シング・ストリート 未来へのうた
シング・ストリート 未来へのうた | |
---|---|
Sing Street | |
監督 | ジョン・カーニー |
原案 |
ジョン・カーニー サイモン・カーモディ[注 1] |
製作 |
|
出演者 | |
撮影 | ヤーロン・オーバック[注 3] |
編集 |
|
製作会社 |
|
配給 | |
公開 | |
上映時間 | 105分36秒[3] |
製作国 |
アイルランド アメリカ合衆国 イギリス |
言語 | 英語 |
興行収入 |
960万ドル[4] 1億6000万円[5] |
画像外部リンク | |
---|---|
en:image:Sing Street poster.jpeg ? 本国での劇場公開時のポスター |
『シング・ストリート 未来へのうた』(シング・ストリート みらいへのうた、英: Sing Street)は、2016年に公開されたアイルランドの音楽映画・コメディドラマ。脚本・制作・監督はジョン・カーニーが務めた。出演は、フェルディア・ウォルシュ=ピーロ、ルーシー・ボイントン、ジャック・レイナーほか。1985年のダブリンを舞台に、不景気や転校でどん底にいた男子高校生の人生が、一目惚れした女の子の気を引くためバンドを結成することで変化していく様子を描く。
映画は、2016年1月24日に、サンダンス映画祭 (2016 Sundance Film Festival) でワールド・プレミアを迎えた[6]。その後アイルランドで3月17日、アメリカ合衆国で4月15日、イギリスで5月20日に封切られた[7][8][9]。日本では同年7月9日にヒューマントラストシネマ有楽町、渋谷シネクイントなどで公開され、その後全国展開された[10][11]。
あらすじ
[編集]舞台は1985年の、ダブリン南部にあるインナーシティ地区。この場所に住むロウラー家は、不況から建築家の父ロバート(演:エイダン・ギレン)が失業し、苦境に立たされていた。喧嘩が絶えないロバートと妻ペニー(演:マリア・ドイル・ケネディ)は別居も考えており[注 5]、ロバートは酒浸りで喫煙量も増えている。ある日の家族会議で、ロバートは末の息子コナー(主人公、演:フェルディア・ウォルシュ=ピーロ)へ、学費を節約するため、私立学校から無料の公立高校へ転校するよう話す。ロバートは転校先のシング・ストリート高校について、評判は良い学校だと話すが、コナーの兄・ブレンダン(演:ジャック・レイナー)は、ばらばらになった家族の現状とコナーの転校を思い切りからかう。そんな現状から逃れるように、ブレンダンとコナーはロンドンのポップ音楽へのめり込む。
シング・ストリート高校は「クリスチャン・ブラザーズ」というカトリックの修道会が運営する学校で、コナーが元いたイエズス会運営の学校とは校風が違っていた。登校初日、校則違反の茶色い靴を校長のバクスター修道士(演:ドン・ウィチャリー)に見咎められ[注 6]、いじめっ子のバリー(演:イアン・ケニー)に目を付けられてしまう。散々なスタートを切ったコナーに、ただひとり自称「校内コンサルタント」のダーレン(演:ベン・キャロラン)が声を掛け、2人は友人になる。2人が下校しようとした時、コナーは、高校の真向かいにあるフラットの入り口に立つ若い女性モデル・ラフィーナ(演:ルーシー・ボイントン)に気付き、その姿に一目惚れする。彼女の気を引くため、コナーは組んでもいないバンドのミュージック・ビデオ (MV) へ出演しないかと持ちかけ、ラフィーナの電話番号を手に入れる。成り行きでダーレンはマネジメント担当を引き受け、楽器に万能な友人・エイモン(演:マーク・マッケンナ)をコナーに引き合わせる。
その後「街で唯一の黒人」として誘われたンギグ(演:パーシー・チャンブルカ)、メンバー募集の張り紙を見てやってきたギャリー(演:カール・ライス)とラリー(演:コナー・ハミルトン)を加え、バンドは5人体制になる。またバンド名は、高校名とかけて「シング・ストリート」(英: Sing Street)に決まる[注 7]。彼らはエイモンの家で1980年代のバンドをコピーし始めるが[注 8]、デュラン・デュランのヒット曲をコピーしたテープを聴いたブレンダンは、ロックの師匠として「他人の曲で女の子を口説くな、自分の曲を作れ」と弟を叱咤する。コナーはエイモンと作曲を始め、自作曲『モデルの謎』(英: "The Riddle of the Model")を完成させる。メンバーはてんでんばらばらの衣装を着てミュージック・ビデオ撮影に臨み、ラフィーナは謎のあるモデル役とメイクアップを担当する。撮影後、コナーはラフィーナを家まで送り届け、キスをしようとする。ところがそこにラフィーナの年上の彼氏・エヴァン(演:ピーター・カンピオン)がオープンカーを乗り付け、彼女を連れて走り去ってしまう。別れ際にラフィーナは、エヴァンとロンドンに出て、モデルとして成功すると夢を語る。2人が立ち去った後、コナーはラフィーナの住むフラットが、実は身よりの無い子供たちのために作られた施設だと気付く。帰宅して落ち込むコナーを、ブレンダンは彼なりに勇気づけて弟の恋を応援する。
数日後、コナーと再び会ったラフィーナは、自分の生い立ち[注 9]をコナーに話し、新曲を書いて、自分がロンドンに発つ前にMVを撮影してほしいと頼む。海辺のダン・レアリー[注 10]で2本目のMVを撮影している最中、ラフィーナは「何事も半端はだめ」と、泳げないにもかかわらず作品のため海へ飛び込む。コナーは海へ飛び込みラフィーナを助けてキスを交わし、2人の間に信頼感が生まれる。
