シャーリィ・ホームズ
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シャーリィ・ホームズ | |
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ジャンル | 成人向け漫画、ギャグ漫画 |
漫画 | |
作者 | 後藤寿庵 |
出版社 | 富士美出版 |
巻数 | 全1巻 |
話数 | 7話+短編4本 |
テンプレート - ノート |
『シャーリィ・ホームズ』は、後藤寿庵による日本の成人向け漫画、ギャグ漫画であり、「シャーロック・ホームズシリーズ」のパロディ。また、短編集のタイトルでもある。『キャンディータイム海賊版』(富士美出版)で連載された。
なお、目次やタイトルでは「シャーリィ・ホームズ」と中黒(・)が入っているが、表紙や背表紙には入っていない(「シャーリィホームズ」、あるいは「シャーリィ ホームズ」表記)。
収録作品
[編集]『シャーリィ・ホームズ』の各サブタイトルは、原典のパロディとなっている。カッコ内は原典のもの。「ルパン対ホームズ」のみ原典通り(ただし、ドイルの作品ではなく、モーリス・ルブランの作品)。
- シャーリィ・ホームズ
- 天国王伝説
- 鈴木の艦隊
- 愛する寿庵劇場リターンズ アトミック・ケン!!
- みちのく一人旅
- あとがき
「天国王伝説」は、ヒロイック・ファンタジー(もしくはファンタジーRPG)のパロディ、「鈴木の艦隊」は架空戦記のパロディとなっている。「愛する寿庵劇場リターンズ アトミック・ケン!!」、「みちのく一人旅」は、不条理系のギャグ漫画である(山本譲二の「みちのくひとり旅」との関連性は不明)。
シャーリィ・ホームズ
[編集]概要
[編集]日本では「創作上の人物」とされていたシャーロック・ホームズは、かつて実在しており、現在は孫娘シャーリィ・ホームズが探偵業を受け継いでいた。その孫娘と、モリアーリィ教授の孫息子、ルパンの孫娘などライバルたちが織りなす、ギャグとトラブルの物語。
本作の登場人物は、かなりマヌケな行動を取りがちで、かなりドタバタ色が強い。成人雑誌に連載されており、性的シーンも描かれているが、エロよりギャグ色が濃い作品となっている。
各回のサブタイトルは聖典(シャーロック・ホームズシリーズ)のパロディとなっているが、内容的には関係ないことも多く、関係していても「つじつま合わせ」的な事もある(聖典ではない『ルパン対ホームズ』は、そのまま3世同士の対決に採用されている)。
また、シャーロック・ホームズの持つ「鋭い観察力」、「豊富な知識」、「それらに裏付けされた、卓越した推理力」もパロディのネタとなっている。シャーロックの場合、「初対面の人間の住所や職業を当てて相手を驚かせるものの、実は観察・知識を元にした推理である」と明かされるが、シャーリィの場合は、妄想が暴走する、まぐれ当たり(説明不能)などの様相を呈し、依頼者やワトソンを困惑させ、あるいは呆れさせている。以下は事例(最後の2つは成功例)。
- 「レコンキスタの犬」
- 依頼者に対し、「叔父上に関わる事件」と、最初から要件に踏み込んだ発言をするものの、過程が説明できずオーバーヒート。
- また、「魚心あれば水心」の後半を知らず、モリアーティ(3世)にツッコまれた際、連想(「魚心」、「鳥心」、「ブタ心」、「アインシュタイン心」、「マリー・キューリー心」、「ヘレン・ケラー心」、「ウォーター心」)していくものの、「水道心」と結論を出し、モリアーティを呆れさせた。
- 「美少年組合」
- ティーカップの中から登場。「誰にでも出来る簡単なトリック」と切り出し、説明を試みるも失敗し、爆発。
- また、「付け鼻をしただけの変装で、ガラリと印象を変える」と説明し、付け鼻を装着したが、「完全に着ぐるみを着た状態(外見の怪物化)」に変化していた。同話ではモリアーティも「付け耳(左右とも)だけで怪物化」という変装術を披露した。
- 「青い○玉」
- 依頼人から脅迫状を見せられ、「字、インク、クセから推理」しようと試みるが失敗(オーバーヒート)。
- 「3人のデブデブ」
- 手がかりの少ない事件だったが、「美少年が絡んでいる」と知り、即座にアジトを突き止め、乗り込んだ。
- 「あやしい自動車乗り」
- 上の空でいい加減な推理しか出来ず、その結果、1週間で3つの未解決事件を解決した。
登場人物
[編集]メイン・キャラクター
[編集]- シャーリィ・ホームズ
- シャーロック・ホームズの孫娘で私立探偵。ベーカー街221B在住だが、日本人観光客には伏せてある(日本人観光客がやってくると建物ごと地下に移動し、隠れる)。
