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シティズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
シティズ裁判から転送)
株式会社 シティズ
CITY'S CORPORATION
種類 株式会社
略称 シティズ
本社所在地 日本の旗 日本
525-8535
滋賀県草津市西大路町1番1号 3階
設立 1969年5月29日(株式会社マルタ商事)
廃止 2011年7月1日(吸収合併)
業種 その他金融業
事業内容 商工ローン
代表者 代表取締役社長 宗竹政美
資本金 7億円
従業員数 138名(2009年3月末現在)
主要株主 (株)シティグリーン(アイフル子会社)57.8%
アイフル(株)42.2%
関係する人物 橋下徹
外部リンク http://www.citys.co.jp/company/
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株式会社シティズは、かつて存在した日本の貸金業者。商工ローンを扱っていた。

概要

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2002年(平成14年)7月8日に、消費者金融大手アイフル子会社化することで合意し、アイフルが株式取得と同年10月1日付の株式交換持株会社を子会社化したことで、アイフルグループ入りしている[1]。訴訟法務に強く、みなし弁済の主張で有名である。かつて橋下徹顧問弁護士を務めていた[2]

2011年(平成23年)7月1日に、親会社のアイフルに吸収合併され、解散した。当初は同年4月1日に合併を計画していたが[3]、業績への影響を見極めるため3か月遅らせる事になった[4]

シティズ判決

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最高裁判所判例
事件名 貸金請求事件
事件番号 平成16(受)1518
平成18年1月13日
判例集 民集 第60巻1号1頁
裁判要旨
1 貸金業の規制等に関する法律施行規則15条2項の規定のうち,貸金業者が弁済を受けた債権に係る貸付けの契約を契約番号その他により明示することをもって,貸金業の規制等に関する法律18条1項1号から3号までに掲げる事項の記載に代えることができる旨定めた部分は,同法の委任の範囲を逸脱した違法な規定として無効である。2 利息制限法所定の制限を超える約定利息と共に元本を分割返済する約定の金銭消費貸借に,債務者が元本又は約定利息の支払を遅滞したときには当然に期限の利益を喪失する旨の特約が付されている場合,同特約中,債務者が約定利息のうち制限超過部分の支払を怠った場合に期限の利益を喪失するとする部分は,同法1条1項の趣旨に反して無効であり,債務者は,約定の元本及び同項所定の利息の制限額を支払いさえすれば,期限の利益を喪失することはない。3 利息制限法所定の制限を超える約定利息と共に元本を分割返済する約定の金銭消費貸借において,債務者が,元本又は約定利息の支払を遅滞したときには当然に期限の利益を喪失する旨の特約の下で,利息として上記制限を超える額の金銭を支払った場合には,債務者において約定の元本と共に上記制限を超える約定利息を支払わない限り期限の利益を喪失するとの誤解が生じなかったといえるような特段の事情のない限り,制限超過部分の支払は,貸金業の規制等に関する法律43条1項にいう「債務者が利息として任意に支払った」ものということはできない。
第二小法廷
裁判長 中川了滋
陪席裁判官 滝井繁男 津野修  今井功 古田佑紀
意見
多数意見 {{{多数意見}}}
参照法条
(1〜3につき)利息制限法1条1項、(1,3につき)貸金業の規制等に関する法律43条1項,貸金業の規制等に関する法律18条1項,43条3項,利息制限法4条1項,貸金業の規制等に関する法律施行規則15条、(2,3につき)民法136条
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かつてグレーゾーン金利(29% - 40%)で貸付業務を行っていたが、通常の貸金業者が払いすぎた利息の返還に応じていたのに対し、シティズは貸金業法17条書面及び18条書面の交付によって、「みなし弁済」を主張して、過払い利息の返還に応じず、圧倒的に多数の裁判でも勝利してきた[5]

しかしながら、鳥取県の男性に年29%の利息で300万円を貸した契約に関する裁判で、2006年(平成18年)1月13日に最高裁第二小法廷中川了滋裁判長)の「上限を超える金利について、事実上強制されて支払った場合、特段の事情がない限り、無効」という判断により、敗訴した。この判決(いわゆる「シティズ判決」)等の最高裁判決によって[注釈 1]、みなし弁済の成立する余地はほぼ無くなり、グレーゾーン金利での貸し出しは実質的に無効となっている。ただし、シティズは『シティズ判決』に従って、契約書の期限の利益喪失約款を変更しており、変更後の契約については、みなし弁済の成立を認めた下級審判決が存在する[6]

