コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

ジェイムズ・ハミルトン (第8代アバコーン伯爵)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
トマス・ゲインズバラによる肖像画、1778年。

第8代アバコーン伯爵ジェイムズ・ハミルトン英語: James Hamilton, 8th Earl of Abercorn1712年10月22日1789年10月9日)は、グレートブリテン王国アイルランド王国貴族政治家トーリー党に属し、スコットランド貴族代表議員(在任: 1761年 – 1786年)を務めた[1]

生涯

[編集]

第7代アバコーン伯爵ジェイムズ・ハミルトンと妻アン(Anne、旧姓プラマー(Plumer)、1690年6月29日 – 1776年8月7日、ジョン・プラマー大佐の娘)の長男として、1712年10月22日にロンドンクイーン・スクエア英語版で生まれた[1]。1729年10月10日、オックスフォード大学クライスト・チャーチに入学した[2]

父の存命中の1736年3月23日、父からアイルランド貴族であるマウントキャッスル男爵位を継承して、アイルランド貴族院英語版議員に就任した[1]。1744年1月11日に父が死去すると、アバコーン伯爵位を継承した[1]。アバコーン伯爵位はスコットランド貴族の爵位だったが、爵位継承時点でスコットランドに領地を所有しておらず、伯爵は1745年に第3代アーガイル公爵アーチボルド・キャンベルからエディンバラシャーダディンストン英語版を購入して、1764年に第8代ダンドナルド伯爵トマス・コクランからレンフルーシャーペイズリーを購入した[3]。これらの領地はいずれもアバコーン伯爵家が以前に所有したことのある領地だった[3]。1760年代に建築家サー・ウィリアム・チェンバーズを招聘してダディンストン・ハウスを建てたが[4]、ペイズリーを購入した後は主にペイズリーに住んだ[5]

アイルランドでは広大な領地を有し、不在地主ではあったがティロン県バロンズコート英語版で邸宅を建てた[4][5]。イングランドでもエセックスウィタム英語版に邸宅を所有し、1761年9月にシャーロット王妃を招待した[3]

1761年イギリス総選挙でスコットランド貴族代表議員に当選、以降1768年1774年1780年1784年の総選挙で再選した[1]グレートブリテン貴族院ではトーリー党に属し、1766年3月に印紙法廃止に反対票を投じ、1783年12月にチャールズ・ジェームズ・フォックスの東インド法案に反対票を投じた[1]

1786年8月24日、グレートブリテン貴族であるハミルトン子爵に叙された[1]。この爵位には特別残余権(special remainder)が定められており、初代子爵の男系男子が断絶した場合、初代子爵の弟ジョン英語版の息子ジョン・ジェイムズおよびその男系男子が継承するとされた[1]。その後、貴族院特権委員会は1787年2月13日に裁定を下し、アバコーン伯爵がハミルトン子爵への叙爵に伴いスコットランド貴族代表議員を退任したと判断した[1]。叙爵の理由はスコットランド社会における地位と貢献とされた[4]

ダディンストン英語版からロンドンに向かう道中[3]、1789年10月9日に生涯未婚のままバラブリッジ英語版で死去、ペイズリー寺院英語版に埋葬された[1]。爵位は甥ジョン・ジェイムズが継承した[1]

評価

[編集]

ホレス・ウォルポールからは寡黙な人物と評されたが、『オックスフォード英国人名事典』はアバコーン伯爵が寡黙なだけというよりは言葉が簡潔だと評した[4]

出典

[編集]
  1. ^ a b c d e f g h i j k Cokayne, George Edward; Gibbs, Vicary, eds. (1910). Complete peerage of England, Scotland, Ireland, Great Britain and the United Kingdom, extant, extinct or dormant (Ab-Adam to Basing) (英語). Vol. 1 (2nd ed.). London: The St. Catherine Press, Ltd. pp. 6–7.
  2. ^ Foster, Joseph (1888–1892). "Hamilton, James (2)" . Alumni Oxonienses: the Members of the University of Oxford, 1715–1886 (英語). Vol. 2. Oxford: Parker and Co. p. 594. ウィキソースより。
  3. ^ a b c d Paul, James Balfour, Sir, ed. (1904). The Scots Peerage (英語). Vol. I. Edinburgh: David Douglas. pp. 64–66.
  4. ^ a b c d Huddleston, David (3 January 2008) [23 September 2004]. "Hamilton, James, eighth earl of Abercorn". Oxford Dictionary of National Biography (英語) (online ed.). Oxford University Press. doi:10.1093/ref:odnb/12093 (要購読、またはイギリス公立図書館への会員加入。)
  5. ^ a b Henderson, Thomas Finlayson (1890). "Hamilton, James (1712-1789)" . In Stephen, Leslie; Lee, Sidney (eds.). Dictionary of National Biography (英語). Vol. 24. London: Smith, Elder & Co. pp. 185–186.

外部リンク

[編集]
スコットランドの爵位
先代
ジェイムズ・ハミルトン
アバコーン伯爵
1744年 – 1789年
次代
ジョン・ジェイムズ・ハミルトン
グレートブリテンの爵位
爵位創設 ハミルトン子爵
1786年 – 1789年
次代
ジョン・ジェイムズ・ハミルトン
アイルランドの爵位
先代
ジェイムズ・ハミルトン
マウントキャッスル男爵
繰上勅書により)

1736年 – 1789年
次代
ジョン・ジェイムズ・ハミルトン