- 金髪碧眼の美少女。性的嗜好は童貞の美少年を好み、男の子を見るや性交に及ぼうとする(依頼人や敵でも見境なし)が、実は処女。ストライク・ゾーンは「10歳プラスマイナス4歳」で、15歳に対して「ギリギリ(セーフ)」と判定した。
- 本来、頭は良いのだが、的外れな推理しかできないため事件が混迷する。「美少年が絡むと有能」とされており、そのため敵が女装していたこともある(「3人のデブデブ」)。また「上の空だと有能」、「真剣だと無能」という面もあり、最終話「あやしい自動車乗り」では有能さを見せ、その推理の鋭さにスコットランド・ヤードが困惑し、混乱した。
- 実はかなりの格闘能力を有する。
- 「美少年1000人にかしづかれた、普通の可愛いお嫁さん」に憧れるも、すぐにワトソンにツッコまれていた。
- ジミー・ワトソン
- ホームズの助手であったワトソン博士の孫。金髪碧眼の美少年で童貞。シャーリィの保護者的存在で頭も良い。
- シャーリィのことは異性として意識しているものの、あけっぴろげな性格には辟易している。
- 素手で飛んでくる銃弾を掴むほど、身体能力が高い。
- 母親がジミー(ちゃん)と呼ぶ以外は、「ワトソン」と呼ばれている。
- モリアーティ(3世)
- かつてロンドンの裏社会を牛耳った、モリアーリィ教授の孫息子。黒マントにモノクル(片メガネ)の美少年。祖父と同じく「犯罪界のナポレオン」を自認している。
- シャーリィを出し抜こうとするが、さらに裏をかかれて追い詰められ、服を脱がされることが多い。中盤以降は出番が減り(「空き牢屋事件」)、脱がされることもなくなっていく(代わりに別の美少年(達)が脱がされる)。
- 「空き牢屋事件」以外では、特に「3世」とは呼ばれず、「モリアーティ」と呼ばれる。
- レストレード警部
- スコットランドヤードの警部。シャーロックと共に活動したレストレード本人であり、100歳を超える老人。
- シャーリィの祖父であるシャーロックに義理立てに事件解決を依頼することが多いが、彼自身はシャーリィの推理能力に全く期待していない。そのため、シャーリィが意味もなく有能になってしまった時は、警察全体が大混乱してしまった。
- ジミー・ワトソンの母
- 専業主婦と思われる。ワトソン博士の実の娘(ワトソン2世)か、息子(ワトソン2世)の妻なのかは不明。息子とシャーリィの付き合いは許容、というより積極的に応援しており、2人のセックスを期待していた。
- モリアーティ2世捕縛にも関わっており、戦闘能力は極めて高い。
- 夫は登場せず。その存在に関しては、「5年前のモリアーリィ2世の事件」で語られるのみ。
- モリアーティ(3世)のことを「犯罪界のナポリタン」と間違え、本人を激昂させた。
ゲスト・キャラクター等
[編集]- モリアーティ2世
- 「空き牢屋事件」に登場。モリアーティ3世の父親。
- 5年前に、幼いシャーリィを犯そうとしてホームズ2世を殺害したものの、ワトスン2世夫婦の反撃を受け、モリアーティ邸に監禁されていた。監禁されていた中で力を蓄えて脱走するも、ジミー・ワトソンに倒された。
- 「犯罪界のナポリタン」と称する。
- アルベルチーヌ・ルパン
- 「ルパン対ホームズ」に登場。アルセーヌ・ルパンの孫娘(フランス人)。「『ルパン三世』とは、作品が違うので問題ない」とモリアーティ3世が説明した。
- シャーリィ同様に美少年趣味を持つ(15歳未満限定)。100人の美少年の部下を抱えている。
- 肩マントとブーツのみ、というコスチュームをしている。ワトソンをさらい、自分の性的な魅力にひれ伏させようとしたが失敗(ワトソンいわく「脱ぐ前と大差ない」)。シャーリィに現場に踏み込まれ、彼女に敗北した100人の部下の精液まみれになりながら乱闘した。
- ライオネル
- 「美少年組合」に登場。秘密結社「薔薇のつぼみ」ロンドン支部長。美少年にして童貞。
- シャーリィにロンドン支部に踏み込まれて童貞を奪われかけるが、ワトソンによって助けられる。
- メリー・ホプキンス
- 「青い○玉」に登場。事件の依頼人。どう見ても10代の美少女だが、実は98歳。12歳の息子がいる(86歳で出産)。
- 若い頃のシャーロックを見たことがあり、りりしい表情をしたシャーリィのことを「おじい様に似ている」と評した。
- ERA
- 「3人のデブデブ」に登場した組織。「イングランド共和国軍」の略称。「イングランドを連合王国から独立させる」という目的の過激派(レストレードが「意味不明(の目的)」と説明している)。→「アイルランド共和軍」を参照
- 美少年ぞろいで、シャーリィの介入(美少年絡みの事件だと有能なため)を防ぐべく、女装して事件を起こしていた。しかし、美少年ぞろいであることを知られ、本人に乗り込まれる。この件でシャーリィが処女と判明、ERAやワトソンに大きな戸惑いを生んだ(ERAの中には自首した者もいる)。