ロバートとペニーの婚姻はいよいよ破綻を来すが[注 11]、一方でコナーとラフィーナは交際を進展させ、2人はコナーの祖父が所有していたモーターボートでダン・レアリーから程近いダルキー島へ向かう。島から、アイルランドを離れブリテン島へ向かうフェリーを見た2人は[注 12]、ラフィーナの「アイルランドを離れロンドンに行く」夢について語り合う。
学校主催のプロムを初ライブに決めたメンバーは、新曲・MV作りに没頭する。コナーは『バック・トゥ・ザ・フューチャー』ばりのMVを撮ろうと妄想するが[注 13]、ラフィーナは撮影現場に現れない。彼女のフラットに向かったコナーは、住人からラフィーナがエヴァンと共にロンドンへ旅立ったことを伝えられる。ところが、エヴァンにはつてなど無くロンドンで雲隠れし、彼に騙されたラフィーナは程なくしてダブリンに戻ってくる。バンドはプロムに向けて準備を進め、家庭環境からぐれていたいじめっ子のバリーをローディーとして引き込む。プロムでのライブでは、バクスターを揶揄する歌まで歌って大成功する。
プロムの後、コナーとラフィーナは、モーターボートが停泊しているダン・レアリーまで送ってほしいとブレンダンに頼み込む。2人はモーターボートでウェールズのホリーヘッド[12]へ向かう計画を明かす。コナーとラフィーナはブレンダンに見送られ、ロンドンでの新しい生活を求めて、ブリテン島へ向かうフェリーを追うように、モーターボートでアイリッシュ海を渡るのだった。
映画の最後には、"For Brothers Everywhere" との献辞が表示される[15]。
キャスト
[編集]以下は公式パンフレット、プロダクション・ノートに拠った[16][17]。
役名 | キャスト | 日本語吹替 | 備考 |
---|---|---|---|
コナー・"コズモ"・ロウラー[注 14] Conor "Cosmo" Lalor[18] |
フェルディア・ウォルシュ=ピーロ Ferdia Walsh-Peelo |
小川ゲン | 主人公、バンド『シング・ストリート』のボーカル |
ラフィーナ Raphina |
ルーシー・ボイントン Lucy Boynton |
近藤唯 | ロンドンで大成することを目指すモデル、本作のヒロイン |
ブレンダン Brendan |
ジャック・レイナー Jack Reynor |
金谷ヒデユキ | コナーの兄で「ロックの師匠」 |
ロバート Robert |
エイダン・ギレン Aidan Gillen |
宮崎敦吉 | ブレンダン、アン、コナーの父で、失業した建築家 |
ペニー Penny |
マリア・ドイル・ケネディ Maria Doyle Kennedy |
仲村かおり | ブレンダン、アン、コナーの母 |
アン Ann |
ケリー・ソーントン Kelly Thornton |
ブレンダンの妹、コナーの姉。大学で建築を学ぶ | |
ダーレン Darren |
ベン・キャロラン Ben Carolan |
バンド『シング・ストリート』のマネージャー・カメラマン | |
エイモン Eamon |
マーク・マッケンナ Mark McKenna |
楽器に万能。バンド『シング・ストリート』のギター | |
ンギグ Ngig |
パーシー・チャンブルカ Percy Chamburuka |
黒人という理由で誘われた、バンド『シング・ストリート』のキーボード | |
ラリー Larry |
コナー・ハミルトン Conor Hamilton |
バンド『シング・ストリート』のドラム | |
ギャリー Garry |
カール・ライス Karl Rice |
バンド『シング・ストリート』のベース | |
バリー Barry |
イアン・ケニー Ian Kenny |
いじめっ子でコナーに目を付けるが、後にバンドのローディーとなる | |
バクスター校長 Brother Baxter |
ドン・ウィチャリー Don Wycherley |
千葉繁 | シング・ストリート高校の校長を務める修道士 |
ミス・ダン Miss Dunne |
リディア・マクギネス Lydia McGuinness |
シング・ストリート高校の美術教師 |
制作
[編集]計画の始動
[編集]2014年2月、ジョン・カーニーが、「男子学生が女子の気を引くためバンドを始める」という筋のシナリオを元に映画を監督すると発表された[19]。カーニーは自身の率いるディストレスド・フィルムズ(英: Distressed Films)を通じてこの映画の制作面にも関わったが、制作には、他にもライクリー・ストーリーのアンソニー・ブレグマン、パルムスター・メディアのケヴィン・フレイクス、マースド・メディア・パートナーズ(英: Merced Media Partners)のラージ・ブリンダー・シン、フィルムウェーヴ(英: FilmWave)のポール・トライビッツ、クリスティアン・グラスが名を連ねている[注 2][19]。作品は、カーニーがダブリンで過ごした子供時代を、半自伝的に描いたものとされている[20]。
配役
[編集]2014年7月に行われたインタビューで、カーニーは無名の俳優を映画に使うつもりだと明かした[21][22]。主演のフェルディア・ウォルシュ=ピーロも無名俳優だったほか、バンドのメンバーを演じたベン・キャロラン、マーク・マッケンナ、パーシー・チャンブルカ、コナー・ハミルトン、カール・ライス、イアン・ケニーは、いずれも本作が長編映画デビューとなった[17][23]。2014年9月には、エイダン・ギレン、マリア・ドイル・ケネディ、ジャック・レイナーの出演が発表され、それぞれ父、母、息子の役を演じるとされた[24][25]。