期限の利益喪失の主張

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みなし弁済の成立しないことを前提とする利息制限法の引きなおし計算では、期限の利益喪失の主張を裁判上で行い、最高裁判所において勝訴と敗訴の両方の判決を得ている。

  • 期限の利益の喪失の宥恕、再度期限の利益を付与したか否かの争点については、2009年4月14日には最高裁第三小法廷が原審を東京高等裁判所とする平成19(受)996号 貸金請求本訴,損害賠償等請求反訴事件において「貸金業者が,借主に対し,期限の利益の喪失を宥恕し,再度期限の利益を付与したとした原審の判断に違法がある」と判断して、勝訴した。[1]
  • 期限の利益の喪失の主張が信義則に反するかの争点については、2009年9月11日に最高裁判所第二小法廷が原審を高松高等裁判所とする平成19(受)1128号貸金等請求本訴,不当利得返還請求反訴事件においては「貸金業者において,特約に基づき借主が期限の利益を喪失した旨主張することが,信義則に反し許されないとした原審の判断に違法がある」[2]と判断し、シティズは勝訴する一方、同じ2009年9月11日に同じく最高裁判所第二小法廷が原審を大阪高等裁判所とする平成21(受)138号不当利得返還請求事件においては「貸金業者において,特約に基づき借主が期限の利益を喪失した旨主張することが,信義則に反し許されない」[3]と判断し、シティズは敗訴した。この2つの異なる判決の解釈については、平成19(受)1128号判決を原則的な場合についての判断であり、平成21(受)138号は特殊な事例についての判断であるとする見解が存在する[7]

沿革

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  • 1959年10月 - 創業
  • 1969年5月 - 株式会社マルタ商事を設立。
  • 1989年7月 - 株式会社シティズに商号変更。
  • 2002年10月 - アイフルにより完全子会社化。本社を京都市へ移転。
  • 2009年3月 - 全店舗を閉鎖して、管理センターへの一元化を行う。 2009年3月19日に全店舗を閉鎖し、今後の業務は滋賀県草津市のアイフルコンタクトセンター西日本内にある管理センターに一元化される。また、公式ウェブサイトでは企業情報のみが掲載されており、新規の貸し付け希望はアイフルのサイトへ誘導する措置をとっている。
  • 2011年7月1日 - アイフルに吸収合併され、解散。

脚注

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注釈

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  1. ^ 2006年1月13日の最高裁第二小法廷、1月19日の最高裁第一小法廷、1月24日の最高裁第三小法廷において同様の判決があり、全ての小法廷で判断が一致した。この内1月13日及び1月19日の判決は「シティズ」の裁判である。

出典

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  1. ^ 「株式会社シティズ」の子会社化に関するお知らせ (PDF)』(プレスリリース)、アイフル株式会社、2002年10月1日。2024年11月5日閲覧
  2. ^ 「【ワイド】年末年始の大バトル」『週刊新潮』2008年1月17日号、新潮社、35頁。 
  3. ^ グループ再編(子会社の分割・吸収合併)にかかる基本方針に関するお知らせ (PDF)』(プレスリリース)、アイフル株式会社、2010年12月1日。2024年11月5日閲覧
  4. ^ グループ再編(子会社の分割・吸収合併)にかかる基本方針の一部変更に関するお知らせ (PDF)』(プレスリリース)、アイフル株式会社、2011年2月28日。2024年11月5日閲覧
  5. ^ 最高裁・貸金業法四三条「みなし弁済」規定を死文化 ~アイフル子会社商工ローン「シティズ」最高裁判決について~ 自由法曹団通信:1191号
  6. ^ シティズ公式サイト 「シティズ貸金業判例集」
  7. ^ 中村也寸志(東京地方裁判所判事)貸金業法43条の要件論等についての最高裁の判断 判例タイムズ1306号 13頁

外部リンク

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