ジェームズ・ジョセフ・バルジャー
ジェームズ・ジョセフ・バルジャー(英語: James Joseph Bulger, 1929年9月3日 - 2018年10月30日[1])は、1970年代から1990年代にかけて活動したアメリカ合衆国ボストンの元裏社会首領で、元マサチューセッツ州上院議長ウィリアム・バルジャーの兄である[2]。「ホワイティ (Whitey)」の通称で知られた[1]。
経歴
[編集]1929年9月3日、アイルランド系アメリカ人の両親の間にボストンのローチェスターで生まれる。1950年代にハウィー・ウィンター、ジェームズ・マクリーンらと共にウィンターヒル・ギャングを結成し、同じくアイルランド系のチャールズタウン・モブ、マフィアのパトリアルカ一家などと熾烈な抗争を繰り広げた。
1975年、連邦捜査局 (FBI) の情報提供者となり、パトリアルカ一家に関する情報を提供していたが、その立場を悪用して次々に犯罪を実行した。1995年に一旦逮捕されたが逃走し、以降16年間は妻と共に逃亡生活を続けた。1999年にはFBI10大最重要指名手配に選定され、バルジャーの逮捕に繋がる情報に200万ドルの懸賞金が懸けられた。2011年6月、カリフォルニア州サンタモニカのアパートで逮捕された。2013年8月、恐喝・マネーロンダリング・麻薬取引などの犯罪と19件の殺人で起訴された[3]。同年11月14日、終身刑2回と懲役5年の判決を受けた[4]。
2018年10月30日、ウエストバージニア州の連邦刑務所で獄中死したことが明らかになった。享年89歳であった[5]。米メディア各社は「殺害された」と報じている[1]。
映像化
[編集]バルジャーの半生は2015年公開のアメリカ映画『ブラック・スキャンダル』で映像化され、ジョニー・デップがバルジャーを演じている[1]。また、2006年公開のアメリカ映画『ディパーテッド』でジャック・ニコルソンが演じた登場人物も、バルジャーをモデルとしている[1]。
脚注
[編集]- ^ a b c d e “米の凶悪ギャング首領、バルジャー受刑者が死亡 獄中で殺害か”. AFPBB News. フランス通信社. (2018年10月31日) 2018年11月1日閲覧。
- ^ ジェームズ・バルジャー James "Whitey" Bulger
- ^ “米伝説のギャングに有罪 弁護側控訴へ”. (2013年8月13日). オリジナルの2013年8月21日時点におけるアーカイブ。
- ^ “Topic Galleries” (英語). Chicago Tribune
- ^ “Gangster James ‘Whitey’ Bulger killed in jail” (英語). BBC NEWS. (2018年10月30日)