撮影
[編集]映画の主撮影は2014年9月にアイルランド・ダブリンで始まり、同年10月25日にクランクアップした[26]。ロケ地の中には、実際のシング・ストリート・クリスチャン・ブラザーズ・スクールが含まれていたが[27]、この学校はカーニー監督の母校である[28]。
音楽
[編集]劇中でバンド『シング・ストリート』が演奏するオリジナル曲の多くは、80年代に活躍した作曲家のゲイリー・クラークが制作したものである[29][30][31]。またカーニー監督自身も、クラークと並んでオリジナル・ソング制作者としてクレジットされている[32]。また、北アイルランドのバンド・レリッシュのケン・パペンフュス、カール・パペンフュス兄弟[33]、グレアム・ヘンダーソンやザモ・リフマンも作曲者として名を連ねている[注 15][34]。またマルーン5のアダム・レヴィーンは、カーニーやグレン・ハンサードと共作し、映画の主題歌にもなった "Go Now" を書き下ろしている[35]。
また、映画には当時の音楽として、ザ・キュアー、a-ha、デュラン・デュラン、ザ・クラッシュ、ホール&オーツ、スパンダー・バレエ、ザ・ジャムなどの曲がふんだんに使用されている[36]。
サウンドトラック
[編集]映画のサウンドトラックは、デッカ・レコードから2016年3月18日にリリースされた[29]。また日本では、オリジナル・サウンドトラックが2016年7月6日に発売された[11][37][38]。
以下のトラックリストで、作曲者や演奏者については公式モーション・ピクチャを参照した[36]。
# | タイトル | 作詞・作曲 | アーティスト | 時間 |
---|---|---|---|---|
1. | 「Rock N Roll Is a Risk」(Dialogue) | Jack Reynor | ||
2. | 「Stay Clean」 | Edward Clarke, Ian Kilmister, Philip Taylor | Motörhead | |
3. | 「The Riddle of the Model」(邦題:『モデルの謎』[39]) | John Carney, Gary Clark, Graham Henderson, Carl Papenfus, Ken Papenfus, Eamonn Griffan | Sing Street | |
4. | 「Rio」 | Simo le Bon, Nick Rhodes, Andy Taylor, John Taylor, Roger Taylor | Duran Duran | |
5. | 「Up」(邦題:『アップ』[39]) | John Carney, Gary Clark, Graham Henderson, Carl Papenfus, Ken Papenfus, Eamonn Griffan | Sing Street | |
6. | 「To Find You」(邦題:『君をさがして』[39]) | Gary Clark | Sing Street | |
7. | 「Town Called Malice」(邦題:『悪意という名の街』[36]) | Paul Weller | The Jam | |
8. | 「In Between Days」(en) | Robert Smith | The Cure | |
9. | 「A Beautiful Sea」(邦題:『ア・ビューティフル・シー』[39]) | John Carney, Gary Clark, Graham Henderson, Carl Papenfus, Ken Papenfus, Eamonn Griffan | Sing Street | |
10. | 「Maneater」(邦題:『マンイーター』) | Sara Allen, Daryl Hall, John Oates | Hall & Oates | |
11. | 「Steppin' Out」(邦題:『ステッピン・アウト』) | Joe Jackson | Joe Jackson | |
12. | 「Drive It Like You Stole It」(邦題:『思い切りアクセルを踏め』[39]) | Gary Clark | Sing Street | |
13. | 「Up」(Bedroom Mix) | John Carney, Gary Clark, Graham Henderson, Carl Papenfus, Ken Papenfus, Eamonn Griffan | Sing Street | |
14. | 「Pop Muzik」(邦題:『ポップ・ミューヂック』) | Robin Scott | M | |
15. | 「Girls」(邦題:『ガールズ』[39]) | John Carney, Gary Clark, Graham Henderson, Carl Papenfus, Ken Papenfus, Eamonn Griffan | Sing Street | |
16. | 「Brown Shoes」(邦題:『茶色い靴』[39]) | John Carney, Gary Clark, Graham Henderson, Carl Papenfus, Ken Papenfus, Eamonn Griffan | Sing Street | |
