シシウド属
表示
シシウド属 | |||||||||||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
シラネセンキュウ(Angelica polymorpha)
| |||||||||||||||||||||||||||
分類(APG III) | |||||||||||||||||||||||||||
| |||||||||||||||||||||||||||
学名 | |||||||||||||||||||||||||||
Angelica L. (1753) [3] | |||||||||||||||||||||||||||
タイプ種 | |||||||||||||||||||||||||||
A. sylvestris L. (1753) [3] | |||||||||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||||||||
シシウド属[1][2] | |||||||||||||||||||||||||||
種 | |||||||||||||||||||||||||||
|
シシウド属(シシウドぞく、Angelica、猪独活属)は、セリ科の属のひとつ。アンゼリカともいう。属名を表すラテン語名は〈天使〉を意味する語に由来する[4]。
特徴
[編集]北半球の広い範囲に分布している越年草または多年草。葉は羽状複葉か3出羽状複葉で、花は複散形花序になり、花弁は基本的に白色で、ときに紫色、緑色がある。果実は扁平になり、分果の側隆条が翼状に広がる。
ヨーロッパを中心に、古くから薬用・食用のハーブとして用いられている。日本に自生するシシウドやアシタバをはじめ、世界に80種ほどが知られている。
主な種
[編集]日本の種
[編集]- ムニンハマウド Angelica boninensis
- 絶滅危惧II類
- ヒメノダケ A. cartilaginomarginata var. cartilaginomarginata
- コウライヒメノダケ A. cartilaginomarginata var. matsumurae
- ノダケ A. decursiva
- 本州、四国、九州の山野に自生。草丈1-1.5メートルほどの多年草。茎は暗紫色、花期は9-11月。
- ミヤマノダケ A. cryptotaeniifolia
- シシウド A. pubescens
- 本州、四国、九州の、日当たりのよい山地に生える、草丈2-3メートル前後の多年草。8-11月に、散形に密集した白い花を付ける。根は薬として独活(ドッカツ)と呼ばれ、掘り起こした根を洗浄して陰干しし、煎じて頭痛薬や、薬酒、風呂に入れて用いることがある。味は苦く独特の強い風味がある。和名は、強剛な草なので、冬場にイノシシが掘り返して食うのに適していることからついたという。
- ミヤマシシウド A. pubescens var. matsumurae
- 分布は本州の深山
- ヨロイグサ A. dahurica
- エゾノヨロイグサ A. sachalinensis var. sachalinensis
- エゾニュウ A. ursina
- オオバセンキュウ A. genuflexa
- アマニュウ A. edulis
- アシタバ A. keiskei
- 日本原産で、房総半島から紀伊半島と伊豆諸島の太平洋岸に自生する。別名八丈草(ハチジョウソウ)。
- ハマウド A. japonica
- シラネセンキュウ A. polymorpha
- ハナビゼリ A. inaequalis
- ウバタケニンジン A. ubatakensis
- 絶滅危惧IB類
- オオウバタケニンジン A. ubatakensis var. valida
- 絶滅危惧IA類
- ツクシゼリ A. longiradiata
- トウキ A. acutiloba
- 本州中部以北の、山地などに自生し、栽培もされる。漢方ではトウキ(当帰)として、中国の紀元前200年代の書物にも記載があり、生薬として根茎を用いるが、本来の当帰は下記のカラトウキ A. sinensisのこと。
- ホッカイトウキ[栽培] A. acutiloba var. sugiyamae
- ミヤマトウキ A. acutiloba subsp. iwatensis
- ホソバトウキ A. stenoloba(シノニム:A. acutiloba subsp. lineariloba)
- 絶滅危惧II類
- イワニンジン A. hakonensis
- イシヅチボウフウ A. saxicola
- 絶滅危惧IA類
- トサボウフウ A. yoshinagae
- 絶滅危惧II類
- イヌトウキ A. shikokiana
- 絶滅危惧II類。「日本山人参」(ヒュウガトウキ)と混同されたことがある。南九州山地で自生しているヒュウガトウキとは別個体であり、ヒュウガトウキの根は医薬品登録されているのに対し、イヌトウキは生薬としての登録はない。
- クマノダケ A. shikokiana var. mayebarana -(シノニム:A. tenuisecta var. mayebarana)
- 絶滅危惧IB類
- ヤクシマノダケ A. yakusimensis
- 絶滅危惧II類
- カワゼンゴ A. tenuisecta
- 絶滅危惧II類
- ヒュウガトウキ A. tenuisecta var. furcijuga
- 絶滅危惧II類
- ツクシトウキ A. pseudoshikokiana
- 絶滅危惧II類
- シナノノダケ A. sinanomontana
- 絶滅危惧IA類
- ヒュウガセンキュウ A. minamitanii
- 絶滅危惧IA類
日本以外の種
[編集]- セイヨウトウキ A. archangelica(別名:アンゼリカ)
- A. sylvestris
- 英名Wild Angelica。ピンク色を帯びた白い頭花をもつ花を直径15センチの円形で、密な散形花序につける。草丈は60センチほどで、鋭いきょ歯がある長楕円形から卵形の小葉を持つ。効能は上記の種と同様。
- カラトウキ A. sinensis - 英名Chinese angelica。
- オニノダケ A. gigas
- 中国北部や朝鮮半島に自生する2年草か短命な宿根草で、紫色の苞を持つ直径12センチの密な散形花序をつける。草丈1-2メートルで、3裂し、きょ歯がある30-40センチの葉を持つ。
ギャラリー
[編集]-
Angelica sylvestrisの葉の基部
-
Angelica archangelicaの熟した果実
-
A. archangelica
-
オーストリアに自生のA. sylvestris
脚注
[編集]- ^ a b 米倉浩司『高等植物分類表』(重版)北隆館、2010年。ISBN 978-4-8326-0838-2。
- ^ a b 大場秀章(編著)『植物分類表』(第2刷)アボック社、2010年。ISBN 978-4-900358-61-4。
- ^ a b "'Angelica L.". Tropicos. Missouri Botanical Garden. 40014556. 2012年8月4日閲覧。
- ^ 牧野, 富太郎 (1940). 牧野日本植物圖鑑. 北隆館. p. 索引5
参考文献
[編集]- 佐竹義輔・大井次三郎・北村四郎(他編)『日本の野生植物』 草本II 離弁花類、平凡社、1982年。
- 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
- 日本のレッドデータ検索システム