システインプロテアーゼ
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システインプロテアーゼとは、触媒部位において、システインのチオール基を求核基として用いるタンパク質分解酵素である。
触媒機構
[編集]- 活性部位にあるシステインのチオールが、隣接する塩基性アミノ酸(通常はヒスチジン)の側鎖によって脱プロトン化される(図左上)
- 陰イオンになったチオール基が、基質のカルボニル炭素を求核攻撃する(図右上)。この時、カルボニル炭素は平面状の sp2混成状態から、正四面体状の sp3混成になる
- 基質ペプチドのC末端側がアミンとして脱離し、炭素はsp2混成に戻る(図右中)。ヒスチジンのプロトンは、脱離するアミノ基に持っていかれる
- 基質のN末端側は酵素にチオエステル中間体として結合した状態になる(図右下)
- チオエステルを水分子が求核攻撃し(図左下)
- 加水分解が起こると(図左中)
- カルボン酸が遊離し、酵素は元の状態に戻る(図左上)
例
[編集]- パパイン - パパイヤに含まれる
- ブロメライン - パイナップルに含まれる
- カテプシン - リソソームに含まれる
- カスパーゼ - アポトーシスのシグナル伝達に関わる
- カルパイン - カルシウム濃度によって活性が調節される
参考文献
[編集]- Stryer, L.; Berg, J. M.; Tymoczko, J. L. (2002), Biochemistry (5th ed.), New York: W. H. Freeman, ISBN 0716746840 [1]
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- Cysteine endopeptidases - MeSH・アメリカ国立医学図書館・生命科学用語シソーラス