17. | 「Go Now」(邦題:『ゴー・ナウ』[39]) | Glen Hansard, John Carney, Graham Henderson, Carl Papenfus, Ken Papenfus, Eamonn Griffan | Adam Levine | |
合計時間: |
また、他にも次のような曲が劇中で使われている[36]。
- "Mechanic Of Your Heart"『ハートの修理工』 - 作:ジョン・カーニー、歌:フェルディア・ウォルシュ=ピーロ
- "Yellow Pearl"『イエロー・パール』 - 作:フィル・ライノット、ジェームズ・ユーア、歌:フィル・ライノット
- "I Fought The Law"『アイ・フォウト・ザ・ロウ』 - 作:ソニー・カーティス、歌:ザ・クラッシュ
- "Take On Me"『テイク・オン・ミー』 - 作:マグネ・フルホルメン、モートン・ハルケット、ポール・ワークター、歌:a-ha
- "The Love Cats" - 作:ロバート・スミス、オリジナル演奏:ザ・キュアー、劇中演奏:マーク・マッケンナ
- "Axel F" - 作:ハロルド・フォルターメイヤー、映画『ビバリーヒルズ・コップ』テーマ曲、劇中演奏:マーク・マッケンナ
- "Waiting For A Train" - 作:ハリー・ヴァンダ、ジョージ・ヤング、歌:フラッシュ・アンド・ザ・パン
- "Don't Go Down" - 作:ファーガス・オファレル、グレン・ハンサード、歌:インターフェレンス・アイルランド
- "Paperlate" - 作:アンソニー・バンクス、フィリップ・コリンズ、マイケル・ラザフォード、歌:ジェネシス
- "Ghost Of A Chance" - 作:ポール・クリアリー、歌:ブレイズ
- "Gold" - 作:ゲイリー・ケンプ、歌:スパンダー・バレエ
- "Nothing's Gonna Stop Us Now"『愛はとまらない』 - 作:アルバート・ハモンド、ダイアン・ウォーレン、歌:スターシップ
評価
[編集]批評家の反応
[編集]映画批評サイトRotten Tomatoesでは、2016年9月13日現在151件のレビューが寄せられ、肯定的批評97%の「新鮮な映画」に分類されている[40]。また平均点数は8.1/10である[40]。Metacriticでは37件のレビューに基づき、100点満点中79点のスコアが付けられた[41]。
受賞
[編集]受賞とノミネーションの一覧 | |||||
---|---|---|---|---|---|
映画賞 | 授賞式開催日 | 部門 | 対象 | 結果 | 脚注 |
第13回 (en) アイルランド映画&テレビ賞 (en) | 2016年4月9日 | 最優秀映画賞 | 映画本編 | ノミネート | [42] |
最優秀監督賞 | ジョン・カーニー | ノミネート | |||
最優秀脚本賞 | ジョン・カーニー | ノミネート | |||
最優秀助演男優賞 | ジャック・レイナー | 受賞 | |||
最優秀オリジナル・スコア賞 | ゲイリー・クラーク ジョン・カーニー |
ノミネート | |||
最優秀音響賞 | ロバート・フラナガン[注 16] | ノミネート | |||
最優秀コスチューム・デザイン賞 | ティツィアーナ・コルヴィシエリ[注 17] | ノミネート | |||
最優秀メイクアップ・ヘアメイク賞[注 18] | 映画本編 | ノミネート | |||
第22回クリティクス・チョイス・アワード | 2016年12月11日 | 歌曲賞 | "Drive It Like You Stole It" — ゲイリー・クラーク |
ノミネート | [43] |
第21回サンディエゴ映画批評家協会賞 | 2016年12月12日 | 最優秀オリジナル・スコア賞 | 映画本編 | 受賞 | [44][45] |
第13回セントルイス映画批評家協会賞 | 2016年12月18日 | 最優秀サウンドトラック賞 | 映画本編 | 受賞 | [46] |
最優秀歌曲賞 | "Drive It Like You Stole It" — ゲイリー・クラーク |
ノミネート | |||
フェニックス映画批評家協会賞 | 2016年12月20日 | 最優秀映画賞 | 映画本編 | ノミネート | [47] |
最優秀オリジナル歌曲賞 | "Drive It Like You Stole It" | ノミネート | |||
Overlooked Film of the Year[注 19] | 映画本編 | 受賞 | |||
第12回オースティン映画批評家協会賞 | 2016年12月28日 | 最優秀作品賞 | 映画本編 | 10位 | [48] |
第88回ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞 | 2017年1月4日 | インディペンデント映画トップ10 | 映画本編 | 受賞 | [49] |
第10回ヒューストン映画批評家協会賞 | 2017年1月6日 | 最優秀主題歌賞 | "Drive It Like You Stole It" — ゲイリー・クラーク |
ノミネート | [50][51] |
第74回ゴールデングローブ賞 | 2017年1月8日 | 作品賞 (ミュージカル・コメディ部門) | 映画本編 | ノミネート | [52][53] |
