前級 ドラケン級潜水艦
次級 ネッケン級(A-14型)潜水艦
性能諸元
排水量 水上:1,125t
水中:1,400t
全長 51m
全幅 6.1m
喫水 5.8m
機関 ディーゼル・エレクトリック方式
ヘーデモラ-ピルスティク V12A2ディーゼル発電機 (525 bhp) 4基
ASEA電動機 (1,500 shp) 1基
速力 水上: 15ノット
水中: 20ノット
連続行動 21日間
潜航深度 標準: 150 m
最大: 300 m
乗員 士官7名+曹士11名
兵装 533mm魚雷発射管
(Tp.61B魚雷×計8発)
4門
400mm魚雷発射管
(Tp.427/431魚雷×計4発)
2門
C4I IBS-A17潜水艦指揮管制装置
ソナー CSU 83 統合式

シェーオルメン級潜水艦スウェーデン語: Sjöormenklass ubåt, A-11B型)は、スウェーデン海軍が運用していた潜水艦の艦級。1998年から2001年にかけて全艦がシンガポール海軍に引き渡され、1隻を除いてチャレンジャー級潜水艦として再就役している。

本級では、先行するドラケン級(A-11型)で導入された新機軸である1軸推進方式に加えて、アメリカ海軍の「アルバコア」に範をとった涙滴型船型を導入した。これに伴い、前部潜舵はセイル・プレーン式とされた。また後部潜舵はX型としている[1]。潜航可能深度は、最大で300メートル、標準的には150メートルとされていたが、運用されていたのが水深の浅いバルト海であったため、実際には比較的浅深度で運用されており、耐圧殻への負荷は小さいものであった[2]1984年から1985年にかけて近代化改修を受け、エリクソン社製IBS-A17潜水艦指揮管制装置(SESUB-900)およびCSU 3-2統合ソナーを搭載した[1]。またその後、ソナーはさらにCSU 83に更新された[2]

その後、ヴェステルイェトランド級(A-17型)の就役を受けて、スウェーデン海軍での運用は終了されることになった。1995年9月23日、これらの退役艦をシンガポール海軍が購入する契約が締結された。まず売却された「ショービョルネン」は1996年2月から1997年9月26日まで、カールスクルーナにおいて空調設備の強化や海洋生物対策、配管の腐食を防ぐ対策等の改修工事を受けたのち、1998年2月に「チャレンジャー」としてシンガポール海軍に引き渡されたが、要員訓練のため、2003年までスウェーデンにとどまった。その後、リケン計画(Project Riken)にもとづいてさらに3隻が売却され、いずれもコックムス社で改修を受けたうえで、1999年から2001年にかけて引き渡された。また、残る1隻(「ショーヘステン」)も部品取り用として引き渡された。これらのうち、シンガポール海軍で再就役した4隻(チャレンジャー級)は、潜水艦指揮管制装置をフランスDCNS社のSUBTICS(submarine tactical integrated combat system)に換装している[2]。搭載魚雷は、400mm魚雷がTp 431、533mm魚雷がTp 613となった[3]

同型艦

[編集]
 スウェーデン海軍  シンガポール海軍
艦名 造船所 進水 就役 再就役 艦名 就役状況
シェーオルメン
HMS Sjöormen
コックムス 1967年
1月25日
1968年
7月31日
2000年 センチュリオン
RSS Centurion
2015年3月11日退役[4]
ショーレヨネット
HMS Sjölejonet
1967年
6月29日
1968年
12月16日
2000年
7月
コンカラー
RSS Conqueror
現役[5]
ショービョルネン
HMS Sjöbjörnen
カールスクルーナ
海軍造船所
1968年
1月9日
1969年
2月28日
1998年 チャレンジャー
RSS Challenger
2015年3月11日退役[4]
ショーフンデン
HMS Sjöhunden
コックムス 1968年
3月21日
1969年
6月25日
2002年
8月
チーフテン
RSS Chieftain
現役[5]
ショーヘステン
HMS Sjöhästen
カールスクルーナ
海軍造船所
1968年
8月6日
1969年
9月15日
1995年にシンガポールへ売却され
予備部品として使用される

出典

[編集]
注記
  1. ^ a b c Bernard Prezelin (1990). The Naval Institute Guide to Combat Fleets of the World, 1990-1991. Naval Institute Press. p. 490. ISBN 978-0870212505 
  2. ^ a b c d Eric Wertheim (2013). The Naval Institute Guide to Combat Fleets of the World, 16th Edition. Naval Institute Press. p. 657. ISBN 978-1591149545 
  3. ^ The International Institute for Strategic Studies (IISS) (2023-02-15) (英語). The Military Balance 2023. Routledge. p. 287. ISBN 978-1-032-50895-5 
  4. ^ a b Republic of Singapore Navy launches new submarine training centre in Changi”. straitstimes.com (2015年3月16日). 2024年9月16日閲覧。
  5. ^ a b 『世界の艦船増刊 第1016集 世界の海軍 2024-2025』海人社、2024年3月14日、115頁。 
文献
  • Conway's All the World's Fighting Ships 1947-1995

外部リンク

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