シクロヘキシルベンゼン
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シクロヘキシルベンゼン Cyclohexylbenzene[1] | |
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別称 フェニルシクロヘキサン | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 827-52-1 |
特性 | |
化学式 | C12H16 |
モル質量 | 160.26 g mol−1 |
示性式 | C6H11C6H5 |
外観 | 無色透明の液体 |
匂い | 芳香 |
密度 | 1.22 g/cm3、液体 |
融点 |
6 °C, 279 K, 43 °F |
沸点 |
236 °C, 509 K, 457 °F |
水への溶解度 | 不溶 |
有機溶媒への溶解度 | アルコール、ベンゼン、アセトン、四塩化炭素、ヘキサン、キシレンに易溶、グリセリンに不溶 |
粘度 | 3mPa・s(20℃) |
危険性 | |
引火点 | 99℃ |
半数致死量 LD50 | 248 mg/kg(マウス、腹腔内投与) 67 mg/kg(マウス、静脈内投与) |
関連する物質 | |
関連物質 | ビフェニル ビシクロヘキシル |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
シクロヘキシルベンゼン(英: Cyclohexylbenzene)は、芳香族炭化水素である。フェニルシクロヘキサン(英: Phenylcyclohexane)とも呼ばれる。ベンゼンとシクロヘキサンが共有結合したもので、ビフェニルのベンゼン環の一方が水素化によりシクロヘキサン環となったものとも捉えられる。常温では芳香のある透明な液体である。消防法に定める第4類危険物 第3石油類に該当する[1]。
製造
[編集]パラジウムなどの触媒の存在下でベンゼンを水素と共に加熱し、次にベンゼンをアルキル化してシクロヘキシルベンゼンを形成する。この方法では副生成物としてシクロヘキサン及びメチルシクロペンタンが生じる[2]。
ビフェニルの部分的水素化によっても製造できる[3]。
用途
[編集]フッ化シクロヘキシルベンゼンは、リチウムイオン二次電池の過充電防止剤として利用される。リチウム塩を溶解させた電解液にフッ化シクロヘキシルベンゼンを添加すると、過充電時に自身が酸化されることにより過充電の進行を止めることができる[4]。
フェニルシクロヘキサン系は液晶に使用される。
出典
[編集]- ^ a b 製品情報(東京化成工業)
- ^ シクロヘキシルベンゼンの製造方法(特表2012-505210)
- ^ ビフェニルの選択的水素化プロセス(アメリカ合衆国特許 特許番号:3387048、Google特許検索)
- ^ フッ素化シクロヘキシルベンゼン類の製造方法(特開2003-2388457)