ゴールデン・トマト賞 | 2017年1月12日 | Best Limited Release 2016 | 映画本編 | 4位 | [54] |
最優秀ミュージカル/音楽映画賞 | 2位 | ||||
デンバー映画批評家協会賞 | 2017年1月16日 | 最優秀オリジナル歌曲賞 | "Drive It Like You Stole It" | 受賞 | [55][56] |
第36回ロンドン映画批評家協会賞 | 2017年1月22日 | 今年のイギリス/アイルランド映画 (en) | 映画本編 | ノミネート | [57] |
今年の若手イギリス/アイルランド俳優 | フェルディア・ウォルシュ=ピーロ | ノミネート | |||
技術賞 | ジョン・カーニー、ゲイリー・クラーク | ノミネート |
リリース
[編集]2014年2月、フィルムネイション・エンターテインメントが、映画の配給権を国際的に販売すると発表された[58]。同年5月には、ワインスタイン・カンパニーがアメリカ合衆国での配給権を300万ドルで獲得したと報じられた[59]。
映画はサンダンス映画祭で、2016年1月24日にワールド・プレミアを迎えた[6]。また、同年2月18日にはダブリン国際映画祭[60]、3月11日にはサウス・バイ・サウスウェストで上映されている[61]。
その後、3月17日にはアイルランド[62]、4月15日にはアメリカ合衆国[7]、5月20日には英国で劇場公開された[9]。
日本では2016年7月9日に公開され[11]、レートはPG-12に指定された[63]。「君の夢は、僕の夢になった。」とのキャッチコピーが付けられたほか、字幕翻訳は石田泰子が担当した[37]。
ディスク販売
[編集]本国では、2016年7月26日にDVD・Blu-ray Disc・オンデマンドで発売された[64]。またiTunesでは7月12日、Digital HDでは7月19日に先行配信されている[65]。
日本版のディスクは2017年2月2日に発売され、同年1月18日にTSUTAYAで先行レンタルが行われることが発表された[66]。ディスクはTシャツ・特典DVDの付いたBlu-ray Discプレミアム・エディション、1枚組のBlu-ray Discスタンダード・エディション、スタンダード・エディションと同一内容のDVDの3パターン展開である[66]。
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 英: Simon Carmody
- ^ a b Anthony Bregman of Likely Story, John Carney, Kevin Scott Frakes, Christian Grass, Martina Niland, Raj Brinder Singh, Paul Trijbits
- ^ 英: Yaron Orbach
- ^ Andrew Marcus, Julian Ulrichs
- ^ アイルランドでは、1995年の国民投票 (en) を受けて改正されるまで、離婚が憲法で禁止されていた[12]。1986年にも離婚容認を目指した同様の国民投票が行われているが、これは反対多数で否決されている (en) 。またアイルランドには、離婚を教義で禁止するローマ・カトリックの信者も多い。
- ^ コナーは校則を知らなかったためで悪気はなく、買い直す余裕もないと訴えるが、校長は学校にいる間は靴を校長室に置いていくよう言いつける。このせいでコナーはしばらく靴下のみで学校生活を送ることになる。後に彼は、美術の時間に靴を黒く塗って校長に対抗するが、その後も化粧を見咎められるなど、コナーは反抗的な生徒として敵視される。
- ^ 高校名は、同じ読みでスペルが違う "Synge Street CBS" である。
- ^ エイモンの父が結婚式の余興でコピーバンド演奏を行うことから、エイモンの家には楽器が豊富にあった。
- ^ 酒浸りだったラフィーナの父は数年前に自動車事故で亡くなり、母は躁鬱病から入退院を繰り返していた。
- ^ ダブリンの南側にある海沿いの町。
- ^ ペニーはパートで働く職場の上司と不倫関係にあった。夫妻は別居を選び、ペニーは不倫相手のトニーと住むため家を出て行く。ロバートと子供たちは家に残るが、数日後に家は売りに出される。
- ^ 映画冒頭で、1980年代に不況に陥ったアイルランドでは、仕事を求めてイギリスに渡る若者が多かったことが語られる。
- ^ 『バック・トゥ・ザ・フューチャー』では、主人公マーティ(マイケル・J・フォックス)が、30年前の1955年にタイムトラベルし、プロムでギターを弾くシーンがある。また映画自体は、作品の舞台となっている1985年に公開された。日本版公式パンフレットでは、Base Ball Bearの小出祐介がこのオマージュについて指摘している[13]。このシーンで使われる曲 "Drive It Like You Stole It"のMVはYouTubeの公式アカウントで視聴できる[14]。
- ^ 「コズモ」(英: "Cosmo")の名前は、「バンドにはインパクトが必要」としてラフィーナが付けた愛称。
- ^ 英: Graham Henderson and Zamo Riffman
- ^ 英: Robert Flanagan
- ^ 英: Tiziana Corvisieri
- ^ 英: Best Makeup & Hair
- ^ 「今年の見逃された作品」の意味。
出典