- アリシア
- 最終回「あやしい自動車乗り」に登場。同じ後藤寿庵の作品『アリシア・Y』の主人公。
- シャーリィから処女喪失に関する相談を受け、ナイアールとの初体験を告白した。
鈴木の艦隊
[編集]- 概要
架空戦記のパロディ漫画。実在した歴史上の人物が登場するが、彼らのほとんどが美少年化(もしくは美青年化)しているのが特徴。また、「日本海軍の起死回生の秘密兵器」が4種登場するが、その内3種が「既存の兵器(戦艦、空母、戦闘機)の超大型化」という点も特徴である(残り1つは、「原子爆弾の試作品」)。
- ストーリー
- 昭和17年(1942年)6月5日、ミッドウェー海戦で敗北した日本海軍は、戦局を打開すべく、秘密兵器を投入した。その試験航海の指揮をとる山本五十六と米軍との戦いが、ギャグを交えて展開する。
- 登場人物、兵器等
- 斜体は美形化している人物。
- 山本五十六
- 本作の主人公で日本海軍の長官。美形化している上に、長髪で、さらに金髪。
- 東条英機(当時の首相)にすら伏せて、鈴木艦隊を設立した。東条のことを「磯野波平に似ている」と称したが、「『サザエさん』は戦後の作品です」と部下にツッコまれていた。
- 「秘密実験なので」、「人手不足なので」という理由で、鈴木艦隊の乗組員を新兵ばかりで構成したが、ほぼ全員が女子高生、という状態で、さらに「試作品のテレビジョンのテストを、湿気の多い環境で行う」として、女子用の浴場にカメラを仕掛けていた。
- 魔羅軍曹
- 鈴木艦隊の乗組員で、教育係。いわゆる鬼軍曹であるが、名前(魔羅)のせいで、名乗った瞬間に全乗組員(女子高生)に拒絶反応を示され、落ち込んだ。
- ダグラス・マッカーサー
- アメリカ陸軍太平洋方面司令長官。トレードマークのパイプとサングラスを着用。スパイからの情報で日本の秘密計画を知るものの、特に活躍することはなく、むしろ部下にからかわれていた。
- 超戦艦鈴木
- 鈴木艦隊の旗艦(超巨大兵器その1)。超巨大戦艦で、全長・全幅ともに戦艦大和 の10倍ほどの大きさを誇る(数値は示されず、比較図のみ)。主砲の性能は大和の10倍で、「主砲の口径は460センチ、射程距離は400キロメートル」を誇る。「地平線の彼方」にあるアメリカ艦隊を発見し砲撃、戦艦2隻と空母1隻を沈めた。
- 艦隊は、他に超空母田中、戦艦大和、武蔵、長門などで構成されている。
- 超空母田中
- 超巨大空母(超巨大兵器その2)。零戦改を搭載している。
- ハルゼー
- アメリカ海軍の提督。耽美系の美少年になっている。鈴木艦隊の奇襲を受けたが、動揺せずに反撃指令を下した。
- 零戦改
- ゼロ戦を超大型化した軍用機(超巨大兵器その3)。田中から飛び立ち、編隊を組んで敵機に向かった。正確な大きさは不明だが、アメリカ軍機が零戦改のプロペラ・シャフトほどの大きさしかない。
- 原子爆弾
- 日本軍の開発した試作品。山本が「零戦改が大きいので、試しに入れてみた」ところ、不慣れな女子高生パイロットが誤ってハルゼー艦隊に投下した。
- ルーズベルト
- アメリカ大統領。メガネをかけている。鈴木艦隊が原爆を使用したことに危機感を抱き、マンハッタン計画で使う予定だった原爆をB29に積ませ、鈴木艦隊に差し向けた。
- まゆ毛のない技術者
- 通りすがりの技術者。「こんなこともあろうかと」、極秘で開発していた空間磁力メッキで原爆を反射させ、鈴木艦隊をピンチから救った。真田志郎をデフォルメした顔をしており、コスチュームも『宇宙戦艦ヤマト』のクルーのものである(『〜ヤマト』第1シリーズ最終回で、真田がデスラー砲を反射させた時のパロディ)。
- アドルフ・ヒトラー
- ドイツ第三帝国総統。日本とアメリカの共倒れを願っている。
- ヒムラー
- 怪物然とした外見で、「超生物」と呼称されている。セリフはなく、鳴き声のみ。知性の高さ(低さ)の程度は不明。
あとがき
[編集]「あとがき」では、次のように書かれている。
- やけくそ天使
- 吾妻ひでおの漫画。「(『やけ天』を)かなり意識している」と書かれている。
- 「青い○玉」においては、「『やけ天』のパクリと指摘されたが、若い読者は『やけ天』を知らないから構わない」と、シャーリィが説明していた。
- ワトソンの母
- 「無意識に『修羅の門』の舞子の母親に似せてしまった」と説明している。
書籍情報
[編集]- 後藤寿庵『シャーリィ・ホームズ』 富士美出版、全1巻
- 1994年6月20日発売、ISBN 9784894210691
外部リンク
[編集]- シャーリィ・ホームズ - マンガ図書館Z(※18禁)