シナノグルミ
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シナノグルミ(信濃胡桃)は、クルミ科クルミ属のJuglans regiaの1変種。アメリカから輸入されたペルシャグルミとテウチグルミが自然交雑してできたとされている[1]。なお、栽培特性の優れた株の実生選抜により残ったものであるが、現在では、品種として扱われる[1]。
仮果とよばれる実をつけ、その中に核果があり、さらに内側の仁を食用とすることができる。核果が成熟すると外皮が割れ、核果が落下するため収穫が行いやすい。自生しているヒメグルミやオニグルミより大粒で殻を割りやすく食べられる部分も多いため、一般に市販されているクルミはこの種類が多い。日本では主に長野県で栽培されており、長野県東御市が生産量日本一である。別名菓子クルミ、手打ちクルミ。
クルミの栄養価の代表値
100 gあたりの栄養価 | |
---|---|
エネルギー | 2,738 kJ (654 kcal) |
13.71 g | |
糖類 | 2.61 g |
食物繊維 | 6.7 g |
65.21 g | |
飽和脂肪酸 | 6.126 g |
一価不飽和 | 8.933 g |
多価不飽和 | 47.174 g |
15.23 g | |
トリプトファン | 0.17 g |
トレオニン | 0.596 g |
イソロイシン | 0.625 g |
ロイシン | 1.17 g |
リシン | 0.424 g |
メチオニン | 0.236 g |
シスチン | 0.208 g |
フェニルアラニン | 0.711 g |
チロシン | 0.406 g |
バリン | 0.753 g |
アルギニン | 2.278 g |
ヒスチジン | 0.391 g |
アラニン | 0.696 g |
アスパラギン酸 | 1.829 g |
グルタミン酸 | 2.816 g |
グリシン | 0.816 g |
プロリン | 0.706 g |
セリン | 0.934 g |
ビタミン | |
ビタミンA相当量 |
(0%) 12 µg9 µg |
チアミン (B1) |
(30%) 0.341 mg |
リボフラビン (B2) |
(13%) 0.15 mg |
ナイアシン (B3) |
(8%) 1.125 mg |
パントテン酸 (B5) |
(11%) 0.57 mg |
ビタミンB6 |
(41%) 0.537 mg |
葉酸 (B9) |
(25%) 98 µg |
ビタミンB12 |
(0%) 0 µg |
コリン |
(8%) 39.2 mg |
ビタミンC |
(2%) 1.3 mg |
ビタミンD |
(0%) 0 IU |
ビタミンE |
(5%) 0.7 mg |
ビタミンK |
(3%) 2.7 µg |
ミネラル | |
ナトリウム |
(0%) 2 mg |
カリウム |
(9%) 441 mg |
カルシウム |
(10%) 98 mg |
マグネシウム |
(45%) 158 mg |
リン |
(49%) 346 mg |
鉄分 |
(22%) 2.91 mg |
亜鉛 |
(33%) 3.09 mg |
マンガン |
(163%) 3.414 mg |
セレン |
(7%) 4.9 µg |
他の成分 | |
水分 | 4.07 g |
| |
%はアメリカ合衆国における 成人栄養摂取目標 (RDI) の割合。 出典: USDA栄養データベース |
項目 | 分量(g) |
---|---|
脂肪 | 65.21 |
飽和脂肪酸 | 6.126 |
一価不飽和脂肪酸 | 8.933 |
18:1(オレイン酸) | 8.799 |
多価不飽和脂肪酸 | 47.174 |
18:2(リノール酸) | 38.093 |
18:3(α-リノレン酸) | 9.08 |
他の作物への影響
[編集]リンゴの果実に褐色の円形病斑を生じ形成果実を腐敗させる病気である『リンゴ炭そ病』[3][4]の伝染源となっている[5]。
脚注
[編集]- ^ a b 町田博、田中茂光、『シナノクルミの系統分類に関する研究 : I 果実の外部形態について』 信州大学繊維学部研究報告 8: 22-31(1958), hdl:10091/5823
- ^ USDA栄養データベースUnited States Department of Agriculture
- ^ リンゴ炭そ病 長野県 長野県病害虫防除所 (PDF)
- ^ りんご幼果に発生した炭そ病の発生特徴と伝染源 岩手県農業研究センター 平成13年度試験研究成果 (PDF)
- ^ 飯島章彦、『リンゴ炭そ病のシナノグルミからの伝染』 関東東山病害虫研究会年報 Vol.1994 (1994) No.41 P123-125, doi:10.11337/ktpps1954.1994.123