[編集]- ^ “Film Distributor's Association - Past, present and future releases”. February 19, 2016閲覧。
- ^ “シング・ストリート 未来へのうた”. ギャガ. 2016年9月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年9月11日閲覧。
- ^ “SING STREET (12A)”. British Board of Film Classification (15 March 2016). 15 March 2016閲覧。
- ^ “Sing Street (2016)”. The-Numbers. September 3, 2016閲覧。
- ^ 『キネマ旬報 2017年3月下旬号』p.78
- ^ a b “Join Us: Win Tickets and Attend Exclusive Screenings at the 2016 Festival”. Sundance Institute. 2016年9月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年9月11日閲覧。
- ^ a b D'Alessandro, Anthony (23 February 2016). “Weinstein Co. Dates ‘Sing Street’ & Roberto Duran Boxing Title 'Hands of Stone'”. Deadline.com. 23 February 2016閲覧。
- ^ “Sing Street”. ライオンズゲート・フィルムズ. 2016年9月12日閲覧。
- ^ a b “Sing Street”. FilmDates.co.uk. 2016年9月11日閲覧。
- ^ “映画『シング・ストリート 未来へのうた』公式サイト”. 2016年9月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年9月11日閲覧。
- ^ a b c “シング・ストリート 未来へのうた 【CD】”. ユニバーサル・ミュージック・ジャパン. 2016年9月11日閲覧。
- ^ a b 森岡裕子(編) (2016, p. 11)
- ^ 森岡裕子(編) (2016, p. 5)
- ^ Sing Street - Drive It Like You Stole It (Official Video) - YouTube
- ^ Malahovska, Julia (27 February 2016). “#GFF16 Glasgow Film Festival 2016: SING STREET Review”. Screen Relish 31 March 2016閲覧。
- ^ 森岡裕子(編) (2016, p. 3)
- ^ a b The Weinstein Company (2016, pp. 20–24)
- ^ “Sing Street”. RTÉ.ie (2016年2月18日). 2016年2月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年9月20日閲覧。
- ^ a b McNary, Dave (February 6, 2014). “Berlin: Bono, The Edge on Board for John Carney’s ‘Sing Street’”. Variety.com. 2016年9月12日閲覧。
- ^ Dave Lewis (2014年2月6日). “'Once' director reteaming with U2 on new movie”. HitFix 2016年9月12日閲覧。
- ^ Molumby, Deirdre (1 July 2014). “John Carney Will Cast Unknown Actors in ‘Sing Street’”. Iftn.ie. 2016年9月12日閲覧。
- ^ Douglas, Edward (1 July 2014). “Interview: Once Director John Carney Begins Again”. Comingsoon.net. 2016年9月12日閲覧。
- ^ 森岡裕子(編) (2016, p. 16)
- ^ Butler, Laura (17 September 2014). “Love/Hate's Aiden Gillen will join Jack Reynor for John Carney's new film Sing Street”. Independent.ie. 19 January 2016閲覧。
- ^ Brosnan, Sean (17 September 2014). “Aiden Gillen Joins Maria Doyle Kennedy and Jack Reynor in John Carney's Sing Street'.”. Iftn.ie. 19 January 2016閲覧。
- ^ SSNInsider Staff (27 October 2014). “On the Set for 10/27/14: Russell Crowe & Ryan Gosling Start Shooting ‘The Nice Guys’, Kate Beckinsale Wraps ‘The Disappointments Room’”. SsnInsider.com. 19 January 2016閲覧。
- ^ “Look! Photos from Sing Street set in Dublin”. RTÉ TEN. (23 October 2014) 19 January 2016閲覧。
- ^ 森岡裕子(編) (2016, p. 11)
- ^ a b “‘Sing Street’ Soundtrack Details”. filmmusicreporter.com. (17 March 2016) 2016年9月12日閲覧。
- ^ David Rooney (2016年1月25日). “'Sing Street': Sundance Review”. Hollywood Reporter. 2016年9月12日閲覧。
- ^ Cosmo Films Limited (2016, pp. 10–12)
- ^ The Weinstein Company (2016, p. 35), Cosmo Films Limited (2016, p. 2)
- ^ Ryan Grace (2016年4月13日). “How the 80s Pop Sound of Sing Street Continues John Carney’s Musical Voyage”. HeadStuff.. 2016年9月12日閲覧。
- ^ “Sing Street”. AllMusic.com. 31 May 2016閲覧。
- ^ Nolfi, Joey (8 April 2016). “Hear new Adam Levine song 'Go Now' from Sing Street”. Entertainment Weekly 12 May 2016閲覧。
- ^ a b c d 森岡裕子(編) (2016, pp. 7, 19–20)
- ^ a b 日本語版公式サイト
- ^ アダム・レヴィーン - ゴー・ナウ - SingStreetVEVO - YouTube
- ^ a b c d e f g h 森岡裕子(編) (2016, p. 17)
- ^ a b Sing Street - Rotten Tomatoes2016年9月13日閲覧。
- ^ Sing Street - Metacritic2016年9月13日閲覧。
- ^ “IFTA 2016 Winners”. アイルランド映画&テレビアカデミー. July 1, 2016閲覧。
- ^ “La La Land Leads with 12 Nominations for the 22nd Annual Critics' Choice Awards”. Critics' Choice (December 1, 2016). 2016年12月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。December 1, 2016閲覧。
- ^ “2016 San Diego Film Critics Society’s Award Nominations”. サンディエゴ映画批評家協会 (December 9, 2016). December 9, 2016閲覧。
- ^ “San Diego Film Critics Society’s 2016 Award Winners”. サンディエゴ映画批評家協会 (December 12, 2016). December 12, 2016閲覧。
- ^ “2016 StLFCA Annual Award Nominations”. セントルイス映画批評家協会 (December 12, 2016). December 12, 2016閲覧。
- ^ “2016 Phoenix Film Critics Society Awards Nominations and Winners”. Phoenix Film Critics Society (December 20, 2016). December 20, 2016閲覧。
- ^ Lauren Huff (2017年1月2日). “Austin Film Critics Association Winners – ‘Sing Street’ Pops Up in Top Films, ‘Moonlight’ Dominates”. 2017年1月14日閲覧。
- ^ “National Board of Review Announces 2016 Award Winners”. National Board of Review (November 29, 2016). November 29, 2016閲覧。
- ^ “Houston Film Critics Nominations for 2016 Films”. MovieAwardsPlus.com (December 13, 2016). December 15, 2016閲覧。
- ^ “Houston Film Critics Society Nominations – ‘The Nice Guys’ and Rebecca Hall Get a Deserved Boost”. AwardsCircuit.com (December 13, 2016). December 15, 2016閲覧。
- ^ “Golden Globes 2017: The Complete List of Nominations”. The Hollywood Reporter (December 12, 2016). 2016年12月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。December 12, 2016閲覧。
- ^ “ゴールデン・グローブ賞ノミネーション発表!『ラ・ラ・ランド』が最多7部門(1/3)”. シネマトゥデイ. (2016年12月12日) 2016年12月13日閲覧。
- ^ “Golden Tomato Awards - Best of 2016”. Rotten Tomatoes (12 January 2017). 2017年1月14日閲覧。
- ^ Tangcay, Jazz (January 9, 2017). “Denver Film Critics Society Announce Nominations”. AwardsDaily.com. January 11, 2017閲覧。
- ^ Craig Daily Press Staff Report (2017年1月16日). “‘Moonlight’ leads Denver Film Critics Society awards”. STEAMBOAT TODAY 2017年1月24日閲覧。
- ^ “‘Moonlight’ and ‘Love and Friendship’ Lead London Film Critics’ Circle Nominations”. Variety (December 20, 2016). December 20, 2016閲覧。
- ^ Fleming Jr, Mike (6 February 2014). “Berlin: John Carney’s 'Sing Street' With U2's Bono And The Edge To Be Sold Offshore By FilmNation”. Deadline.com. 2016年9月13日閲覧。
- ^ Seetoodeh, Ramin (May 17, 2014). “CANNES: Weinstein Co. Picks Up John Carney’s ‘Sing Street’”. Variety.com. 2016年9月13日閲覧。
- ^ Chapman, Adam (17 December 2015). “'Sing Street' to open Dublin film festival”. ScreenDaily.com. 2016年9月13日閲覧。
- ^ “SXSW schedule Sing Street”. South by Southwest. 2016年9月13日閲覧。
- ^ “Rave reviews for Carney's Sing Street at Sundance”. RTÉ.ie (2016年1月25日). 2016年2月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年9月13日閲覧。
- ^ “シング・ストリート 未来へのうた”. クランクイン!. ハリウッド・チャンネル. 2016年9月11日閲覧。
- ^ Tom Stockman (2016年6月14日). “SING STREET Arrives on Blu-ray, DVD, Digital HD and On Demand on July 26”. We are MOVIE GEEKS 2016年9月13日閲覧。
- ^ 作品公式Facebookより:“Sing Street - 基本データ”. Facebook. 2016年9月13日閲覧。
- ^ a b “映画「シング・ストリート 未来へのうた」2017年2月2日(木)Blu-ray&DVDリリース”. ギャガ. 2016年12月13日閲覧。
参考文献
[編集]- 森岡裕子(編) 編『シング・ストリート 未来へのうた オリジナル・モーションピクチャ』(スタンダード・エディション)ギャガ、2016年7月9日。
- The Weinstein Company (2016年). “Sing Street Production Notes” (PDF). TWCPublicity.com. 2016年9月12日閲覧。
- Cosmo Films Limited (2016年). “SING STREET Production Notes” (PDF). ライオンズゲート・フィルムズ. 2016年9月12日閲覧。
関連項目
[編集]- シング・ストリート・クリスチャン・ブラザーズ・スクール(英: Synge Street CBS)- 作品の舞台となった実在の高校で、カーニー監督の出身校でもある。
外部リンク
[編集]- 日本語版公式サイト
- SingStreetVEVO - YouTubeチャンネル
- アダム・レヴィーン - ゴー・ナウ - SingStreetVEVO - YouTube - 本作の主題歌に日本語字幕が付いたMV。
- Sing Street (singstreetmovie) - Facebook - 英語版公式Facebookページ
- “Sing Street”. ライオンズゲート・フィルムズ. 2016年9月12日閲覧。 - 英国で配給を担当するライオンズゲートの作品ページ。
- “Sing Street”. Sundance Institute. 2016年9月11日閲覧。